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エブロ製インサイト(1stモデル)

Writer:森永卓郎 Photo:森永卓郎

コレクターの心を突く1台

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■プロフィール もりながたくろう●1957年、東京都出身。東京大学経済学部卒業。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。個人のコレクションを展示する「博物館(B宝館)」を、埼玉県・新所沢で一般公開中(毎月第1土曜日)

db122a28e9abb1b1a31c3c8141a410363300ccb3.jpg▲エブロ製ホンダ・インサイト(1stモデル)インサイトの発売当時の価格は5MTで210万円(税別) 10・15モード燃費は32.0㎞/ℓ

 最近、「クルマの個性がなくなってきた」とよくいわれる。居住性や万人受けを突き詰めていくと、同じようなデザインになっていくのは、ある意味で仕方がない。しかし、そうした状況の中でも、強烈な個性を放つクルマは存在している。インサイト(1stモデル、1999年デビュー)は、その典型だ。

 初めてこのクルマを見たときの衝撃は大きかった。リアホイールスカートで、後輪が半分隠れている。しかも、世界最高燃費を目指して、空力特性を極限まで追求した結果、その外観は、少年時代に漫画で見た宇宙船のようなデザインになっていたのだ。そのスタイルに憧れたユーザーは多かったようで、いまでもこのインサイトは、ユーズドカー市場で高い評価を受けている。

 ただ、発売当初は、このあまりに個性的なスタイルが理解されなかったようで、実車の販売実績は伸びず、そしてミニカーメーカーも採り上げてくれなかった。ミニカー化されない名車になりそうだったのだが、エブロがその危機から救ってくれた。

 エブロというのは、MMPという静岡のミニカーメーカーがリリースしているブランドで、しばしばマニア心をくすぐる車種選択をしてくれる。創業者の木谷真人氏は、田宮模型の設計技師だったから、コレクターの気持ちがよくわかるのだろう。

 ボクは、43分の1スケールは、原則としてカラーバリエーションを集めていないのだが、よほど気に入ったのか、このインサイトは2色を揃えている。ボディカラーも、やはり未来的で素敵だ。

 残念ながら、ボクはこの1stインサイトのステアリングを握った経験がない。ただ、2ndインサイト(2009年デビュー)を運転したときの印象は鮮烈で、キビキビと軽快に走る乗り心地は、本当にクルマの運転の楽しさを教えてくれた。だから、1stモデルも、同じようなテイストの走りを楽しませてくれるのではないかと思う。もっとも、スタイリングを優先したあまり、後部座席は未装備の2シーターだし、後輪のタイヤ交換が面倒そうだし、リアホイールスカートをこすってしまいそうだし、ふだん使いのクルマとしては、いろいろ課題がありそうだ。

 ただ、そんな要素が関係なくなるほど素敵なクルマだ、とボクは思うのだ。もちろん、1stインサイトを運転できるチャンスは、これからもありそうもない。それでもこのミニカーを眺めるだけで、軽快な走りを堪能できるような気分になってくる。ミニカーがあって本当によかった。

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