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連載第9回目 自動運転はこんなところからやってくる! 実現間近なZMP ロボカーウォーク

Writer:小沢コージ Photo:小沢コージ

zmpタクシーweb.jpg▲右は自動運転タクシーの実証実験を大手町~六本木間で行ったロボタク 左は慶応大学湘南キャンパスで実証実験済みの自動運転宅配ロボット「キャリロデリ」

●すでに世界初の「ロボタク」を東京で実証済み!
 
 みなさん、ZMPはご存知でしょうか。

 テスラのオートパイロットに、日産のプロパイロット、アメリカのグーグルから分離したウェイモなど、世界有数の先進企業が凌ぎを削る自動運転ベンチャー。

 しかし実際の未来は、もしやこんなところからやってくるのかも? と、ふと思わされました。

 それは、日本のロボットベンチャー企業の雄たる「ZMP」です。
 
 すでに2018年8~9月、タクシー大手の日の丸交通と組んで、世界初、交通密集地帯での営業サービス実証を敢行。
 緊急プロドライバーを運転席に座らせた状態のまま、大手町~六本木を自動運転でタクシー運行。ネットで公募したお客さんを片道1500円で運び、無事故無違反のまま実証を終えました。

 この技術を支えたのはZMPで、独自のカメラ技術やレーザーセンサー技術、自動運転の制御技術あればこそ。
 
 この手の実証は2019年、さらに空港のリムジンバスまで使って行うらしいですが、それよりもっと身近で面白いものが発表されました。
 
 それは、ZMPが毎年東京で7月に開く「ZMPワールド」で発表された「ロボカーウォーク」。
 
 一見、クルマ椅子サイズのオモチャのような電動カーですが、コイツが本気も本気。というのも、すでに実証開始後、3年を経過しているZMPの「キャリロデリ」がベースになっていて、これは歩道を走れる自動宅配ロボットなのです。

ZMP社長web.jpg▲新型自動運転宅配ロボット ロボカーウォークを発表するロボットベンチャーZMPの谷口社長

●空港内の電動クルマ椅子はレベル4も間近!

 キャリロデリは2019年3月に慶應大学湘南キャンパスで実証済みの技術で、2020年には量産化も考えられている信頼あるもの。
 
 重要なポイントは、自動運転車同様のカメラやレーザーセンサーで、360度を認識しながら一般歩道内を法的に許された時速6km以内で完全自動運転できること。
 
 スマホアプリから入力された目的地に向かい、エリア内を完全自動で宅配します。
 
 その場合、時速6km以下というのが最大の重要点で、現在歩道を走る高齢者向きシニアカーがそうであるように、超低速がゆえに衝突安全ほかを気にしなくてすむメリットがあるのです。

キャロデリリアweb.jpg▲自動運転可能なロボカーウォーク 環境保護の観点からシート素材などにも配慮がなされている
 
 今回発表されたロボカーウォークは、まさにキャリロデリの技術を応用した、自動運転できる電動クルマ椅子であり、電動シニアカーとして開発されました。

 「シニアカー」というと高齢者専用と思われがちですが、実際は違います。ZMPは今回「空港内の移動に使える、自動運転の電動クルマイス」としてロボカーウォークを発表したのです。
 
 プレゼンした谷口恒社長いわく、「最初は空港内の自動運転バスの営業に空港に行きましたが、よくよく聞いてみると彼らの本当の悩みは多すぎる空港内のクルマ椅子移動だったんです」。

小沢コージ車椅子2web.jpg▲空港内のクルマ椅子移動は職員が移動を手伝うため意外と負担が多い これが自動運転になれば職員が不要になりほかのサービスに専念できる

 実は小沢も昨年、成田~ロサンゼルス間を、左足を怪我したまま移動しましたが、非常に助かったのが空港内クルマ椅子移動。
 
 なにしろ予約が簡単で、世界の空港内では、こんなにも多くのクルマ椅子移動が行われていることにビックリ。職員が疲弊することも実感できました。
 
 同時に、空港内などエリア限定の超低速電動カーこそが、最初に自動運転化がなされる移動物体であろうということも、聞いて納得できました。

キャロデリ画面web.jpg▲空港内や歩道限定の自動運転ロボットとしてZMPが提案するロボカーウォーク 実際にニーズが多く実現も近い

 くりかえしますが、電動クルマ椅子は一般公道を走る自動車とは違って、時速6km以下なので、止まる気になればすぐ止まれる。万が一ぶつかっても大した衝撃はありません。制御技術が確立され、商品の価格さえ合えば、すぐにでも導入できる"最も現実的な自動運転カー"なのです。

 事実、谷口社長は「私は2020年までに必ずレベル4を実現する」といいきっています。そのひとつの現実的解が、空港内でのこれら自動運転カー。

 ただひとつ気になるのは、パーツ単体で結構な高額になるというライダー技術がキャリロデリやロボカーウォークに使われている点です。これが1台数十万円から100万円!? となると普及はツラそうですが、そこは技術進化が解決してくれるはず。

キャロデリライダーweb.jpg▲自動運転を可能にするためライダーやカメラを駆使する点はクルマと同様 このあたりのコストダウンが普及のカギを握る

 とりあえずZMPは今後ロボカーウォークをともに実証する空港や企業体を募集するとのこと。ぜひとも羽田や成田を始めとする日本の代表的空港で実験し、いちはやく導入してほしいものです。

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