ー 

緊急事態宣言による交通量と目的地検索の変化を分析。交通量は9割程度まで回復、自転車利用の検索は約2倍に、お出かけ需要は回復傾向

Writer:横田康志朗 

 ナビタイムジャパンの交通コンサルティング事業は、新型コロナウイルス感染拡大懸念による緊急事態宣言に関する、交通量および目的地検索の変化を分析した。

▲緊急事態宣言前後での交通量の増減率 分析対象箇所

 本分析は、2020年4月6日(月)~2020年5月25日(月)まで行われた緊急事態宣言やその前後を対象期間としている。交通量の変化は、カーナビアプリ(『カーナビタイム』、『トラックカーナビ』他)のユーザーから同意を得て取得した走行実績データを活用。目的地検索の変化は、各種ナビゲーションサービス(『NAVITIME』、『カーナビタイム』、『自転車NAVITIME』他)から同意を得て取得した経路検索条件データ(各種サービスの検索履歴データ)活用している。

■分析内容
① 交通量の変化(東京都心へ流入する一般道)
② 検索数の変化(交通手段別)
③ 検索数の変化(ジャンル別・自動車)
④ スポット検索ランキング(自動車)

▲各週の土日・祝日における東京都心方面への1日当たりの平均交通量(多摩川大橋)

①交通量の変化(東京都心へ流入する一般道):9割程度まで回復
 東京都との境にある3つの橋(多摩川大橋(国道1号)、市川橋(国道14号)、戸田橋(国道17号))を対象に、緊急事態宣言における交通量の変化を分析。緊急事態宣言前の週末(2月3日週の土日・祝日)における1日当たりの平均交通量を100として、各週の土日・祝日における東京都心方面への1日当たりの平均交通量を集計した。
 緊急事態宣言中は、いずれの箇所でも緊急事態宣言前の6割程度まで交通量が減少。緊急事態宣言が解除された6月以降は交通量が回復し、6月15日週には緊急事態宣言前の9割程度にまで回復している様子が見られた。

▲各週の土日・祝日における東京都心方面への1日当たりの平均交通量(市川橋)
▲各週の土日・祝日における東京都心方面への1日当たりの平均交通量(戸田橋)

②検索数の変化(交通手段別):自転車での検索数が最大で約2倍に増加
 ナビタイムジャパンが提供する移動手段別ナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、検索件数を交通手段別(自転車/自動車/公共交通)に集計。2月3日週の値を100とした時の週次の検索数をグラフで示している。

 自転車の検索数は、3月に入ってから週を追うごとに増加。6月初めには検索数が約2倍となった。6月中旬は梅雨による影響で検索数が減少しているものの、自転車移動の需要が昨年に比べて大きく増加している様子が見られる。一方、自動車と公共については、4月以降に検索数が大きく減少。緊急事態宣言の解除後は、少しずつ検索数が回復してきている様子が見られた。

▲交通手段別の検索数

③検索数の変化(ジャンル別・自動車):「生活雑貨/日用品」は検索数変わらず、お出かけ需要は回復傾向
 ナビタイムジャパンが提供する移動手段別ナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、目的地の検索数をジャンル別に集計。「お出かけ」に関する4つのジャンルを対象とし、2月3日週の検索数を100とした時の週次の検索数をグラフで示した。対象エリアは全国、自動車利用の検索を対象としている。

 「生活雑貨/日用品」の検索数は、緊急事態宣言中も大きな変化は見られない。一方、それ以外のお出かけに関するジャンルの検索数は、外出自粛要請および緊急事態宣言に伴い、いずれも減少している様子が見られる。

 緊急事態宣言解除後、営業を再開した「ショッピングモール/商店街」の検索数は8割程度まで回復してきている。「宿泊/温泉」や「映画/劇場/ホール/ライブハウス」の検索数も週ごとに増えてきており、需要が戻りつつある様子が見られる。

▲ジャンル別の検索数

④スポット検索ランキング(自動車):宣言解除後はショッピングモールが人気
 ナビタイムジャパンが提供する移動手段別ナビゲーションサービスの経路検索条件データを元に、目的地として検索された人気スポットを集計。対象エリアは全国、自動車利用の検索を対象とし、緊急事態宣言の前・中・後での検索傾向を分析した。
 外出自粛要請前は、観光スポットやテーマパークが多く検索されていたが、緊急事態宣言中は、生活雑貨や日用品に関するスポットが多く検索されている。日用品のまとめ買いや、在宅勤務に伴う家具の購入などが影響していると考えられる。

 緊急事態宣言の解除後は、ショッピングモールが多く検索されています。外出自粛を終えた後、最初に買い物の需要が高まっている様子が見られる。

▲スポット検索ランキング(自動車)

 上記のランキングより、緊急事態宣言中に検索されていた観光スポット・テーマパーク「東京ディズニーランド」を対象に、周辺道路を走行した自動車ユーザーの動向を分析した。分析では、ナビタイムジャパンが提供するカーナビアプリ(『カーナビタイム』、『トラックカーナビ』他)のユーザーから同意を得て取得した走行実績データを活用し、当社の道路交通分析システム『道路プロファイラー』を用いてる。

 2019年のゴールデンウィーク期間中は、ディズニーリゾート周辺でデータが途切れており、ディズニーリゾート周辺が目的地となっている様子が見られる。一方、2020年のゴールデンウィーク期間中は、ディズニーリゾート周辺で走行実績が途切れておらず、周辺を通過している様子が見られ、立ち寄りはせずに、ドライブで近くを訪れたユーザーがいたのではないかと考えられる。

▲東京ディズニーランド周辺道路の走行実績(自動車)

●自動車の走行実績データについて
ナビタイムジャパンが提供するカーナビアプリ『カーナビタイム』、『ドライブサポーター』、『トラックカーナビ』などにおいて、同意を得たユーザーを対象に、GPSにより1~6秒間隔で取得された車両ごとの走行実績データ。ユーザーを匿名化した上で、取得したプローブデータを交通量・交通流分析/所要時間・速度分析/走行挙動分析などに利用することが可能。
・主な特長
-分析用途に応じて提供フォーマットの調整ができる
-走行実績を把握できる
-様々な車種のデータを取得できる

●『道路プロファイラー』について
『道路プロファイラー』とは、ウェブ上で簡単に道路交通に関する各種分析ができるシステム。分析対象の道路や期間を自由に選択することができ、今回のような分析を行うことも可能。
HP:http://consulting.navitime.biz/roadprofiler/index.html

●経路検索条件データについて
ナビタイムジャパンが提供する各種検索サービス(『NAVITIME』、『カーナビタイム』、『自転車NAVITIME』他)で取得した検索履歴のデータで、発着地や日時等の情報を蓄積。年間18億件の検索履歴のデータをもとに、人気の観光スポットや、季節変動、回遊行動がわかる仕組みとなっている。

●交通コンサルティング事業について
ナビタイムジャパンの交通コンサルティング事業では、道路交通や公共交通、国内観光や訪日外国人について、移動に関する各種ビッグデータを活用した分析を行っている。
HP:http://consulting.navitime.biz/

関連リンク

関連記事

1

Related Articleビジネス × テクノロジーもっと読みたい

What's News最新情報