ー 

サーキット対応。レクサス流スポーツカーの作り方

Writer:河村康彦 Photo:小久保昭彦

レクサスRC Fパフォーマンスパッケージ 試乗記

IMG_0360.JPGレクサスRCFパフォーマンスパッケージ 価格:8SAT 1404万円 パフォーマンスパッケージは「限界性能を極限まで高めたスポーツカー」をテーマに開発 CFRP製アイテムの積極採用で標準車比50㎏軽量化 0→96㎞/h加速は4.0秒台でクリア

舞台は富士スピードウェイ。アクセル全開アタック

 RCFは、自然吸気のハイチューンV8エンジンを搭載した、レクサスのスーパークーペ。2019年5月のマイナーチェンジで、一段と高度なスポーツポテンシャルを追求した新グレード、パフォーマンスパッケージが設定された。
 パフォーマンスパッケージは、カーボンセラミックブレーキやカーボン製リアウイング、同じくカーボン製のフードとルーフを採用。厚みのあるノーズ下に搭載する5リッターユニット(481㎰/535Nm)は、標準仕様と共通だが、標準車比約50㎏の軽量化と、各部の専用セッティングで、新たな走りの世界を切り開く。レクサスのFモデルに共通する「公道からサーキットまで、シームレスに楽しめる」というコンセプトを、サーキット寄りにした点がポイントだ。
 最新のRCFパフォーマンスパッケージを、富士スピードウェイのグランプリコースでテストした。
 ピットレーンに並んだパフォーマンスパッケージは実に精悍だった。固定式の大型ウイングを筆頭に、造形はレーシーそのもの。しかも高速域でダウンフォースを生む機能的な造形である点が素晴らしい。エクステリアは、走りに対するこだわりが結実している。
 ピットロードを出発し、きつい1コーナーを抜けたところでフルアクセル......このとき即座に感じたのは、圧倒的な加速力。大排気量V8エンジンの豪快さにほれぼれした。圧倒的なパフォーマンスは、「アクセルひと踏み」で実感できる。同時に、「軽量化効果」にも気がついた。
 1720㎏の車両重量は「際立って軽い」とはいえない。それでも標準仕様に比べると50㎏のマイナス、従来型比で70㎏軽い。パフォーマンスパッケージは、軽量化と駆動系のローギアード化で、「0→96㎞/h加速タイムは標準車の4.4秒から4秒台に向上」している。
 スピード性能とともに感激したのがサウンドだ。RCFの自然吸気V8ユニットは、美しく調律された、まさに「ミュージック」を奏でる。ドライバーの五感を刺激するエモーショナルな感覚は、日本の誇りともいえる日産GT―RやホンダNSXに「勝るとも劣らない」。RCFの素晴らしい音を味わって、改めて大排気量の自然吸気ユニットは魅力的だと思った。

IMG_0440.JPGパフォーマンスパッケージは後席とラゲッジルーム間のパーテーションブレースをCFRPで製作 ボディ剛性が一段と高まりサーキット走行時の操舵レスポンスが向上 ブレーキディスクはカーボンセラミック

強靭なボディとシャシーの高い能力を体感。これは速い!

 トランスミッションも素晴らしい。RCFは8速ATを組み合わせる。スタート時にステップ式ATならではの滑らかな感触を実現しながら、その後の変速シーンはDCTと遜色ないシャープでタイトな駆動力の伝達を行う。とくに、ドライブモードでスポーツプラスを選択すると、レーシングスピードでもパワーゾーンを外さない、加速力を最重視した鋭いシフトアップ、シフトダウンをDレンジのまま実現。その分、ステアリング操作に集中できる。
 富士スピードウェイならではの高速コーナー区間では、ミシュランと共同開発した新19インチタイヤが発するドライグリップ力と、極限的な場面でも高い横剛性感をキープするボディとシャシーの圧倒的なポテンシャルを味わった。
 今回のマイナーチェンジは、標準仕様を含めてサスペンションセッティングはもちろん、サスメンバーやエンジンのマウント方法、ステアリングラックのブッシュまで大幅に手が加えられた。高い横Gを受けながらの高速走行シーンで、ステアリング操作が挙動に正確に反映されるのは、細部まで行き届いたチューニングの成果である。

IMG_0414.JPG5ℓ・V8ユニットは絶対的なパワーだけでなく刺激的なサウンドと鋭いレスポンスでドライバーを魅了 強靭なボディと足回りが生みだす自在なハンドリングは印象的 走りは超一級

豪快にして軽快。レクサスの新境地実現

富士スピードウェイの名物、長いホームストレート後端で、パフォーマンスパッケージは250㎞/hプラスに到達。仮にストレートがもっと長く、フルアクセル状態をキープできれば、「最終的に270㎞/hプラスまで達する」という。
 タイトな1コーナーに向け250㎞/hオーバーからフルブレーキング。レクサス量産モデルとしては初のカーボンセラミックブレーキは、信頼感に富んだ強力なブレーキングシーンを演じた。これもまた深く印象に残るポイントだった。
 RCFの「豪快にして軽快」な走りのテイストは、いまや孤高の存在。独自路線を守り続ける姿勢は、レクサス・ラインアップの中で飛び抜けた存在感を放つ。
 ライバルの多くが、ターボチャージャーの助けを借り、排気量と気筒数の削減を余儀なくされる中、RCFのヨーロッパ仕様は新たに排気の微粒子フィルターを装着。自然吸気の大排気量多気筒エンジンのまま時代への適合を図るという。RCFは、これからもドライバーを魅了するスーパークーペとして君臨するに違いない。

IMG_0207.JPGステアリングラックのブッシュの改良で操舵感が向上 HDDナビをはじめ快適クルーズアイテムは充実 パフォーマンスパッケージは軽量化のため手動式チルト&テレスコピック機構採用

IMG_0213.JPGシートはセミアニリン本革とアルカンターラのコンビ仕様 カラーは鮮烈なレッド 乗車定員は4

IMG_0205.JPG4968㏄・V8DOHC32V 481㎰/7100rpm 535Nm/4800rpm 各部の改良で全車旧型比4㎰/5Nmパワーアップ

※次ページでスペックを紹介

1  2

Related Article新車情報もっと読みたい

What's News最新情報