17年ぶりの復活! 期待の直6ターボを体感

トヨタGRスープラRZ 試乗記

GRスープラ01.jpgトヨタGRスープラRZ 新型はBMWとの共同開発モデル

トヨタ・スポーツスピリットの結晶

 2019年1月のデトロイト・ショーで、ワールドデビューを飾った新型GRスープラ。「日本のデリバリー開始は55月から」という情報が届いている。トヨタとBMWの初コラボレーションが生んだFRスポーツカーへの期待度は、高まる一方だ。 

 GRスープラに対する注目度は世界的に高い。それは、「この時代」に新たなピュアスポーツカーを誕生させた事実に、トヨタの強い熱意を感じるからではないか。

GR.スープラ02.jpgGRスープラのボディ剛性はトヨタ86の約2.5倍 かつてのレクサスLFAを凌ぐ強靭構造 前後重量配分は5050

素晴らしいパフォーマンス!

 ボディ骨格やシャシー、エンジンとトランスミッションなど、基本的なメカニカルコンポーネントはBMWの新型Z4と共通。走りのテイストは、優れた動力‌性能が強く印象に残る。加速力に優れ、回転の上昇に伴ってスムーズさが増すエンジンの感覚や澄んだサウンドは、たまらなく刺激的だ。

 直列6気筒エンジンは、スープラにとって重要なアイコンである。同時に直6BMWの「お家芸」でもある。トップモデルのRZグレードに搭載されるユニットは3リッター直6DOHC24Vターボ。スペックは340㎰/51.0kgmを誇る。そのパワーとフィーリングは期待を裏切らず、素晴らしい。

「エンジンはクルマの[心臓部]なのだから、自社で開発してほしかった」という思いはある。だが、そこにこだわると、そもそも新型GRスープラは復活しなかったかもしれない。むしろ「よくぞ最良のパートナーを見つけてくれた」という気持ちになる。

 優れた動力‌性能には、8速ATミッションが大きく貢献している。ステップ式ATならではの発進時や微低速での滑らかな挙動を見せながら、DCTにも匹敵するダイレクトな駆動力の伝達感が味わえる。ミッションの完成度は非常に高い。

GR.スープラ03.jpg室内は機能的な造形 ステアリングはグリップ部の太いスポーツ形状 センターディスプレイはナビや車両情報を表示する多機能型

ドライビングは抜群に楽しい!

 現時点では、GRスープラ(プロトタイプ)のフットワークをチェックした環境はドライのサーキット上のみ。端的にいって、ドライビングは「抜群に楽しかった」。シャープで自在度の高いハンドリング感覚は、まさに本格ピュアスポーツカーそのものである。

 コーナリング時の回頭‌性を測る指標となるホイールベースとトレッドの比率は1.55。ライバル車のポルシェ718ケイマン(1.62)やアルピーヌA1101.56)を下回り、シャープな回頭性を狙ってることがうかがえる。足回りは前ダブルジョイントスプリングストラットと、後マルチリンクの4輪独立式。ボディはレクサスLFAを凌ぐ高剛‌性仕様だ。

 GRスープラは、すべてを理想の走りのために調律している。実力の全貌が明らかになるまで、もうあとわずかだ。

GRスープラ04.jpgシートはサポート性を重視したハイバック形状 シート素材は本革とアルカンターラ

※次ページでスペックを紹介

トヨタGRスープラRZ主要諸元

GRスープラ05.jpg

価格=8SAT 未定
全長×全幅×全高=4380×1865×1290mm
ホイールベース=2470mm
トレッド=フロント1594×リア1589mm
車重=未公表
エンジン=2998cc直6DOHC24Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=250kW340ps)/5000〜6500rpm
最大トルク=500Nm51.0kgm)/16004500rpm
JC08モード燃費=未公表
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント26535ZR19/リア27535ZR19+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=2
最小回転半径=未公表
0→100㎞/h加速=4.3

※スペックは20191月発表プロトタイプの数値

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