「令和時代のドライビングカー」最高出力421ps。世界最強2リッタースポーツ、AMG・CLA45Sの怒濤の速さ!

メルセデスAMG・CLA45S・4マチック+ 試乗記メイン.jpgメルセデスAMG・CLA45S・4マチック+ 45Sは世界最強2リッター直4ターボ(421ps)を搭載したリアルスポーツ 最高速度は270km/h CLAのボディタイプは4ドアクーペ

AMG専用2リッターターボ搭載。駆動方式は4WD

 Aクラスをはじめ、メルセデスのFFコンパクトモデルが次々とフルチェンジする中、最上級グレードのAMG45シリーズがついに新型に移行した。

 まずエンジンに注目したい。先日、日本でも発売されたAMG35用エンジンは標準仕様のM260型2リッター直4ターボのチューンアップ版だが、AMG45用は専用ユニット。M139型というAMGの本拠地、アファルターバッハ製の新開発2リッター直4ツインスクロールターボを搭載した。

 ボア×ストロークは83mm×92mm。2種類のスペックが用意され、上級仕様の45S用は421ps/6750rpm、500Nm/5000~5250rpmを誇る。出力とトルクは2リッターエンジン世界最強だ。ベースモデルの45用でも387ps/6500rpm、480Nm/4750~5000rpmと、旧型AMG45用M133型(381ps/475Nm)を上回る。

 トランスミッションは新開発AMGスピードシフトDCTで8速になった。日本仕様はAMG45Sのみラインアップする予定だ。

 エンジンとともに新型の注目ポイントはリアアクスルである。4マチック(電子制御4WD)自体は従来と同じシステムだが、AMGトルクコントロール(左右ドライブシャフト上の電子制御多板クラッチ)が追加された。

 駆動力はフロント100~50、リア0~50の割合で、路面環境やドライビングスタイルに合わせて連続的に調整される。新型はこれにリアの駆動力配分を左右で0~100までアクティブに分割する仕組みが加わった。この機能を活用すると、4WDドリフトが比較的容易にできるという。

カット.jpg4ドアクーペのCLA45と5ドアHBのA45を設定 日本仕様は高性能版の45Sのみラインアップ予定 新型は2リッターハイパフォーマンススポーツの頂点

サーキットでは「水を得た魚」 コーナーが面白い!

 エクステリアデザインも見どころのひとつ。標準モデルはもちろん、AMG35ともまるで違う縦桟を強調したマスクが与えられた。また、同時に発表されたA45とCLAA45の比較でも、マスクデザインが若干異なっている。フロントフェンダーが大きく膨らんでいる点も注目だ。

 国際試乗会はスペインのマドリード空港に近いハラマ・サーキットを拠点に開催された。サーキットに到着するなり、ヘルメットを被って派手なイエローのA45Sに乗り込んだ。

 インテリアの見栄えはA35とさほど変わらない。専用のメーターディスプレイ(3種類から選べる)やSに標準のパフォーマンスステアリング(ドライブモード選択機能付き)、本格的なバケットシートなどが目を引く程度。合成皮革アルティコとイエローステッチの取り合わせがレーシーだ。

 アップダウンとトリッキーなコーナーが連続する1周3.8km超のチャレンジングなハラマ・サーキット。そこでA45Sは水を得た魚になった。とにかく、面白いようにコーナリングが楽しめる。ハッチバックでリアオーバーハングが短い分、前輪の動きに間髪入れず後輪もスッとエイペックスに近づく。カントのついたコーナーが多いため、脱出時にはリアがけっこう流れ出た。そのままアクセルを踏み続け、ステアリングをしっかりと握っていれば強引にでも曲がっていける。新たなシャシー制御の効果だ。

19C0577_048.jpg駆動方式は電子制御4WD 新型は後輪左右の駆動力配分をアクティブに調整するAMGトルクコントロール新装備

トップスピード270km/h! 素晴らしいエンジン

 421ps&500Nmのコンパクトハッチ、というスペックからじゃじゃ馬を予想していたが、加速フィールは洗練されている。

 旧型のように「ドッカン」と急にピークトルクに達するチューニングではない。もりもりとスムーズにトルクがわき出る。高回転にいけばいくほどパワーがリニアについてくる。低回転から力がある大排気量自然吸気エンジンのようなパワー&トルクフィール。素晴らしい4気筒エンジンだ。0~100km/h加速は3.9秒でクリア、トップスピードは270km/hに達する。

 サウンドもまた、クルマ好きを虜にする。エンジン回転に応じてやや高い旋律の豪快なエグゾーストサウンドを響かせる。とくに4000~5000rpmあたりでパワー、トルクがもう一段盛り上がるのに呼応して高まる力強い響きは、たまらなく刺激的だ。

 CLA45Sにも試乗した。トランクがある分、こちらのほうが重量バランスが適正化され、乗りやすく感じた。後輪の滑りだしはA45Sより緩やか。ドライバーズカーとして、クルマ好きを虜にするのはCLAだろう。抜群のパフォーマンスはA45Sと共通。CLAはスタイリッシュな分、大人の雰囲気がある。

 一般道の乗り心地はよかった。硬質でフラットなフィーリングだ。試乗車はオプションの19インチタイヤ装着していたが、コンフォートモードなら十分に快適。毎日使える。

 日本発表は今年終盤。デリバリーは早くても年末か年明けになりそうだ。圧倒的に速く、ドライビングが楽しいAMG45はスポーツ派を虜にするに違いない。

19C0578_023.jpg1991cc直4DOHC16Vツインスクロールターボ 421ps/6750rpm 500Nm/5000~5250rpm 45Sは標準45比34ps/20Nmパワフル 圧縮比9.0

19C0442_075.jpgインパネは標準Aクラスと共通形状 8速DCTのメインセレクターはコラムに配置 変速はパドルで行う ステアリングは本革とアルカンターラのコンビ仕様

19C0578_065.jpgシートは本革 前席はバケット形状 イエローの差し色がスポーティな印象を高める 乗り心地は硬質

19C0578_053.jpg足回りはフロント:ストラット/リア:マルチリンク アダプティブダンパー標準

※次ページでスペックを紹介

メルセデスAMG・CLA45S・4マチック+主要諸元

19C0442_072.jpg

グレード 45S・4マチック+
価格=8SMT 未定
全長×全幅×全高=4693×1857×1413mm
ホイールベース=2729mm
車重=1600kg
エンジン=1991cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=310kW(421ps)/6750rpm
最大トルク=500Nm(51.0kgm)/5000~5250rpm
サスペンション =フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=255/35R19
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
0→100km/h加速=4.0秒
最高速度=270km/h
※スペックは2019年8月現在、欧州仕様

19C0442_094.jpgヘッドライトは走行状況に応じて照射範囲を自動調整するLED 大型エアインテークとカナードがAMGの証

19C0579_026.jpgメルセデスAMG・A45S・4マチック+ エンジンをはじめメカニズムは両車共通 5ドアHBのA45Sはコンパクトボディがもたらす機敏な操縦性が魅力 0~100km/加速は3.9秒でクリア CLAを0.1秒上回る

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