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発掘名車:世界に衝撃を与えたロータリースポーツ

Writer:カー・アンド・ドライバー編集部 Photo:小久保昭彦

1972年式 マツダ・コスモスポーツ

コスモ01.JPGマツダ・コスモスポーツ 世界初の2ロータ・ロータリー搭載スポーツ 高いパフォーマンスとスムーズなフィーリングが魅力

プロフィール:カタログでは「スーパーカーと表現

 コスモスポーツ(デビューは1967年5月)は、マツダ(開発時の社名は東洋工業)が社運をかけて開発したロータリーエンジン搭載、第1号車。1961年、ドイツNSU社から夢のエンジンといわれたロータリーエンジンの理論と使用権を取得し、約6年の歳月をかけて独自の研究が進められた。新エンジンの開発は困難を極めた。

 ロータリーの特徴は小型軽量&高出力とスムーズな回転感である。コスモスポーツは排気量491ccのユニットを2連装した世界初の2ローターロータリー構造。最高出力110㎰を誇った。性能は当時の2リッタークラスに匹敵し、最高速度は185㎞/hをマーク。カタログでは「スーパーカー」という表現を用い、レシプロエンジン搭載車と明らかに違うパフォーマンスをアピールした。スタイリングは全高が1165mmと低く、斬新だった。ラウンド形状の大型リアウィンドウの造形は、未来感覚にあふれていた。

 コスモスポーツはデビュー翌年の1968年7月に各部をリファインする。ホイールベースを150mm延長し、フロントグリルを拡大して冷却性能の向上を図る。エンジンの排気量はそのままに128psにパワーアップした。最高速度は新たに5速ミッションと組み合わせて205km/hに。タイヤは155HR15サイズのラジアルが標準になった。

 コスモスポーツはメーカーのイメージリーダーとしてドイツのニュルブルクリンク・サーキットで開催された84時間耐久レース〝マラソン・デ・ラ・ルート〟で4位に入賞するなどモータースポーツでも活躍した。累計生産台数は1176台、1972年9月生産を終了した。

コスモ02.JPG写真の後期型は19687月エンジン登場 エンジンを110㎰から128㎰にパワーアップした5MT仕様 ホイールベースは150m/m延長され高速走行時の安定性を高めた 最高速度は205㎞/h

インプレッション:ロータリーはよく回り、しかもパワフル

 紹介するモデルは、フルレストア済み1972年式のコスモスポーツ最終型。内外装のコンディションは素晴らしい。ボディは、エンジンなどすべてのパーツを外し、サビやへこみを補修したうえで、新車時と同じ塗料で全塗装済み。曲面で構成されたフォルムは美しく、塗装にはツヤがある。バンパーなどメッキパーツの状態はいい。タイヤはBS製の新品ラジアル。ホイールに純正キャップが付く。

 ジャカード柄のファブリックシートは張り替えられ、7連式メーターは正常に作動していた。テレスコピック機構付きステアリングとシフトノブはウッド製。着座位置は低く、ドライビングポジションはスポーティ。視界は全方位良好。室内はヘッドルームに余裕があり窮屈な印象はなかった。

 エンジンとミッションはオーバーホール済み。ロータリーユニットはモーターのように軽やかに回る。とくに3000rpmmを超えてからレスポンスはスムーズである。独特のビート音を奏でながら、鋭い加速を披露する。ストロークの短い5速ミッションのシフトフィールは扱いやすい。足回りはしっかりしており、ハンドリングは素直。ステアリングはノンパワーアシストだが、操作は軽い。ボディはしっかりしていた。不整路面でもきしみ音は皆無。だが、ブレーキの利きはややマイルドだった。

 最近、コスモスポーツは海外でも評価が高い傾向。状態がいいモデルの取り引き価格は上昇している。

コスモ03.JPGステアリングホイールは外径400m/mのウッド製 ハンドブレーキをコンソール右側に配置 高速走行時でも室内は静粛に保たれ快適性はハイレベル

コスモ04.JPG速度計は240㎞/hまで表示 7000rpmでオーバーレブ警告ブザーが鳴る

※次ページでスペックを紹介

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