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サフィールの魅力

Writer:森永卓郎 Photo:森永卓郎

部品の組み合わせで、素敵なモデルを開発

森永卓郎さん160.jpg■プロフィール もりながたくろう●1957年、東京都出身。東京大学経済学部卒業。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。個人のコレクションを展示する"博物館(B宝館)"を、埼玉県・新所沢で一般公開中(毎月第1土曜日)

森永卓郎さんサフィール差し替え.jpg▲サフィールのNo.26 ユニックス・タクシー(1908年モデル) サフィールは1961年にジャダリを引き継ぎ1978年までミニカーを生産していたフランスのメーカー

 サフィール(SAFIR)は、フランスのミニカーメーカーだ。1961年にジャダリ(JADALI)というメーカーを引き継いで発足した、といわれている。

 ジャダリのミニカーは、ボクは1台も持っていない。それどころか、資料も残っていなくて、全貌がまったくわからない。唯一、50年代に大ブームを起こしたマッチボックスの小スケールミニカーをコピーして製造・販売していた実績が知られているくらいだ。当時は、まだ著作権の運用が緩い時代だったので、コピーは世界中で行われていた。

 一方、サフィールのラインアップは、前の会社の時代とはまったく異なるものだ。標準スケールで、オールプラスチック製のモデルになった。レーシングカーなども発売しているが、主力はクラシックカーのシリーズだ。

 発売されていた60年代に、ボクはサフィールのラインアップを見ていたのだが、食指は動かなかった。重量感がないし、派手な色使いがチャラチャラした感じで、リアリティに欠けると思ったからだ。だからボクのコレクションにはサフィールが数台しかなかった。

 ただ、最近コレクションを譲り受けたコレクターがサフィールに詳しくて、細かい情報を教えてくれた。サフィールのクラシックカーシリーズの型番は1番から26番までと101番で構成されていて、全部で27種類存在する。

 また、サフィールのミニカーは、シャシーからパラソルまで、さまざまな交換可能な部品を組み合わせて作られている。たとえば、型番1番から6番は、同じシャシーを使用しているのだ。共通部品を使う手法で製造コストを削減するためだろう。ただ、その組み合わせ方がとても巧みなため、ボクは最近までその事実にまったく気づかなかった。こうしたおちゃめなところは、前身のジャダリの精神を引き継いでいるのかもしれない。

 ただ、50年の年月が流れて、明らかになった事実がある。それは、サフィールのミニカーは、ボディに変形が生じたり、色鮮やかさが衰えるという経年変化がまったくない、ということだ。おそらく、質のよいプラスチックを使っていたのだろう。「まじめにふざける」という経営方針だったのかもしれない。

 サフィールは、78年に倒産したが、幸か不幸か、それほどプレミアはついていない。だから、いまさらながらフルラインアップを揃えてみようかなと、いまボクは考えている。

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