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連載第21回 まだ間に合う! 東京モーターショー2019の本当の見どころはどこなの?

Writer:小沢コージ Photo:小沢コージ

topweb.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜18時50分TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』

●ガンダム、アイドル、グルメとなんでもありの超バラエティショー

 小沢コージが勝手に世紀の逆ギレショー!? と称してきた東京モーターショー2019もいよいよ後半!というわけで、前半ハイライトたる日曜日の一般公開日に突入してきました。ちなみに「逆ギレ」と称する理由は、自動車版キッザニアに、機動戦士ガンダムに、B級グルメ祭りのグルメキングダムと、一見自動車ショーと関係ないコンテンツをモリモリで入れ込んでいるから。そのほかドローンレースアンバサダーにアイドルの日向坂46、影の全体アンバサダーにマツコ・デラックスまで起用。

 それを知った旧知の自動車マニアはいいました。
「それって、どこのメーカーも、人々が欲しいと思えるクルマを作ることができないからですよね。クルマを見に行きたいのに、余計なものがあったら、行きたくなくなる人もいるのでは?」と。

 一方、今回の大改革を牽引したモーターショー特別委員会の長田准委員長のコメントはこうです。
「もはや自動車のサムライみたいな発想ではダメだと。様式美にこだわり過ぎた結果が前回の入場者数77万人だと思っていまして、今回は100万人を目標に、もう一回みなさんに『自動車』というものを認知していただけなければ、我々はもうジリ貧になっていくだけですから」。

 まさにマニアとは対照的な視点での、なりふり構わない集客体制を組んでいるのです。

●全然予約が取れない! でも本物体験を重視する自動車版キッザニア!

 とはいえ肝心のショーはどうなのか? 

 10月27日の朝10時、まずはトヨタブースや、今回初の試み、ガンダム&グランツーリスモ・スポーツなどが入っているFUTURE EXPOがある青海会場に行きましたが、もう渋滞がハンパない。晴れた日曜ということもあって入り口から数100m、数1000人は並んでいます。もう勘弁、ってレベル(笑)。

青海行列web.jpg▲日曜日の東京モーターショー青海エリアの行列はかなり伸びていた
 
 同時に今回最大の欠点に気付きました。
 それは会場の分散です。
 
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックの関係で、東京ビッグサイトがある従来の有明エリアを半分しか使えず、残り半分をりんかい線で一駅離れた青海エリアに設けているのですが、この入り口渋滞を2回体験するのか? と思うと、あまり次に行く気になれません。とくに子供連れは。
 
 両エリアの移動はシャトルバスがありますが、激混みで長蛇の列。りんかい線はとくに国際展示場の方は駅から離れています。 

 おそらくどちらかに集中するとみられ、日曜に両方行った小沢の感じでは、りんかい線「東京テレポート」駅近い青海エリアの方に人が集まっている気がしました。
 
 実際、青海エリアの方がシロウト向けとしては面白い! まず注目はキッザニアで、要するに子供の職業体験エンタテイメント。子供がいない人は興味がないかもしれませんが、一番人気でした。(https://www.tokyo-motorshow.com/event1/out_of_kidzania/

キッザニアweb.jpg▲キッザニアとのコラボイベントは大盛況 ここでも長い行列が 事前予約が必須といえる
 
 たとえば小沢が行った日曜朝イチは総合受付の前が長蛇の列。しかも事前予約を取っていない人は、そこから3時間以上後の昼過ぎしか職業体験ができません。
 
 そこでは人気がある順に席が埋まっていき、小沢がみたところでは、ホンダのレーシングドライバーのお仕事、日産のデザイナー体験、トヨタの月面探査車プログラミングのお仕事などが一番人気。逆に日野自動車のトラックをプロデュースする仕事は人気薄な感じでした。とはいえ、それでもキッザニアは超人気ですぐに予約が一杯になるのですが。

トヨタキッザニアweb.jpg▲キッザニアで人気のトヨタ・ブースは月面探査車(ミニカー)の走行ルートをタイルでプログラミング 難易度が複数ある
 
 ホンダのレーシングドライバー体験は子供でも手抜きなくリアリティを追求。いきなりリアルなカート用スパルコのレーシングスーツを着用し、本格的なレーシングシミュレーターを体験。ここは鈴鹿サーキットをイメージし、F1ドライバーが1分台で返ってくるところをいきなり走らせます。しかもそれは5分内というガチな条件を課して。

キッザニア子供2web.jpg▲キッザニアのホンダ・ブースはスパルコのレーシングスーツに着替えてレーシングシミュレーターで鈴鹿サーキットをバーチャル走行 講師は湯澤祥平さん

 最初の小学生レベルの子供は3分、4分台はザラで、そこでF1ドライバーの技量のすごさを確認し、さらにリアルなフォーミュラ・ニッポンのデモマシンにも座ることができます。ついでに講師は本物の元スーパーGTドライバーの湯澤翔平さんという手の込みよう。

