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天皇陛下の御料車

Writer:森永卓郎 Photo:森永卓郎

日産プリンス・ロイヤル

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■プロフィール もりながたくろう●1957年、東京都出身。東京大学経済学部卒業。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。個人のコレクションを展示する「博物館(B宝館)」を、埼玉県・新所沢で一般公開中(毎月第1土曜日)

f16ddf006d5e7ae39df9b4158abddc94aaa62219.jpg▲日産プリンス・ロイヤル 1970年代初頭まで生産された皇室専用車 実車は全長×全幅×全高6100×2100×1770㎜ エンジンは6.4ℓ・V8 現在はトヨタ・センチュリー・ロイヤルが御料車として使われている

 30年にわたる平成の時代が終わり、新元号がスタートするタイミングを迎えて、皇室への注目が高まっている。そこで、今回は、プリンス・ロイヤルを取り上げよう。

 主として昭和天皇の御料車として活躍したプリンス・ロイヤルは、「"自動車の最高峰"を作る」という信念のもと、プリンス自動車工業が開発した。1967年から72年まで製造された皇室専用車だ。そのため、内装などが最高級の素材で作られると同時に、ドアや窓ガラスは防弾仕様になっている。排気量6373㏄の水冷V型8気筒エンジンが搭載された8名乗車のリムジンは、日本最大サイズの乗用車でもある。  

 プリンス自動車が御料車の製造を任されたのは、退位なさる平成の天皇陛下がクルマの運転がお好きで、1954年にプリンス・セダンを献上されて以来、ずっとプリンス自動車を愛用していたからだ、といわれている。なお、設計や開発はプリンス自動車が担当したが、納車の時点では、プリンス自動車が日産自動車に吸収合併されていたため、正式には日産自動車のクルマだ。そうした経緯があって、日産プリンス・ロイヤルの名前で呼ばれている。  

 実は、ボクはこのプリンス・ロイヤルを間近で見た経験がある。東京都立川市の昭和記念公園に昭和天皇記念館がある。そこにプリンス・ロイヤルの実車が展示してあるのだ。どっしりとした重厚感が威厳をかもしだしていて、普通のクルマとはまったく異なる趣だ。ロープで囲われていて、触ったり、車内を詳しく見ることはできないのだが、近くにいるだけで、ちょっとした感動を呼び起こすほどの存在感だ。  

 さて、このプリンス・ロイヤルをダイヤペットがモデル化している。初期モデルは、ドアにあしらわれた菊のご紋章がシールだった。ところが、途中から彫り込みと金塗装に変わった。写真は、そのセカンドモデルだ。

 ミニカーは、本物と比べると、少し縦に間延びしている感じはするが、それでも御料車が放つ重厚感は、本物の雰囲気をよく表現していると思う。このようなモデルが、マニアを対象にした少量生産品ではなく、大量生産の子供用ミニカーのラインアップに加わったことは、ある意味、奇跡に近いのではないだろうか。

 なお、このモデルには、全面金メッキの少量生産バージョンがある。何度か手に入れるチャンスがあったのだが、かなりの高値だったので、あきらめてしまった。それが、ちょっと心残りだ。

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