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日産セドリック

Writer:森永卓郎 Photo:森永卓郎

ボクの教習車はこのセドリックだった

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■プロフィール もりながたくろう●1957年、東京都出身。東京大学経済学部卒業。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。個人のコレクションを展示する「博物館(B宝館)」を、埼玉県・新所沢で一般公開中(毎月第1土曜日))

0df6f1d8f5b5686e4a6f1e01df63cc271d79efaa.jpg▲日産セドリック・スタンダード(1971年デビュー/3rdモデル)実車の主要諸元:全長×全幅×全高4690×1690×1480mm 2リッター直4OHV(92ps/4800rpm 16.0kg・m/3200rpm) 価格:77万4000円(東京地区)

 このミニカーが発売されたときは、感動してしまった。まさかこんな地味なクルマがミニカーになるとは、思っていなかったからだ。

 ボクが運転免許を取得したのは、大学に入学した翌年の1977年だった。本当は入学後にすぐに取る予定だったのだが、教習所の規定時間を17時間もオーバーして、最後に学科の試験まで落ちるというオマケ付きで、とてつもなく時間がかかってしまったのだ。路上の試験にようやく合格したときにいわれた「キミは運転が上手ではないので、慎重に運転しなさい」という教官の言葉は、いまだに脳裏に焼きついている。

 さて、このセドリックに思い入れがあるのは、ボクが通っていた東京・大崎の国際自動車教習所で運転していたのが、このクルマだったからだ。いまから考えると、そんなに大きなクルマではないのだが、当時は「なんでこんな大型車で練習しないといけないのか」と思っていた。当時は車幅感覚もまったくなくて、ボンネットにある2本のラインの中心を、道路の端に合わせて運転していた。車庫入れ時は、「入ってくれ」と祈るような気持ちだった。

 初めてステアリングを握ったクルマは、思い入れがある。それをトミーテックが作ってくれた。

 トミカリミテッド・ビンテージ・ネオというのは、比較的新しいビンテージカーをラインアップするシリーズだが、43分の1シリーズに関しては、ものすごく車種が偏っている。商用車を除くと、すべてが年式違いのセドリックとグロリアだ。こうなると、権利関係の問題とは考えられず、担当者のセドリックとグロリアへの深い愛情がなせるわざということになる。

 ただ、その偏愛がとてつもない幸運をもたらしてくれた。ミニカーというのは、ほとんどの場合、憧れのクルマを商品化するので、地味なクルマはモデル化の対象にならない。そして、必ずといっていいほど最高級グレードが選ばれる。ところが、このセドリックは、なんとスタンダードモデルだ。

 教習車は間違いなくスタンダードだった。そして、ボディカラーもこのクリーム色だったと思う。つまり、ボクが初めて乗ったクルマそのものが、モデル化されているのだ。だから、気持ち的には、ドアに〝国際自動車教習所〟というシールを貼りたいくらいだ。トミカリミテッド・ビンテージ・ネオは価格が高い(写真のモデルは6800円)のが難点だが、こんなクルマを作ってくれるなら仕方がないと思う。

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