ブランド初のハイブリッドスポーツカーに同社の発展に寄与したピエヒの名を追加

ランボルギーニ初のハイブリッド・スーパースポーツ「シアン」がFKP37のサブネームを付けてショーデビュー!

 伊ランボルギーニは9月10日、フランクフルト・モーターショー2019において、ブランド初となるV12ハイブリッド・スーパースポーツの「シアン(Sián)FKP37」を初公開した。

Sian1.jpg▲ランボルギーニ初のハイブリッド・スーパースポーツ「シアンFKP37」。過日に逝去したフェルディナント・カール・ピエヒに敬意を込めて、"FKP37"のサブネームを付ける。全長4980×全幅2101×全高1133mm

 当初はランボルギーニの本社があるイタリアのボローニャ地方の方言で、"稲妻の閃光"を意味する「シアン」の単独ネームで公開される予定だったファイティングブルの新型V12ハイブリッド・スーパースポーツ。しかし、ショー直前の8月25日に、元フォルクスワーゲン・グループの会長(在位1993~2002年)で、1998年にはアウトモビリ・ランボルギーニの買収、並びにその後のランボルギーニの発展に重要な役割を果たしたフェルディナント・カール・ピエヒ(Ferdinand Karl Piëch)が逝去したことから、急遽、同氏の頭文字"FKP"と生まれ年の1937年の"37"を組み合わせたサブネームを付け、「シアンFKP37」の車名を冠することとした。

 シアンFKP37のパワートレインは、同ブランドのアヴェンタドール譲りで新たにチタン製インテークバルブを採用したミッドシップ配置の6498cc・V型12気筒DOHCの自然吸気エンジン(785hp/8500rpm)に、ギアボックス内に組み込んだ最大34hpを発生する48ボルト電動モーター、そして市販車では世界初設定となるスーパーキャパシタで構成する。また、左右対称の電力潮流によりチャージとディスチャージのサイクルそれぞれで同レベルの効率性を確保し、さらに特別に開発した高度な回生ブレーキシステムを採用した。総じて819hp(602kW)のMAXパワーを発生するハイブリッドシステムにより、シアンFKP37は最高速度が350km/h以上、0→100km/h加速が2.8秒以下を成し遂げたという。

Sian2.jpg▲出品車はVerde Gea(グリーン)のボディカラーにOro Electrum(エレクトリックゴールド)のディテールというスペシャルな組み合わせを施した

 車両デザインに関しては、同ブランドの重要なアイコンであるカウンタックからインスピレーションを得ながら、最新の空気力学ソリューションと相まった未来志向のデザインを具現化した。まずフロントビューは、カウンタックのように斜めのラインが入った独特のフード、一体化したカーボンファイバー・スプリッターを備えるロワー部、Y字型のデイタイムランニングライトなどが形作るインパクト満点のマスクが特徴。また、サイド部は象徴的なYの形のドアやミッドシップエンジンの証のNACAエアインレットが、トップ部はガラス製エレメントのエンジンカバーなどが、クルマの性格を主張する。そしてリアセクションは、六角形のフォルムのなかに片側3個(左右で計6個)の六角形のテールライトや側部と一体化したリアウイングなどを組み込んで大胆さや力強さを強調した。

Sian3.jpg▲室内に配した"SUPERCAP"ロゴの背後と下部には、ミッドシップ配置の6498ccV12気筒DOHCエンジン(785hp)にギアボックス内に組み込んだ48ボルト電動モーター、そして市販車では世界初採用となるスーパーキャパシタを搭載する

 なお、フランクフルト・ショーで展示したシアンFKP37は、Verde Gea(グリーン)のボディカラーにOro Electrum(エレクトリックゴールド)のディテールという特別な外装を施して、EV化された未来のランボルギーニの姿を表現。インテリアはTerra di Sant'Agata Bolognese色のポルトローナ・フラウのレザーで仕立てられ、製品として初めて3Dプリントした部品を使用した。

 ちなみに、シアンFKP37の車両価格は約200万ユーロ(約2億3900万円)で、生産台数はランボルギーニの設立年の1963年にかけて63台の限定となるが、すでに特別顧客への内覧会やオンラインなどを通じて全車完売しているという。

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