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連載第15回 マツダ3インプレ編 新理論「骨盤コンセプト」の走りは実際のところどうなの?

Writer:小沢コージ Photo:小沢コージ

運転web.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜18時50分TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』

●富士山リアビューはたまらなくカッコいいが...

 さて、待望のマツダ3のいよいよ公道試乗です。

 というのも約3ヵ月前の5月24日に発売されたマツダ3ですが、人気に生産が追い付かないのか、公道試乗会はいまだナシ。
 
 代わりに9月に入ってから個別貸し出しが行われたのです。

フロント下からweb.jpg▲新型マツダ3・ファストバック XDバーガンディセレクション 価格:6AT 304万4555円(消費税10%込み)
 
 もちろん国内未発売の新コンセプトエンジン、スカイアクティブX搭載モデルはまだなく、既存の1.8Lディーゼルモデルと2Lガソリンンモデルの2チョイス。
 
 小沢は今回前者でボディカラーがシブいポリメタルグレーメタリック、グレードがファストバック専用のバーガンディ・セレクションを借りました。

 インテリアは派手めなレッドレザーです。
 
 改めてみるとマツダ3のスタイルは素晴らしいの一言。プレスラインを極力廃した、線でなく面で見せるデザインは圧巻です。

 とくに真後ろから眺めた時のリアフォルムは稜線がすらっと左右に伸びた富士山のよう! クォーターピラーの張りは、ピンとして無駄な線がひとつもありません。

リアweb.jpg▲ルーフの稜線からワイドに広がるホイールハウスまでオリジナリティあふれるリアスタイルはマツダ3の大きな特徴 

 ノーズは強引にいうとアストンマーティンのようにワイルドかつ伸びやかで、スタイルにはあらためて満足。

 インテリアもそうとう頑張っていて、造形は優雅でシンプル。

 かつての欧州車のようなエレガントさがあり、マテリアルはシートの本革はもちろん、ダッシュボードまで一部同系統の素材で覆われ、ダブルステッチまで入っています。 
 
 内部のドアハンドルもこだわりのツヤを感じさせるプラチナサテン塗装。
 
 オマケにドア内張りまで革風素材で覆われ、これぞ新マツダ・プレミアム! 

内装web.jpg▲ドアハンドルから後方に続くガーニッシュはプラチナサテン塗装 細部まで入念な仕上がり
 
 メルセデスやアウディを越えたか? というと建て付け剛性や精度、厳密な素材感で圧倒するまでにはいきませんが、200万円台から始まる国産Cセグメントハッチバックとしては破格。
 
 ある意味、欧州車的クオリティをちょっと高めの国産車価格で! というコンセプト。マツダは明らかにここからプレミアムで勝負するという意気込みがうかがえます。

●骨盤で勝負する走りはまさに挑戦かも

 一方、アクセルを踏み込むなり、これは結構な勝負かもしれない! と感じたのが走りであり、乗り心地の方向性です。
 
 新たに骨盤を立て、歩くように走らせるというユニークな新コンセプトですが、都内の一般道では予想外のゴツゴツ感を感じます。一瞬、乗り心地悪いなぁ!? と思っちゃったほど。

ダッシュweb.jpg▲赤の本革を惜しみなく使うフラッグシップグレードのバーガンディセレクション
 
 既にインタビューで開発エンジニアから「乗り心地でいえば厳密には以前より硬くなっています。その分、レスポンスを優先していますので」という言質を取ってはいますが、実感するとアレ? と思うレベル。
 
 ある意味、ライバルであるトヨタのカローラ・スポーツ、さらにVWゴルフなどと比べると露骨に硬いのです。
 
 とくにゴルフの真綿でくるむような優しさとは対照的。果たして長距離乗った時に、本当に身体に優しく感じるのかが勝負!
 
 一方、エンジンはさすがにディーゼルだけあって低回転からそこそこ力強い。

エンジンweb.jpg▲エンジンは3種類 今回の試乗は1.8リッターのスカイアクティブD
 
 しかし、マツダならではの低圧縮ディーゼルだけに、ピークパワーは116psと普通だし、ピークトルクも270Nmと、いうほどすごくはありません。
 
 ライバル、ゴルフTDIは排気量が2リッターということもあって150ps&340Nmですか。正直、ドイツ勢に比べ、体感的アドバンテージはないでしょう。
 
 それからまた方向の違いが出ているのがマツダ独自の先進安全技術のi-ACTIVSENSE。

メーターweb.jpg▲追従型クルージングコントロールを装備 メーター内とヘッドアップディスプレイに作動状況が表示される

 これが追従オートクルーズ機能は普通の出来ですが、レーンキープ性能はまだまだ。というより、マツダは最後までドライバーが運転し、楽しむことを尊重し、明らかに自動運転の世界にさほど目を向けてないメーカー。
 
 日産やトヨタなど、どんどん自動化が進むメーカーとの違いが如実に表れています。
 
 さらにいうとスタイル優先で、ここまでリアシートやラゲッジにこだわらないのもマツダならでは。もちろんトヨタC-HRのようにスタイルにふったSUVもあるにはありますが、実用優先のハッチバックではダントツにマツダならではの独自路線。

 
 肝心の骨盤を立てて、歩くように走れるから疲れない!という新コンセプトで作られた走り味ですが、今回は東京から河口湖まで往復200km以上しました。
 
 確かにシートの出来はよく、肩回りにも力が入らず、疲れない感覚はありましたが、他のクルマに比べて全然違う!? ってほどか、というとどうでしょう。

前席web.jpg▲骨盤を立てて座らせる新理論採用のシート さほど新しさは感じないが座り心地はいい
 
 新骨盤コンセプトのマツダ3は、1度走っただけではピンと来なかったのが正直なところ。もしくは小沢の感覚が鈍いのかもしれませんが。

 一方、燃費はかなりぶっ飛ばしてメーター計測19km/L台。満足いくところです。

 しかし、良くも悪くもマツダ3で明らかに牙を向き出した新プレミアム戦略。今後出てくる新型マツダ車はもちろん、評価がますます楽しみになってきましたね。

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