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連載第35回 実はポルシェ911みたいな変貌 新型ハスラーはどこが凄いのか?

Writer:小沢コージ Photo:小沢コージ

top.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜18時50分TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』

●スペーシアに続くスズキの"ツートップ"になるのか

 待望の軽自動車がフルモデルチェンジしました。その名は新型スズキ・ハスラー。2ndモデルです。
 
 1stモデルデビューは6年前。
 
 新世代軽プラットフォーム「HEARTECT」を使うモデルとしてはおそらく最後のモデル。2014年の8thアルトを皮切りに、ラパン、ワゴンR、スペーシアと採用して、ハスラーで5台目です。
 
 理由は明白。ハスラーの1stモデルは古い骨格でも売れまくったからです。
 
 モデル末期の19年12月ですら月販4000台超。新型に切り替わる狭間の20年1月は5000台超で、ワゴンRをも越えています。
 
 オザワはこれを個人的に「ハスラーの奇跡」と捉えています。

 BMWミニがバカ売れしたように、ハスラーもまた広く日本に受け入れられたのです。

フロント.jpg▲新型スズキ・ハスラー ハイブリッドXターボ(4WD) 価格:7CVT 174万6800円

 
 スズキとしてはスペーシア、ワゴンRに続く「国内3本目の柱」と考えているようですが、ワゴンRの元気がないので、もしやワゴンRを越えてスペーシア、ハスラーの2トップになる可能性があります。
 
 1stモデルのハスラー、6年間累計販売は48万台超で、おそらく現行ワゴンRの販売ペースを越えています。
 
 それだけハスラーは重要なモデルであり、「日本のSUVブームは軽から来ている」のかもしれないのです。

●ある意味ポルシェ911みたいなガチなフルモデルチェンジ

 新世代プラットフォーム「HEARTECT」を使うのが最後になったからといって、悪いことばかりではありません。
 
 アルトが出てから6年間、熟成に熟成を重ねたうえ、2ndハスラーでは専用に相当手が加えられています。
 
 具体的にはスズキ初の「構造用接着剤」、スズキ軽初の「高減衰マスチックシーラー」の採用と、アッパーボディの「環状骨格構造」です。
 
 これによりボディ剛性、走りのしっかり感は段違い。これだけで買ってもいいと思えるくらいに。

フロントマスク.jpg▲エクステリアデザインはキープコンセプト 特徴的な2灯丸形ヘッドランプを継続採用
 
 一方、デザインですが、一見アレレ? というくらい変わっていません。

 だが、これぞ人気モデルの宿命で、変わってないようで変わっているポルシェ911のような変貌を遂げているのです。
 
 まずハスラー最大の特長、レレレのオジサンのようなフチ付き丸目二灯マスクは一見不変です。
 
 しかしよく見ると、ライトユニットは完全新作でクロームのフチ取りが太く、三分割タイプのLEDリングも備わり、キリリ生まれ変わっています。

サイド.jpg▲ツートンカラーはルーフだけでなくCピラーにも樹脂調の異なる配色を採用
 
 また、ボディの上屋が、よりハコっぽい形状になり、とくにツートンカラーだとわかりやすいですが、窓枠がボディ一体となり、同時にCピラー部に窓が加わった6ライトウィンドウに変貌。
 
 Cピラーを樹脂調(ツートンのみ)にすることで特別感を演出。
 
 よりジープっぽいワイルドさが加わっています。リアコンビランプもワイルド化し、このデザインは絶対に従来のハスラーファンにもウケるはずです。

リア.jpg▲リアから見るとボクシーなフォルムが強調されたことが把握できる

●インテリアは大きくクオリティアップ

 ダッシュボードにソフトパッドは使われていませんが、適度な質感の樹脂で覆われ、インパネのボディ同色の3連ベゼルが特徴。
 
 メーターは全面液晶とはいきませんが、一部液晶化された半アナログ方式で、センターの9インチ新作メモリーナビゲーションが秀逸。
 
 大きくて見やすいだけでなく、アップルカープレイ、アンドロイトオート、スマートデバイスリンクと連動し、さらに新グラフィックがユニーク。
 
 他社のようにアイコンを7~8個並べるのではなく、「ナビ」「車両情報」「オーディオ」に三分割。スッキリ整理しまくっているのです。
 
 画面切り替えロジックが、また新しいので、慣れは必要ですが。

ダッシュ斜め.jpg▲大きく進化したインテリア 色調は3種 写真はバーミリオンオレンジ内装色
 
 車内はホイールベースが35mm延長、室内幅も30mm近く広がり、ラゲッジ容量は同等のまま後席スペースが拡大しています。

 
●走りの質感は完全にワンクラス上に

 最も素晴らしいのは走りで、剛性感、しっとり感は段違い。ひとクラス上のテイストが味わえます。

 加速性能ですが、パワートレインを新設計。

 エンジンはロングストローク化とデュアルジェット化で圧縮比を上げた高効率型で、ターボは64psをキープ、ノンターボは3psダウンの49ps。
 
 しかし、その分を新開発の2ポートオイルポンプCVTとアシスト量アップのマイルドハイブリッドが補っており、速さは同等かそれ以上。
 
 燃費はWLTCモードで最良25km/リッターなので、ヘタなストロングハイブリッドも必要ありません。
 
 とはいえ、ノンターボで比べると速さはホンダN-WGNの方が上でしょう。
 
 同時にハイテクもなかなか。ついにハスラーも完全停止する追従オートクルーズを搭載(ターボのみ)。
 
 久々にデュアルカメラによるセンシングで、被害軽減ブレーキは時速100kmまで作動するから秀逸。
 
 スズキ軽初の車線逸脱抑制機能も搭載してあって、ますます軽のハイテク安全競争が止まらない感じです。
 
 ついでに細かくいいますと、4WDの性能も上がっています。スノーモードやグリップコントロール、ヒルディセント機能も備えた新ハスラー。

 価格は全車マイルドハイブリッド&スズキセーフティサポート付きで136.51万円スタート。これは戦略的。

 ますますワゴンRより優位性が目立ちます。

前席.jpg▲前席はセパレートタイプ ベンチシートだった旧型と比べてパーソナル感と上質感をアップ

後席スライド.jpg後席は左右独立スライド&リクライニング機構付き

足元.jpg▲後席を最も前にした状態でも足元空間は広い こぶし2個分を確保 ロングホイールベース化のメリット

足元広さ.jpg▲後席を最後部にすると足が組めるほど広い

ラゲッジ.jpg▲後席を前後スライドしてラゲッジスペースを調整可能 後席は分割可倒式

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