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欧州で試乗。2019東京モーターショーでベールを脱ぐEVのプロトタイプが「マツダらしい」理由

Writer:桂伸一 Photo:MAZDA

ピュアEV「マツダe-PTV」 欧州試乗記

メイン.jpgマツダeーTPV マツダ期待のEVプロトタイプ 142㎰/265Nmを発揮するモーターと容量35.5kWhのバッテリーを搭載 加速フィールやフットワークに独自の味付けを施す 市販モデルは東京モーターショーでベールを脱ぐ

142psのモーター搭載。バッテリーをシャシーの構造部材として活用

「黒の試走車」である。後出しの強み、になるのか!? マツダが開発を進める本格的量産BEV(バッテリー電気自動車)は、すでに販売されているピュアEVとは「違う戦法」で登場する予定だ。

 マットブラックのボディにe―TPV(テクノロジー・プルーブアウト・ビークル)と書かれたCX-30はプロトタイプ。市販モデルのスタイリングがどうなるかは、ボディタイプやサイズ、車重を含めてまだ秘密。世界初公開は10月の東京モーターショーだという。デザイン力で魅せるマツダがどんなカタチを披露するのか、今年の東京モーターショーの楽しみがひとつ増えた。

 とはいえ、プロトタイプのメカニズムは市販車と基本的に共通105kW(142ps)/265Nmを発生するモーターと電圧355V、容量35.5kWhの角型リチウムイオンバッテリーを16モジュール、シャシーのフロアに低く敷き詰めて、シャシーの構造部材の一部として活用。高強度、高剛性を達成している。その完成度は高い。実際、開発者に「ここはすでに完成していますね」と、質問したが、「重量バランスを崩さないように仕上げてあります」と答えが返ってきただけ。あくまでもプロトタイプだ、という姿勢を崩さない。

Mazda GTF 2019_9.jpg試作車はCXー30だが市販モデルは別スタイル ボディタイプをはじめ詳細は東京モーターショーまで未公表 eーTPVはTechnology Proveーout Vehicle(技術を証明するクルマ)の略

新世代シャシーは電動化を想定。走りはマツダの個性を反映

 マツダ3から始まった新世代シャシー構成は、まさにこの電動化を想定した技術だった。今回はピュアEVだが後に控える、マツダ・ファン待望の発電用にロータリーエンジンを使うレンジエクステンダー、プラグインハイブリッド、シリーズハイブリッドなどを念頭に新設計されている。

 試乗会場に、ロータリー・レンジエクステンダー仕様のシャシーが展示されていた。エンジンルームにシングルロータリーハウジングをモーター、インバーター、コンバーターとユニット化して搭載。スペース効率を高めるため、リアサスをトーションビームにした理由がわかる。

 さてマツダのBEVが他社とは違うとは、どういう点なのか──電源が入ると「クーン」とAVAS(アコースティック・ビークル・アラーティング・システム)が歩行者に車両の接近通報音を鳴らす。違うのはこの後だ。

 アクセルを踏み込むと、近年のマツダ車らしく、すーっと幼児の歩みのようなスローな動き出しを見せる。アクセルの微妙な踏み加減を忠実に再現する繊細なコントロール性が優しい。アクセルペダルを踏むと同時に見せるロケットダッシュがEVのすごさ、と感じさせる多くのメーカーとは違う性能を追求している。じつに好感触だ。

 この設定を鈍い、遅いと感じるかもしれない。だが、力強い発進加速が必要なら、アクセルを早く深く踏めばいい。142ps/265Nmのモーターは、乗員をシートバックに押し付けて、軽々と車速を伸ばす。

Charging station_9.jpg試乗の舞台はノルウェーのオスロ ノルウェーは地球温暖化の影響を最小限に抑えるためクルマの電動化を積極的に推進 EV比率は約50%に達する 各所に充電ステーションが完備されていた

まるでプレミアムサルーン。滑らかで静粛な走り味

 走行シ―ンでも他社との違いがある。操縦性は、重いバッテリーをフロアに配置した効果で低重心感がある。ロールは少なく、ロールからの戻り、S字の切り返しでのボディコントロール性は、マツダ独自技術のGベクタリングが、より緻密で精密な制御を行う。これが路面との接地感を高め、プレミアムサルーンのような滑らかな乗り味とロードノイズ、タイヤからのパターンノイズの類を押さえ込んだ静粛な空間を演出する。

 e-TPVは、アクセル開度に応じてエンジン音のような擬似音を聞かせる。これも他社との違い。加速感や走行中であることを音で感じさせる狙いがあるという。だが、無音がEVのメリットだと思うユーザーからすると、疑問を感じるだろう。なお、この擬音はロードノイズ類を打ち消す周波数を流しているという。擬音なしでの試乗を依頼したが、かなわかった。それらは東京モーターショーでデビュー後に、市販モデルで確認しよう。

Mazda GTF 2019_64.jpgeーTPVはアクセル回度に応じて室内にエンジン音に似た疑似音を奏でる 疑似音はロードノイズを打ち消す周波数に設定 フットワークはマツダ独自技術Gベクタリングコントロールで洗練

Mazda_Global_Tech_Forum_2019_Chassis_Overall_Skelton.jpgプラットホームはCXー30と基本的に共通の新世代 バッテリーをシャシーフロア下に搭載する低重心設計

Mazda_Global_Tech_Forum_2019_EV_Battery.jpg駆動用電池はリチウムイオン  16個のモジュールを組み合わせシャシー構造部材としても活用

Mazda_Global_Tech_Forum_2019_Range Extender_line.jpgレンジエクステンダー仕様は発電用ロータリーエンジンなど走行&発電関連ユニットを一体化

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