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脱軽自動車宣言。eKとデイズの革新とは

Writer:岡崎宏司 Photo:小久保昭彦

三菱eKクロス&eKワゴン+日産デイズ 試乗記

IMG_3356.JPG三菱eKクロスT4WD) 価格:CVT 1765800円 eKシリーズはSUVイメージのeKクロスと標準仕様eKワゴンを設定 Tはターボ仕様

IMG_4086.JPG日産デイズ・ハイウェイスターGターボ・プロパイロットエディション(FF) 価格:CVT 1647000円 デイズはハイウェイスターと標準車の2シリーズ

2台は兄弟車。「顔が好きなモデル」を選んで吉

 三菱eKシリーズと日産デイズがモデルチェンジした。両車は兄弟車。日産が企画開発を、三菱が生産を担当する。だから、当然似ている。いや、似ているなんてレベルではない。フロントグリル以外は基本的に共通だ。連携によるコスト効果を最大レベル引き出している。

 兄弟車(あるいはバッジエンジニアリング)というと、ネガティブなイメージを抱くユーザーがいるだろう。だがデイズとeKシリーズに関しては、あまり意識しないユーザーが多いのではないだろうか。たとえていえば、アルファードとヴェルファイアの関係に似ている。2台は兄弟車だが、ともに人気抜群。ユーザーは〝顔が好きなモデル〟を選び、満足している。

 ボクは一日の間を置いてデイズとeKクロスに試乗した。顔以外はすべて同じであることを確認したのだが、ネガティブな印象は一切受けなかった。

IMG_3383.JPGeKクロスのボディカラーは全11タイプ 写真のサンドイエローメタリック+ホワイトソリッドはオプション(81000円)

IMG_4095.JPGハイウェイスターのボディカラーは全11タイプ 写真のアッシュブラウン+フローズンバニラパールはオプション(64800円)

Kカーとは思えない上質な内外装

 試乗車は、ともに上級モデル。「えっ、これがKカーなの!?」と最初に驚いた。

 ツートンカラーに塗られたボディは、単に色合いが華やかというだけでなく、立派に見えた。

 デイズ・ハイウェイスターとeKクロスに設定されたツートンカラーは「6万4800〜8万1000円のオプション」だが、支払う価値は十分にある。モノトーンでも立派には見えるが、鮮やかなツートンカラーをまとったデイズとeKクロスは、決定的に格が上がる。

 たたずまいは堂々としているし、姿は魅力的だし、質感は高い。いままでのKカーの枠をことごとく超えている。

 好印象は外観だけではなかった。

 キャビンに入って、また驚いた。ダッシュボード回りはしっかりしたボリューム感があり、メーターも、ナビも、センターコンソールも、デザインと実用性が高いレベルでまとまっている。デザインと操作性の両面で優れたステアリングホイールにも心引かれた。Kカーとしてはかなり力を注いで開発したステアリングホイールだと、ボクには思えた。

 センターコンソール上に組み込まれたエアコンのコントロールパネルは、見た目にも、操作の容易性でも満点がつけられる。

 室内各部のトリム造形にはしっかりした厚み感があり、Kカーに乗っているという感覚はほとんどない。

 後席に乗ってまた驚いた。165cmのパッセンジャーが前後に座ると、後席ひざ元には余裕の空間が残る。こぶし何個といったレベルではなく、ゆったりと足を組めるほどの空間が残るのだ。サイドシルは低く乗り降りは楽だし、フラットなフロアは感覚的にも実質的にも、広いサイズをより強く実感させる。

 後席座面は低めに設定されており、大人が座ると足を投げ出すような姿勢になる。これは、Kカーの最重要ユーザーである女性からの「子供優先」の要望に応えた結果という。

IMG_3508.JPGeKクロスTの室内 インパネは水平基調 各部の作りは上質 写真はプレミアムインテリアPKGop54000円) センターに配置したAC操作部はタッチパネル式 9インチ大画面ナビはディーラーオプション(218808円) 各所に小物入れ配置

IMG_4158.JPGハイウェイスターGターボの室内 インパネはeKシリーズと共通形状 写真はプレミアムコンビネーションインテリア(オプション32400円) ハンドリングは素直

主力モデルはマイルドハイブリッド仕様

 限られた「軽の枠」の中でキャビンが広くなったということは、エンジンルームを圧縮したとも言い換えられる(ホイールベースは従来モデル比65mm長くなった)。新開発のエンジンとトランスミッション(CVT)はともにコンパクト化されている。加えて、前後長の短いエンジンルームには、衝突時のエネルギーを吸収するための新たな技術が投入された。新型は、万一の衝突時にエンジンが下方に落ちてキャビンへの衝撃を抑制する。

 エンジンは新開発の直列3気筒のDOHC12V。NAで52ps60Nm、ターボで64ps/100Nmを引き出す。上級モデルのデイズ・ハイウェイスターとeKクロスは、2.7ps40Nmのモーター(バッテリーはリチウムイオン)を組み込んだマイルドハイブリッド仕様だ。

 NAモデルは、流れに乗って走る、いわゆる「パーシャル領域の走り」はレスポンスも加速も気持ちがいい。アクセルの踏み込みに対する加速の遅れ(CVT感)はほとんど感じない。ただし、信号からのスタートなどでアクセルを深く踏んだようなときは、やはりCVT感がはっきり出てくる。

 新型は発進時にアクセルを深く踏み込まなくても流れに十分乗れる。アクセル踏み込み量の勘どころを理解するかしないかで、心地よさにかなりの差が出そうだ。

 ターボモデルはパワフル。パフォーマンスはほぼ文句なし、と報告しておこう。

 身のこなしはいい。ステアリングホイールの感触のよさはすでに触れたが、切れ味と素直さの調和もいい。タイヤは、ターボが165/55R15を、NAは155/65R14を装着する。乗り心地、身のこなしともに165/55R15のほうがマッチングはいい。

 運転支援システム(デイズはプロパイロット、eKシリーズはe―アシストと命名)を広く設定している点もうれしい。事故軽減に大いに力を発揮してくれることは間違いない。

 すべてを新開発した日産デイズ/三菱eKシリーズの完成度は高い。見ても、乗っても、走っても、どこに注目しても高い点数がつけられる。

 日産/三菱連合は、「軽の新たな基準」を生み出した。ボクはそう感じている。

IMG_3363.JPGeKクロスは全車マイルドハイブリッド仕様 全車速対応アダプティブクルーズコントロールと車線維持支援機能はMIパイロットのネーミングでセットオプション設定(7200円)

IMG_4082.JPGハイウェイスターはNA52ps)のXとターボ(64ps)のGをラインアップ プロパイロットは装着グレードのほかセットオプション(86400円)でも選べる

※次ページで三菱eKクロスのスペックを紹介

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