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コロナ禍のおでかけは「同一県内の日帰りドライブ」が主流

Writer:横田康志朗 

 トヨタ自動車100%出資の広告会社、デルフィスは、8月17日~19日に、全国の18歳~69歳の男女を対象に第4回目となる「コロナ禍における『移動』『クルマ』に関する意識調査」を実施した。本調査は、コロナ禍の「移動」「クルマ」に関する意識変化を把握するために定期的に行っており、第4回目となる今回は特に「おでかけ」ニーズに着目。Go to トラベルキャンペーンが開始されて1か月、そしてお盆期間を経て、人々の外出に対する意識がどう変化しているかについて考察した。

▲同一県内の日帰りレジャーに「行く予定・行きたい」39%が、「行くべきではない・感染が収まったら」33%を上回る

(1)おでかけに対する意識
 おでかけ意識は積極派と消極派に二分する中、「同一県内の日帰りレジャー」が主流。感染不安以上に周囲の目が「おでかけの足かせ」になっている中、応援消費を「おでかけの理由」にして自分を納得させている様子が伺える。帰省の習慣がある人を対象に、今年の帰省実態を見てみると、約半数の人が「今年は帰省しなかった/しない予定」と回答。遠出を控える傾向が伺える。

▲お盆・夏休みの帰省実態

 今年中の国内旅行・レジャーの意向について、行き先(同一県内or県またぎ)、日程(日帰りor宿泊)の組み合わせ4パターンで聞いたところ、いずれも積極派と消極派が二分する結果に。その中で最も積極派が多かったのが「同一県内で日帰り」。唯一、消極派を上回るスコアとなった。

▲今年中の国内旅行・レジャーの予定

 旅行に行きたい理由としては、「気分転換」が最も多く挙げられた。春からの外出自粛傾向の反動としてのおでかけ欲求の高まりが伺える結果となった。

▲旅行・レジャーに行きたい理由

 おでかけしたいという気持ちが高まる条件について聞いたところ、感染防止対策が整備されること以上に、「世の中の風潮」の変化を望んでいることが分かった。周囲の目や世の中の風潮が「おでかけの足かせ」になっている実態が伺える。

▲お出かけしたいという気持ちが高まる条件

 「同一県内」への旅行・レジャーに行きたいという人にその理由を聞いてみると、「地元での消費による経済回復への貢献」(=応援消費)が最も高かった。純粋に応援消費をしたい気持ちに加え、周囲の目や世の中の風潮が「おでかけの足かせ」になっている中で、応援消費を「おでかけする理由」にして自分を納得させている状況も推察される。

▲旅行・レジャーで「同一県内」に行きたい理由

 「同一県内」のおでかけをする時の交通手段は、やはり「自家用車」が高く挙げられた。感染防止の意識からも安全性の高いクルマでの移動が支持されていることが伺える。

▲「同一県内」の旅行・レジャーにおでかけするときの交通手段

(2)クルマに対する意識
 引き続き、クルマは感染リスクの観点で安全な移動手段と認識され、実際に購入に踏み切った人も存在するなど、購入意向も高い。クルマ利用頻度は全国でアップ。

今回の調査では、「コロナ禍の影響によりクルマを買いたくなった人」(15%)は前回と比べやや減少するも、依然「買うのを中止・延期した人」(11%)を上回っており、引き続きクルマの購入意向は高い結果となった。
特筆すべきは、「クルマを買いたくなった人」のうち12%の人が実際にクルマを購入したと回答しており、コロナ影響でクルマ購入に踏み切った人の存在が確認された。

▲コロナ禍の影響によるクルマの購入意識の変化

 クルマは感染リスクの観点で「安全な移動手段」として、引き続きポジティブに捉えられている。また、クルマによる移動が「経済の活性化に貢献できる」という認識を持つ人も7割強、おでかけを前向きにする要因とも捉えられる。