キッザニア子供4web.jpg▲レーシングドライバーに必要な精神力や洞察力などのレクチャーを受けてからシミュレーターで模擬走行 本物に近い体験ができる
 
 教えるカリキュラムも「精神力」「洞察力」「コミュニケーション能力」「適応力」と相当にガチンコ。正直、子供がどこまで理解しているかはナゾですが、本物の体験を重視していることがわかります。
 
 かたや本物の体験と言えばマツダの金型磨き体験が妙に面白い。

キッザニア子供マツダweb.jpg▲キッザニアのマツダ・ブースは金型磨き体験というオリジナリティあふれるコンテンツを用意
 
 なにしろ大人でもよく分からない金型のプロのお仕事を体験できるのです。これまた本当に金型を手で修正することはやはりムリで、せいぜいヤスリ掛け体験なのですが、すごいのは講師役に実際にマツダの工場で、現役で働いている金型職人を起用していること。
 
 聞いてみると、「広島から交代で来ています」とのことで、要するに本物のプロの肉声から、少しでも仕事の大変さ、面白さを感じてもらうのが趣旨なのです。
 
 それと現場の汚いけどオーラある扇風機、「物作りのプロ、安全のプロ、考えるプロ」の張り紙やゴミ箱は本当に広島工場から持ってきたもの。このこだわりは本物です。少々やりすぎ!? と思えるレベルで(笑)

キッザニア子供マツダ2web.jpg▲広島で働く本物の金型職人が交代で担当 プロの仕事を直接教えてくれるという大変貴重な現場体験ができる

●昔からのクルマ好きは有明エリアへ!
 
 一方、その後に行った有明エリア、こちらはこちらで日曜だけに大盛況でした。
 
 実は南館で同業自動車ジャーナリストの河口まなぶ君がLOVECARSTV!というブースを主催しており、日曜昼に私小沢も出演してきましたが、ま、さすがの人通りで何人もの方に拙い喋りを聞いて頂くことができました。こちらも手前ミソ気味にいうと注目です(笑)。

ラブカーズweb.jpg▲有明エリアに移動して河口まなぶ氏の主催するLOVE CARS!TVに出演
 
 が、ガチな注目は、こちらは青海エリアとは違う、従来的なコンセプトカーや話題の新車でしょう。
 
 個人的には、アレ? というほどデザインが変わらず、しかし内装クオリティが上がっている新型スズキ・ハスラーや、販売が2020年に延びましたが人気を集めそうな新型ホンダ・フィット、やっぱりあの顔か? の次期型三菱eKスペース、日本初公開のピュアEVのホンダeや、遂にマツダ、オマエもか! のEV、マツダMX-30などの実車が面白く、いよいよ日本も電動化が間近になってきたことがうかがえました。

ハスラーweb.jpg▲スズキ・ハスラー・コンセプト 名前にコンセプトが付いているが間もなくこのまま市販化するモデル

フィットweb.jpg▲ホンダ新型フィットがワールドプレミア 発売は2020年2月の予定
 
 ただし、注目はホンダeもマツダMX-30も、なぜか足並み揃えて35.5kWhのリチウムイオン電池しか積んでないことです。
 
 現行の日産リーフが40kWhから60kWhレベル、テスラやジャガーやポルシェが90~100kWhレベルのバッテリーを積んでいることを考えると、ええ? というレベルで、航続距離も200kmと非常に割り切った印象がありますが、ここには大変な戦いがあります。
 
 それは「大量電池を積むピュアEVは本当に正義なのか?」という大命題です。
 
 実は電池1kWhを作るのに100kWh以上の電力を消費するという話があり、ホンダ、マツダ陣営は「大型EVは実はエコじゃない!」というのが最大の論点なのです。

ホンダweb.jpg▲ホンダeは2020年秋に日本リリース予定 35.5kwhのリチウムイオンバッテリーを搭載 後輪駆動を採用 舵角を大きくして小回り性能を向上

mazdaweb.jpg▲マツダはEV・MX-30を世界初公開 欧州では予約を開始して2020年に販売開始予定 日本リリースは未定 35.5kwhのリチウムイオンバッテリー搭載 駆動方式はFF
 
 初代リーフの事を考え、日常の使い勝手を考えると40kWhでも物足りないことは明白。でもあえてホンダとマツダはそこで勝負する気なのです。ウラではドイツ勢を中心とする大容量EVに対する考え方の戦いを挑んでいるのです。
 
 日本の電動化はどうなるのか? リアルな問い掛けが有明エリアで行われています。
 
 いずれにせよキッザニアにせよ平日はガラ空きの予定。小学生は学校に行っていますから。子供しか受けられませんが、見るのは大人でも自由。
 
 ぜひとも平日の夕方、そして週末にかけて東京モーターショー2019年にクルマ界、ニッポン産業界の未来を見に行ってくることをオススメいたします!!

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