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2022年から予想されるトヨタやホンダの米国新車デビューラッシュ

Writer:牧野茂雄 

▲アキュラMDX   アキュラはホンダが北米で展開するプレミアムブランド MDXは3.5リッターV6を搭載するSUV   全長4960mm
▲アキュラMDX アキュラはホンダが北米で展開するプレミアムブランド MDXは3.5リッターV6を搭載するSUV 全長4960mm

 2022年は世界的にニューモデル投入ラッシュになる──欧米の市場調査会社はこう予測している。コロナ禍で停滞した自動車市場を再び盛り上げるための新車投入である。中でも北米市場は空前の新車ラッシュが予想されている。その内容を紹介しよう。

 米国の『オートモーティブニュース』誌やバンク・オブ・アメリカ、メリルリンチなどの『カーウォーズ』調査によると、2022年から25年までの4年間で北米市場に投入されるニューモデルは240車種になるという。
  
 毎年平均60車種であり、これは2002〜21年平均の毎年40車種に対し1.5倍である。また、販売しているモデルの中に占めるモデルチェンジ車の比率は年平均21%となり、これも2002〜21年平均である16%を大きく上回ることになる。

▲日産アリア 2022年に発売予定の電気自動車

 また、BofA(BオブAグローバル・リサーチ)によると、「メーカー別ではホンダが最も新車投入が多くなる」という見通しだ。

 販売車種に占めるニューモデルの比率を新車交換率として表すと、ホンダは112%になる。2番目がトヨタで102%。100%を超えるという予測は、すべてニューモデルに切り替わる以外に「新たな車名のモデル」が追加されることを意味する。

 ホンダとトヨタは今後4年間ですべてのモデルが新型に切り替わり、さらにまったく新しいモデルもいくつか投入されるという展開だ。

▲トヨタ・プリウス・プライム プライムはトヨタが北米で販売するPHV(プラグインハイブリッド)モデルの名称

 この指標で見ると、プジョー、シトロエン、クライスラー、ジープなど多くのブランドを抱えるステランティスはホンダの約半分の59%、BMWやメルセデス・ベンツといったプレミアムブランドはトヨタの8割程度の80%、VW(フォルクスワーゲン)グループは78%、韓国のヒュンダイ・起亜グループは71%、日産は76%、GM(ゼネラル・モータース)は55%となる。

▲GMのM・バーラCEOは「2025年までに30台のBEVを発売する」と排出ガス・ゼロ社会の実現に取り組む姿勢を表明している

 各社のニューモデル投入予測をパワートレーン別で見ると興味深い。

 BofAは(1)エレクトリック(BEV=バッテリー電気自動車とPHEV=プラグイン・ハイブリッド車)、(2)HEV(ハイブリッド車)、(3)FCEV(燃料電池電気自動車)、(4)ICE(内燃エンジン)車に分類し、予測を披露した。

 それによると、GMのエレクトリック比率はニューモデル全体の約3分の1を占める見通し。欧州で積極的にBEV展開するVWグループは40%以下にとどまるという予測だ。日本メーカーでは日産のエレクトリック比率が最も高く20%程度、ホンダは15%程度、トヨタは10%程度になっている。

▲FCAが今年7月「ステランティスEVデイ2021」発表したジープ・グランドチェロキーのPHV 発売は2022年の予定

 一方、HEVとエレクトリックの合計ではトヨタとホンダがともに50%を超え、日産は40%弱にとどまる。

 トヨタとホンダは北米市場でのHEV販売比率を50%以上に持っていく方針だと予想される。HEVについてはVWグループ、BMW、ダイムラーのドイツ勢も大量投入を行うようで、とくにダイムラーはHEV比率が40%を超える見通し。

 これらはほとんどが48Vシステム電源のマイルドHEVだ。

 もうひとつ、興味深い予測がある。セグメント別のニューモデル投入だ。2012年から2021年の実績と比較するとクロスオーバーSUVの比率が38%から52%へと大幅に増えている。

 北米でいうクロスオーバーは、モノコックボディを持った乗用車的なSUVを指している。ラダーフレームの上にキャビンを載せる伝統的なSUVや、ピックアップトラック、ミニバンは「ライトトラック」に分類される。

▲トヨタRAV4 2021年上半期の米国新車販売ランキングで日本メーカー車として最高の売れ行きだった(22万1195台)

 ご存じのようにモノコックボディSUVのルーツは、トヨタが1994年に発売したRAV4である。それから27年が経過して、北米市場でもモノコックSUVが完全に主流になった実態がうかがえるデータだ。

 一方、乗用車系のニューモデル(スモール、ミッド、ラージのセダンおよびステーションワゴン)は、2012〜21年には31%だったが、21%に縮小すると予測されている。

 半面、北米ではつねに一定台数が売れるラグジュアリーカーとスポーツカー(コンバーチブルを含む)はまったく変わらず全体の7%を確保するという予測だ。BofAのニューモデル予測は、北米市場全体の「売れ筋」傾向がわかる点でも興味深い。

 アメリカでは昨年4月と12月、今年3月の3回、コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法のもと全国民の90%程度に特別給付金が支給された。

 年収で支給額は異なり、年間7万5000ドル以上の収入がある成人は減額されるが、3回で最大3200ドル、昨年4月からことし3月までの円・ドル為替平均を106円とすると約34万円である。貯蓄に回った比率は3回合計で25%程度と推計される。

 この給付金がGDP(国内総生産)を引き上げた効果については、失業給付金や中小企業向け給付保護プログラムと合わせて2.5%程度と確認されている。住宅ローン返済に充てた例は多いが、自動車ローンの返済や生活費などに充てた世帯も少なくない。

 また、富裕層は「海外旅行に行けないから高級車を買う」という消費行動に出ており、これが最近の米国で10万ドル以上の高額車の販売を押し上げた最大の要素だと指摘されている。

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