• TOP
  • 「令和時代のドライビングカー」パリ仕込みのファッション性。フレンチプレミアムDS3クロスバックの乗りこなし術

 ー 

「令和時代のドライビングカー」パリ仕込みのファッション性。フレンチプレミアムDS3クロスバックの乗りこなし術

Writer:森口将之 Photo:小久保昭彦

DS3クロスバック・グランシック 試乗記

IMG_4929.JPGDS3クロスバック・グランシック 価格:8SAT 404万円 新型はコンパクトサイズのクロスオーバー ラインアップはビーシック(299万円/受注生産)とソーシック(357万円)とグランシックの3グレード構成 全車FF

都会で使いやすいサイズ設定。ドアハンドルはポップアップ式

 PSAグループのプレミアムブランド、DSの新車種DS3クロスバックは、このブランドの知名度を一気に引き上げる可能性を秘めている。東京都内の試乗会で接してこう感じた。

 まず好感が持てるのはボディサイズだ。全長×全幅×全高は4120×1790×1550mm。全長は国産コンパクトカーよりやや長い程度。全幅と全高はタワーパーキングをはじめ一般的な駐車場に適応する。旧型のDS3が3ドアだったのに対し、DS3クロスバックは実用性を高めた5ドアとなった。

 デザインは、「コンパクトだから......」という妥協はいっさいない。ベースグレードが200万円台という価格で、ここまで凝ったスタイリングやインテリアが提供できるのか、と驚かされる。

 フロントマスクは、グリルの左右にしつらえたヘッドランプに目が向く。内側の15個のLEDユニットはカメラで先行車や対向車を認識して個別にコントロールされ、ハイビームのままでも周囲のドライバーを眩惑させずに走行できるアダプティブ機能を内蔵する。

 旧型DS3のアイキャッチになっていたシャークフィン造形を踏襲したサイドの注目点は、パネルに埋め込まれたドアハンドルだ。リモコンキーを持った状態で車両に近づくと自動でポップアップし、ドアをロックするとパネルと一体化するリトラクタブル式をこのクラスで初めて装備した。DS3クロスバックのキャラクターを象徴する仕かけだ。

IMG_4904.JPGDS3クロスバックのボディタイプは実用的な5ドアHB 想定ライバルはアウディQ2やレクサスUX 高いデザイン性がアピール点

インテリアのテーマはパリの名所。凝った造形で快適空間演出

 DS3クロスバックにはビーシック、ソーシック、グランシックの3グレードがあり、内装のテーマはビーシックがモンマルトル、ほかの2つがバスチーユとなる。パリの名所をテーマにする方法はDS7クロスバックと同じだが、パリ生まれのプレミアムブランドだからできる粋な計らいだ。

 試乗したグランシックのバスチーユインテリアは、他車ではあまり見られないブロンズ色のトリムに魅了された。ブラックのレザーシートはこのクラスとしてはたっぷりしたサイズとふっかりした座り心地を備えていて、フレンチプレミアムであることを実感する。

 インパネ回りの造形は凝っている。メーターやセンターパネルはルーブル美術館のピラミッドにインスピレーションを得たというダイヤモンド型で、セレクターレバー周辺のスイッチパネルにはクル・ド・パリと呼ばれる、機械式腕時計などに使われた技法を再現している。

 それでいて5ドアということもあり実用性は高い。リアシートには身長170cmのパッセンジャーが楽に座れるし、ラゲッジスペースは通常でも360リッター、リアシートをたためば1050リッターのスペースが広がる。フランス車らしく実用性にも手抜きはない。

IMG_5049.JPGインテリアはダイヤモンドが造形モチーフ グランシックは「バスチーユ」と呼ぶブロンズカラーのコーディネート採用 視界はワイド 車両感覚は把握しやすい

加速は全域スムーズ。静粛性も印象的

 走りだして最初に感じたのは、やや高めの着座位置による良好な視界と、適度なボディサイズ、寝すぎていないフロントウィンドウがもたらす車両感覚のつかみやすさだ。おかげでストレスなく東京都内の道を移動できた。ボディサイドのシャークフィンは、運転席からの視線では助手席のヘッドレストの位置と一致しており邪魔にはならなかった。

 エンジンは1.2リッター直列3気筒ターボ(130ps/230Nm)で、8速ATを介して前輪を駆動する。1750rpmで最大トルクを発揮するエンジンと、このクラスでは異例の8速ATによるきめ細かい変速のおかげで、加速は全域でスムーズだ。静粛性も印象的で、3気筒特有の音はほとんど耳に届かない。ロードノイズも小さい。

 DS3クロスバックはPSAの新開発プラットホーム、CMPを採用した第1号車。その効果は絶大で、乗り心地はコンパクトなサイズを忘れるほどしっとりしており、フットワークは軽快な身のこなしと安定性が高度に両立していた。

 ひと昔前のフランス車は、デザインに比べてエンジニアリングがいまひとつという印象だったが、DS3クロスバックは見た目に引かれたユーザーを満足させる走りを持っている。実に完成度が高い。サイズと価格が手ごろだから、日本でも見かける機会が多くなりそうだ。

IMG_5130.JPGグランシックは本革シート標準 優しい座り心地の大型サイズ 後席レッグスペースも余裕がある 室内各部の仕上げは上質

IMG_4962.JPGリアゲートは手動開閉式 荷室容量は実用的な広さ 後席使用時360リッター 最大1050リッターに拡大 後席は6対4分割

※次ページでスペックを紹介

1  2

Related Article新車情報もっと読みたい

What's News最新情報