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ジムニーが「本物の道具」にこだわるワケ

Writer:森口将之 Photo:小久保昭彦

令和の名車:スズキ・ジムニーXC

IMG_4258.JPGスズキ・ジムニーXC 価格:5MT 1744200円/4AT 1841400円 ジムニー・シリーズは全世界194の国と地域で愛用され累計生産台数が290万台に達するワールド4WD 新型4thモデルは新設計フレーム採用 駆動方式はFR4WD切り替えのパートタイム式

本物を追求した真摯なクルマ作り

 設計思想が明確で真摯なクルマ作りであれば、たとえ手ごろな価格でも名車は生まれる。その代表格が4thジムニーだ。

 2018年年7月の発表会で、チーフエンジニアはハスラーの登場ですみ分けができたことに触れつつ、開発の際に林業の現場に意見を聞きに行ったプロセスを明かした。ジムニーは最初からプロのツールであることを念頭に置いて開発されたのだ。これが「本物の道具だ」と感じさせる源泉になっている。

 開発コンセプトを見事に表現しているのがエクステリア。旧型3rdモデルは、丸みを強めたボディにカラードバンパーを装着、乗用車っぽさを強調した。しかし新型は機能最優先。ボクシーなスタイリングに戻った。しかもフロントグリルは1stモデル、エンジンフードわきアクセントは2ndモデルというように、歴代モデルの造形イメージを巧みに反映している。

 インテリアも機能最優先である。中でも目立つのは、2WDと4WDを切り替えるトランスファーがボタンからレバーに戻った配慮だ。最近のSUVは、路面状況に合った走行モードを選べば、電子制御で自動的に最適な駆動力を調整してくれる方式が主流。だが、ジムニーはオフロード走行に精通したユーザーを想定して開発された4WDだ。開発陣は、メカの選択ができ耐久性に優れたレバー方式が適していると考えた。ここにも本物を追求する思想が見られる。

IMG_4205.JPGラインアップは軽自動車規格(0・66リッター/64㎰)のジムニーと小型車登録(1.5リッター/102㎰)のジムニーシエラの2シリーズ構成

圧倒的な悪路走破性。新型は滑らかな走りも追求

 ラダーフレームに前後リジッドアクスルのサスペンションという基本構成を守り続けたことも新型ジムニーの個性だ。最低地上高を205㎜とたっぷりとった点も伝統を守っている。

 トランスミッションは5速MTと4速AT。MT仕様の長いシフトレバーは、ギアのかみ合いが伝わってくるような感触で、道具感を盛り上げる。不整路に入ったら、ダイレクトな手応えのトランスファーレバーを2Hから4H、4Lへとシフトしていくと、660㏄ターボとは思えない駆動力が生み出される。前後リジッドの足回りは4輪を確実に接地させ、歩行も困難な悪路を着実に走破していく。

 新世代に切り替わった3気筒ターボエンジンは静かで滑らか。旧型でも不満のなかった乗り心地はいっそう快適になり、オフロードはブレーキLSDトラクションコントロールが走破性を高める。

 新型は走破性向上のために適度に電子制御デバイスを用い、時代が求める安全装備は充実した。だが、ジムニーとしての本質部分は何も変わっていない。軽自動車という制約の厳しいジャンルで、生粋のオフローダーとしての個性を守り見事に発展させている。ジムニーは称賛に値する存在だ。

IMG_4435.JPGインパネはがっちりとした造形 助手席アシストグリップ標準 悪路走行時のキックバックを抑えるステアリングダンパー採用

IMG_4418.JPGシートはサイドエアバッグ内蔵型 大型サイズで座り心地良好 室内は広い

IMG_4228.JPGスズキ・ジムニーXCMT) 寸法・重量:全長×全幅×全高3395×1475×1725㎜ ホイールベース2250㎜ 車重1030㎏ エンジン:658㏄直3DOHC12Vターボ 64㎰/6000rpm 96Nm3500rpm WLTCモード燃費:16.2㎞/リッター サスペンション:前後 3リンク 駆動方式:4WD 乗車定員:4
※20187月デビュー(スペックは20195月現在)

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