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コバップが復活させたブリキのミニカー

Writer:森永卓郎 Photo:森永卓郎

部品の組み合わせで、素敵なモデルを開発

森永卓郎さん160.jpg■プロフィール もりながたくろう●1957年、東京都出身。東京大学経済学部卒業。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。個人のコレクションを展示する"博物館(B宝館)"を、埼玉県・新所沢で一般公開中(毎月第1土曜日)

2020年2月号HP用森永卓郎さん.jpg▲左がCKO社のオリジナル 右がコバップ社が製作したミニカー 窓ガラス/デカール/ホイールなどは異なるがボディの作りはCKOのオリジナルのまま

 ミニカーの大部分は鋳型に溶けた金属を流し込んで、ボディを成形する。ただ、そこには例外も存在する。そのひとつが、ブリキ製のミニカーだ。もちろん、ブリキで自動車の模型を作ることは戦前から行われてきたが、それらは標準スケールのミニカーよりも、かなり大型のモデルだった。プレスで作るブリキのおもちゃは、精度を出しにくいので、ある程度大型の模型にしないと、精緻なモデルが作れない。

 ところが、ブリキでボディを作りながら、「ミニカーサイズ」の自動車を作ったメーカーがある。それが、今回ご紹介するドイツのCKOだ。1970年代に登場したCKOのモデルはやや大ぶりだが、基本的にはミニカーの標準スケールの範疇に収まっている。ドイツの技術力を見せつける製品だ。

 CKOはフォルクスワーゲンのビートル、コマーシャルバン、バリアント、メルセデスSLなどをリリースした後、ばったりと生産を止めてしまった。

 これはボクの推測だが、実車のフォルムが精緻化するなかで、やはりブリキでのモデル作りが限界に来たのだろう。そして、手間がかかるブリキ製品は、ドイツの高い人件費の下では、コスト面で製造が困難という事情も重なったのかもしれない。

 しかし、そのCKOが帰ってきた。2019年にチェコのコバップという会社が製造したモデルが日本に輸入されたのだ。おそらくCKOから金型を譲り受けたのだろう。モデルはCKOそっくりだ。

 写真は左がCKOで、右がコバップだ。CKOと比べるとサイドに印刷が加わり、窓ガラスも入って、一定の進化はしているが、ボディには変化がない。チェコは、ドイツと比べたら人件費がずっと安いから、昔の製法で作っても、採算が合うのだろう。

 そうした背景を考えたうえで、2台のモデルを並べてみると、ちょっとした感慨がある。40年前のドイツの技術水準に、東欧で経済発展の遅れたチェコが、いまようやく追いついたのだ。だから、コバップ社には、ぜひ頑張ってモデル作りを続けてほしい。そしていつの日か、自らの力で、ブリキの新車を作り出してほしいのだ。

 もちろんモデル化してほしいのは、最近の実車だ。ガルウイングのメルセデスSLS・AMGなんてどうだろう。あの流麗なフォルムをドアが開閉するギミック付きでブリキで再現できたら、とてもカッコいいだろうとボクは思うのだ。

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