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連載第13回 インプレ編 新型ホンダN-WGNの走りはN-BOXだけでなくフィットも越えた!?

Writer:小沢コージ Photo:小沢コージ

小沢コージweb.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜18時50分TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』

 なんと、発売2週間の受注が2万台とセールス絶好調の新型N-WGN! はたして2代目はホントに壁を越えたのか? いよいよ新世代のNシリーズ人気を作れるのか? 今回は小沢コージの公道試乗チェーック! の巻です。


●本当にNブランドの一員になれたのか? をインプレチェック

 前回のインタビューで明らかになった意外なる事実は、1st N-WGNの不振でしょう。

 いまや月販2万台突破は当たり前、2年連続でプリウスやノートe-POWER超えの乗用車セールスNO.1に輝く、爆売れ兄弟車のN-BOX。

 共通プラットフォームを使い、走りと広さと燃費までクラストップの1st N-WGNも、売れに売れていると思ったら、さにあらず。
 
 2018年末期の販売を見ると、クラス2トップのダイハツ・ムーヴ、スズキ・ワゴンRはもちろん、日産デイズ、スズキ・ハスラーにも負けてハイトワゴン5位常連。1st N-WGNはN-BOXほど売れてなかったのです、実は!
 
 分析の結果わかったのが「ほかを見過ぎたのが問題だった」こと。
 
 ズバリ、初代N-WGNはライバルのムーヴやワゴンRを意識し過ぎるがあまり、存在が似てしまい、埋没してしまった。その反省から生まれたのが2nd N-WGNであり新生Nシリーズ。
 
 というわけで、完成度を小沢コージが公道でチェックしてみました。

標準車フロント_プレート付きweb.jpg▲丸形ヘッドライトの標準車 ボディはキャラクターラインを少なくしたシンプルさが特徴

 まずデザイン、とくにエクステエリアの狙いは、ある程度成功しているといっていいでしょう。

 1st N-WGNは、ワゴンRやムーヴのようにキャラクターラインの多い欲張りデザインでした。
 ところが2nd N-WGNは、キャッチフレーズの「New Simple!」のとおり、無駄な線を思い切って排したボクシーデザイン。
 
 とくにシンプルな丸目系ライトの標準ボディはやや素っ気な過ぎるほどです。無印良品的というか。

標準車リア_プレート付きweb.jpg▲ボディカラーも含めてライバルにはないホンダならではのオリジナリティをアピールする
 
 なによりワイルドなゴージャスなハズの新型N-WGNカスタムのエクステリアが衝撃的。通常ややヤンキーチックなまでのドヤ顔になりがちなカスタムでありながら、シンプル至極。

 グリルにこそ横長ドット模様を数多くあしらってますが、四角いヘッドライトといい、全然下品じゃない。

カスタムフロント_プレート付きweb.jpg▲カスタムは角形ヘッドライト採用 従来のように過度な派手さとは一線を画した高級感を追求
 
 これはチャレンジ! はたしてこれが受け入れさえすれば、2ndN-WGNの狙いは成功だといえます。

 インテリアも同様。デザインがシンプルなのはもちろん、インパネの質感はこれまで以上に高く、安っぽくなりがちなシフト回りの質感も高め。
 
 とくにカスタムの本革風シート表皮「プライムスムース」はタッチ良好。エッジ部のダブルステッチもなかなか。ステアリングにも上級グレードの「L・ターボ」には明らかにタッチの良い本革表皮が使われています。

カスタムダッシュ斜めweb.jpg▲カスタムLターボ・ホンダセンシングのインテリア プライムスムースと呼ぶ本革風シート表皮を採用

●走りの上質感は部分的にフィット超え?

 一方、驚いたのは走った時の質感、いわゆるNVHです。ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス(突き上げ)の略ですが、とくに発進直後の滑らかなステアリングフィール、乗り心地が印象的。
 
 兄貴分の登録車フィットは、プラットフォームで剛性を出そうとしすぎているのか、ときにゴツゴツ感を感じますが、新型N-WGNにその手はナシ。ハイスピードでは多少アゴを出すかも知れませんが、街中タウンスピードでの上質感は目を見張るものがあります。
 
 さらにコーナリング中のロールが、明らかに背高のN-BOXに比べて小さい。これは高速道路で安心感が向上しています。
 
 一方、加速感ですが、ここには軽自動車の限界を感じます。それでもN-WGNターボは街中から高速までかなり満足。それもそのはず、エンジンのピークパワーは64psとライバル同様の自主規制枠内ですが、最大トルクは104Nmとぶっちぎり。ムーヴ、ワゴンRのターボに対して6Nm以上のアドバンテージがあります。

カスタムエンジンweb.jpg▲ターボエンジンだけでなくNAでもライバルよりトルクフルなパワーユニットを搭載
 
 さらにノンターボモデルは凄く、ライバルが軒並みピークパワー52psなのに対し、N-WGNのみ58ps。ピークトルクも他が60Nm程度なのに65Nmあります。高速では多少、物足りない感もありますが、それでもライバルより速い。
 
 事実、小沢は同じエンジンを搭載したノンターボのN-BOXに自家用で乗っていますが、高速でもガンガンに走れるし、普通にはアクセルベタ踏みにもなりません。 
 N-WGNは、N-BOXより軽いし、高速でも相当使えるはずです。

●明らかに高品質・高価格帯に舵を切った新型N-WGN

 最後に装備面ですが、N-WGNが凄いのは一番安い「G」グレードでも先進安全のホンダセンシングとサイドエアバッグ、カーテンエアバッグを全車標準で装備しているところ。その分、最も安いモデルで127万円スタートと、ライバル、ワゴンRの107万円台スタートより20万円も高い結果に!

 もちろん、ワゴンRの廉価版は、先進安全や追従オートクルーズ機能、サイドエアバッグも標準装備しませんが、これは間違いなくユーザーを選びます。
 
 2nd N-BOXの真価は、その上質なシンプルデザインや走りのよさもありますが、それ以上に明らかに思い切って高価格・高品質にふったこと。

 その振り切り具合は、明らかに1st N-WGNを越えます。

小沢コージ運転web.jpg▲発進直後から乗り心地とステアリングフィールのスムーズさが印象的 高速道路では車高が高いN-BOXより安定感がある
 
 おそらく、これはいままでにない軽ハイトワゴンユーザーをつかむはずです。それこそホンダ・フィットやトヨタ・アクアからの乗り換えも辞さないような。

 そして今回は新車効果がどこまで続くか? これが本当の見どころになるでしょう。 
 小沢の直感では、それがある程度続きそうなこと。N-WGNはある程度成功するってことです。
 ただし、N-BOXほどバカ売れするかはやはり謎。本当にそうなったら日本の乗用車市場が様変わりするかもしれません。

ラゲッジweb.jpg▲2段に区切るボードを採用 ワゴンらしくラゲッジの使い勝手も良好

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