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SUVの皮を被ったスーパースポーツ、BMWが放つX4Mの爆発力

Writer:河村康彦 Photo:BMW

BMW・X4Mコンペティション 試乗記

P90334535-highRes.jpgBMW・X4Mコンペティション 価格:8SAT 1399万円 X4Mは新開発3リッター直6ツインターボ搭載 ラインアップは最高出力510psのコンペティションと480psの標準仕様(1299万円)の2種

最高出力510ps! 新設計3リッター直6ツインターボ搭載

 世界のSUVラインアップは、ますます充実度を増している。そうした潮流の中、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)、SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)という独自の名称を用い、ライバルを凌ぐダイナミックなキャラクターをアピールするメーカーが、BMWだ。そんなBMW車に、とびきりスペシャルなモデルがデビューした。中堅に位置するX3と、そのクーペ仕様のX4に加えられたX3MとX4Mである。既存のX5MとX6Mに続くモデルで、BMW・M社が開発したコンプリートカーという点が共通項になる。

 エクステリアは、ハイグロスブラック仕上げのフロントグリルなど、Mデザインエレメンツと名づけられた専用アイテムで精悍な印象に仕上げられ、4本出しエグゾーストエンドは直径100mmのブラック仕様。効率的に冷却エアを導入する大開口インテークなど、機能性はハイレベルだ。

 フロントフード下に、8速ステップATとの組み合わせで搭載されるエンジンは、ツインターボ付きの3リッター直6。この心臓部がX3MとX4Mの大きな見どころ。開発陣が「完全な新開発」と胸を張る新世代のスポーツユニットだ。このエンジンは、今後、新型M3やM4などにも搭載が予想される。

 新ストレート6は、鍛造クランクシャフトやクローズドデッキのクランクケースなど、タフな基本設計を採用したうえで、シリンダーヘッドのコアに3Dプリンター技術を用いたり、2基のターボチャージャーに作動レスポンスに優れた電動ウエイストゲートを採用したりと、最新技術で構成。新開発ユニットの狙いは、「パフォーマンスの向上」だったという。

P90334528-highRes.jpgX4Mコンペティションのパワーウエイトレシオは3.98kg/ps 0→100km/h加速を4.1秒でクリア パフォーマンスはスーパースポーツに匹敵

ボディは強靭。まるで金属の塊から削り出したかのような剛性感

 ターボ付きながらレッドラインが7200rpmと、高回転型のキャラクターが与えられた新エンジンは、480psの最高出力と600Nmの最大トルクを発揮する。さらに、排気系やソフトウエアに専用チューニングを施し、装備をいっそう充実させたコンペティション仕様の最高出力は、30psアップの510psをマークする(トルクは同値)。

 米国で開催された国際試乗会は、X4MコンペティションとX3Mコンペティションが用意されていた。一般道ではX4MとX3Mの両車、1周5kmを超える本格的サーキットはX4Mで走った。試乗してすぐに感じた点は、ベース車(X4/X3)とは次元の異なる高いボディ剛性感だ。走りのテイストは、X4M/X3Mとも同じ。

 X4M/X3Mのボディは、高出力エンジンの搭載に合わせ、フロントストラットやバルクヘッド、リアアクスル周辺を中心に専用ブレースを用いた補強策が盛り込まれている。振動を即座に減衰させるその仕上がりには、まるで金属の塊から削り出したかのような、圧倒的な剛性感を感じた。

 電子制御式の可変減衰力ダンパーを標準で採用するサスペンションは、走行モードがどのポジションでも予想を上回るしなやかで豊かなストローク感を提供。驚くほど小さなロードノイズを筆頭に静粛性が高かった点も、予想と期待を上回った。走りの質感は極めてハイレベルだ。

P90334548-highRes.jpg駆動方式は電子制御4WD 後輪の駆動力配分を高めた自在なハンドリング特性 ボディは「金属の塊から削り出された」ような圧倒的な剛性感

新しいスポーツカーのかたち、ドライビングを楽しむためのSUV

 動力性能にはほれぼれする。一般路の走行でもスムーズな回転フィールと低回転域からのゆとりあるトルク感が印象的。サーキットでアクセルをフルオープンにすると、ポテンシャルが解放され、さらなる感激を味わわせてくれた。

 わずか4.1秒と発表される0~100km/h加速タイムからも明らかなように、加速力は圧倒的なレベル! そのうえで、レッドラインに至るまでまったくの頭打ち感なしに、むしろ回転数が高まるほど威勢よく、ゴキゲンなサウンドとともに得られるわき上がるようなパワー。じつに素晴らしい。乗った誰もが感動するに違いない。

 自在なハンドリング感覚は秀逸だ。トラクションコントロールやスタビリティコントロールの介入が抑制されるスポーツプラスのドライブモードでは、あたかも後輪駆動モデルのようなパワードリフトが楽しめる。4WDシステムの前後駆動力配分はリアにバイアスがかけられるため、ダイナミックな挙動が得られる。これはX4M/X3Mの大きな魅力だ。

 いまという時代ならではの、新しいスポーツカーのかたち――まさにそんな表現が、X4M/X3Mにはピタリと当てはまる。ドライビングを徹底的に楽しむためのニューカマーが登場した。

P90334567-highRes.jpgインパネ加飾パネルはリアルカーボン 本革巻きスポーツステアリングはがっちりとした操舵感 安全・運転支援装備「ドライビングアシストプラス」標準

P90334568-highRes.jpg前席はサーキット走行に対応したバケットタイプ 室内スペースはベース車のX4と共通 視界は広い 電子制御式の可変減衰力ダンパー標準 乗り心地はしなやか

P90336052-highRes.jpg2992cc直6DOHC24Vツインターボ 510ps/6250rpm 600Nm/2600~5950rpm 今後M3やM4にも搭載されるスポーツエンジン

※次ページでスペックを紹介

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