▲クルマに対する意識や行動の変化

 運転頻度の変化については全国で見ると、4月末時点と比べコロナ禍の影響で運転頻度が増加したという人が増え、移動量の増加が見られる結果となった。一方で、東京都は4月末時点では公共交通機関を避け自動車を利用する人が増えていたが、リモートワークなどの生活スタイルが定着し、移動自体が減った傾向と推測される。

▲コロナ禍の影響によるクルマを運転する頻度の変化
株式会社デルフィス コミュニケーションデザイン局 局長 朝岡幹雄氏

■株式会社デルフィス コミュニケーションデザイン局 局長 朝岡幹雄氏 コメント
(3)【考察】コロナ禍における「おでかけ意識」
 7月22日に旅行需要喚起を目的にGoToトラベルキャンペーンが開始されるも、新型コロナウイルスの感染再拡大で東京都発着の旅行がキャンペーン対象外となり、また一部自治体では県をまたぐ移動自粛が要請がされました。
 この夏は、「おでかけ欲求」に対しアクセルとブレーキが同時に踏まれたような時期であり、人々の行動は、一人ひとりのモラルや価値観に委ねられている状況といえます。

 本調査において「今後の旅行・レジャー意向度」(=おでかけ欲求)を調べたところ、まさに積極派と消極派に大きく二分される結果となりました。感染拡大の不安は再び高まっており、旅行自体に消極的な声も多い中で、比較的おでかけ欲求が高かったのが「同一県内での日帰りレジャー」でした。この、近場での気軽なおでかけが人気の背景にはどういった要因があるのか考察しました。

 人々が旅行・レジャーに行きたい理由のトップは「気分転換」(62%)です。春から続く外出自粛傾向の反動からか、ストレス解消をしたい人々の純粋な気持ちの表れといえるでしょう。
 しかし、そのおでかけ欲求を素直に行動に移せない足かせが存在しています。1つは当然のことながら感染リスクですが、実は感染リスク以上に「周囲の目や世の中の風潮」が抵抗感となり、「おでかけの足かせ」になっていることが分かりました。一時話題になった「他県ナンバー狩り」は極端な例としても、旅行や普段通りの行動が許されない風潮が人々に二の足を踏ませているようです。

 そうした背景から、県をまたぐ遠出は控えて「同一県内の日帰りレジャー」を選ぶ傾向にあるようですが、実は、「同一県内」にしたい理由のトップは意外にも「地元で消費をして地元の経済回復に貢献するため」(42%)でした。

 気分転換に出かけたいけれど、感染リスク以上に周囲の目が「おでかけの足かせ」になっている今、地元にお金を落として経済回復に貢献する応援消費を、「おでかけの理由」にして自分を納得させたい気持ちも見え隠れします。いずれにせよ、「おでかけが経済回復に繋がる」という前向きな認識を持っている人は多いようです。

 最後にクルマの話に移りますが、「クルマは感染リスク低減の観点で安全な移動手段である」という認識が定着しました。「同一県内の日帰りレジャー」の主な交通手段がクルマであることを考えると、「クルマでの日帰りドライブ」こそ、感染リスクを最小限に抑えることを前提に、人々が求める気分転換を叶えながら経済回復にも貢献し得る最善策のひとつと言えるでしょう。

 人々の気分的な視点から言えば、旅行やレジャーは決して不要不急ではなく、本来的には必要なもの、といえるのかもしれません。

【調査概要】
■調査時期
①【第1回】2020年4月28日~29日(GW前半)
②【第2回】2020年5月11日~12日(GW後半)
③【第3回】2020年6月8日~10日(緊急事態宣言解除後)
④【第4回】2020年8月17日~19日※今回ご報告

■調査地域
全国

■調査対象者
18~69歳男女

■サンプル数と対象者割付
人口構成比(性年代)に合わせ割付 ※10代は18~19歳のみ
<調査①③④>合計1,000人
<調査②>合計600人
■調査手法
インターネット調査

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