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《シティ派SUV特集》注目のニューモデル!マツダがCX-30を送り出す意味

Writer:岡崎五朗 Photo:MAZDA

マツダCX-30欧州仕様 試乗記

Mazda CX-30_Exterior_Machine grey_4.jpgマツダCX―30(欧州仕様) マツダ3と主要メカニズムを共用する新型クロスオーバー 欧州仕様のパワーユニットは2リッターガソリン・マイルドハイブリッド(122ps)/1.8リッターディーゼルターボ(116ps)/スカイアクティブXの3種

プロポーション完璧。全長はコンパクト

 3月のジュネーブ・モーターショーでお披露目されたマツダCX―30にドイツで試乗した。エンジンラインアップはスカイアクティブXを含めた3種類。今回試乗できたのは2リッターガソリン(122ps/213Nm)+マイルドハイブリッドと、1.8リッターディーゼルターボ(116ps/270Nm)の2種類。ともに欧州仕様となる。

 CX―30はひと足先に登場したマツダ3とパワートレーンやプラットホームなどの主要メカニズムを共有する。この2モデルはセールスマネジメント(収益計画)を共有している可能性が高い。ご存じのようにマツダ3、とくにファストバックはとびきり個性的なデザインにまとめてきた。ボクは大好きだが、万人受けするかと問われれば、答えはノーだ。しかし、このクラスは台数が出ないと収益も出ない。
 そこで、ブランドイメージをアピールするマツダ3と、台数を売るCX―30というように役割を分けた。言い換えればCX―30の存在があったからこそ、マツダ3はあそこまで個性的になれた。

 実際、CX―30のデザインにはアクがない。どこから眺めてもプロポーションは完璧だし、マツダ3のリアクオーターセクションのようにあえて違和感を演出している部分もない。ひたすらプレーンで美しいルックスは、初対面のときからスッと心に入ってくる。それでいて、微塵も退屈を感じさせないあたりはさすがマツダ・デザインだ。複雑な曲面で構成されたサイドビューは光の当たり具合によって刻々と表情を変化させる。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4395×1795×1540mm。マツダ3より全長(とホイールベース)を短くしたのは、コンパクトなクルマを求めるユーザーが多い欧州市場を考えた結果という。全幅を1800mm以下、全高を1550㎜以下に抑えたのは日本市場の要望に応えるためだ。「CX―5ではちょっと大きすぎるけど、CX―3はさすがに狭すぎる」と考えているユーザーにとってベストサイズである。
 サイズでいえばトヨタC―HR(同4300×1795×1550mm)に近いが、C―HRは個性的なデザインと引き換えに後方視界や後席の開放感を割りきっている。その点、個性追求をマツダ3に任せたCX―30は実用性を高めることができた。後方や斜め後方の視界はいいし、後席の開放感も高い。また、全長とホイールベースを短縮したにもかかわらず、後席スペースもラゲッジ空間もしっかり確保。家族や友人と週末のロングドライブに出かけるような用途にも十分に対応してくれる。

Mazda CX-30_Exterior_Machine grey_9.jpg全長×全幅×全高4395×1795×1540mm ホイールベース2655mm マツダ3ファストバック比で全長は65mm短く全高は100mm高い

走りはアウトバーンでも満足。ヒットの予感

 欧州仕様の2リッターガソリンエンジンはスタータージェネレーターを組み合わせたマイルドハイブリッド。モーターアシストはごくごく控えめで、フルハイブリッドのような明確なアシスト感はない。とはいえ動力性能は必要にして十分。市街地、郊外、アウトバーンを走ったが、加速性能に不足を感じる場面はなかった。ただしクルージング状態からスッとアクセルを軽く踏み込むようなシーンでは、「トルクがもっと太ければなぁ」と感じることもあった。このあたりはATが6速仕様というネガティブを感じる。より多段化したATであればトルク不足を補い、走行フィールと燃費を同時に引き上げられるだろう。現状でもとくに大きな不満はないが、今後マツダがさらなるプレミアム路線を狙うのであれば、8速化などATの多段化が必要になってくるだろう。

 1.8リッターディーゼルはさすがにトルクフルだ。トップエンドの伸びはガソリンに及ばないが、大きな手で押されているような力強さが味わえる。気になったのはアクセル操作に対するトルクの発生にタイムラグがある点。ゆっくり踏み込むような運転なら気にならないが、ちょっと速めにアクセルを踏み込むと遅れを感じる。これも多段化によってかなり緩和できるだろう。なお、マツダ3で試乗した限り、スカイアクティブXはトルクもありタイムラグもないため、6速ATでもかなり気持ちのいい走りが楽しめる。

 フットワークはとてもしっとりしていた。マツダ3よりホイールベースが短く、重心が高く、ウエイトも重いが、高速道路やカーブでもネガティブを感じることはない。地上から600mmにセットしたヒップポイントが生み出す開放的な視界と、狙ったラインを正確にトレースできるハンドリングはかなりの好印象。フラット感としなやかさが同居する乗り心地もよかった。日本発売は2019年冬。ヒットの予感がする1台だ。

Mazda CX-30_Interior_Machine grey_3.jpgインパネはマツダ3と共通イメージ ステアリングは上下45mm/前後70mmの調整機構付き 地上高600mmのヒップポイントがワイドな視界を提供

Mazda CX-30_Interior_Machine grey_2.jpgCX―30は広いキャビン空間が魅力 前席左右のカップルズディスタンスは740mmとCX―5に近い 後席はフロアとシート高を最適化 上級車の本革シートは黒と白の2種

Mazda CX-30_Action_Machine grey_2.jpgフットワークはしっかりしている 狙ったラインを正確にトレースするハンドリングが気持ちいい

※次ページでスペックを紹介

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