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連載51回 テレビでも大人気! 宅配ロボの「ZMPデリロ」、警備&消毒ロボ「ZMPパトロ」はなぜ生まれたのか?

Writer:小沢コージ Photo:小沢コージ

TOP.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜18時50分TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』 左はZMPの谷口恒社長

●自動運転はもちろん、ロボット開発が本業

「最近、問い合わせがすごく増えていて、4~5倍にはなっていると思います。今度、竹中工務店でデモンストレーションをやります。その前にも政府へ宅配ロボットのビジネスモデルを提案しました」と語るのは自動運転の雄、ZMPの谷口恒社長。

 ZMPといえば2019年8月、日の丸交通と組んで世界初の自動運転タクシー営業運行を、実際にお客を乗せて有料で行ったのが記憶に新しい。

 そもそも本業はロボット開発だという。「ロボットこそコロナに強い。いま役に立たないでどうする?」と、懸命に実用化を進めている。

デリロ2台.jpg▲宅配ロボットのデリロを説明するZMP谷口社長 デリロはZMPの自動運転技術を駆使しカメラやセンサーで周囲を360度確認しながら最高速度6kmで自律走行が可能 

「グローバルに見ると、宅配ロボットではスターシップ社が有名です。ロンドン郊外のミルトンキーンズという計画都市でやっていて、道が整っている。一軒家が連続した長屋のような建物が使えます。ロボットの操作は、実はエストニアから一人1台の遠隔操作で、稼働率も1時間に2、3回くらいと低い。2000円のモノを運んだとして、利益は1回600円ほどでしょう。それじゃとてもビジネスモデルとして回らない」

●デリロはなんと中国武漢からも引き合いが!

 谷口社長がとくに重要視するのは収益性だ。宅配ロボットを実用化したとき、本当にビジネスとしてちゃんと回るかを考えている。

「スターシップ社と比べると、ZMPのデリロは人の操作が要らない完全自動運転で、収納ボックスが8個まで備えられる。モノを1つ運んで180円として4ボックスで最低720円を稼げます。しかも、都心の密集地を想定しているから、1時間で何往復もできる。8ボックスで1時間に5回配達すれば7200円。十分にビジネスモデルとして成り立つ仕組みです」

デリロボックス.jpg▲運搬する荷物の形態によってさまざまなラゲッジスペースを装備可能 50kgまでの荷物を運べる 大学構内や大規模マンションなどで実証試験を実施

 面白いのはこの2月、あの武漢から宅配ロボット、デリロに対する引き合いがあったこと。

「中国は経済が復活してきて、本気で人と人が触れあわない宅配ロボットを欲しがっているのです。でも、なぜ中国のロボット使わないの? と聞いたら、ZMPのロボットが可愛いので使いたいと」

 そのほか香港、北京、上海からも問い合わせがあったそうな。もちろん渡航が禁じられているから説明に行きたくても行けてないのだが。

●コロナ禍の地下鉄のマスクの舞!? から生まれた自動消毒機能

 そしていま、テレビなどでさかんに報道されているのが警備&消毒ロボのパトロだ。デリロと同じく前後左右の高精度カメラにライダーを備えた自動運転プラットフォームを使い、360度を認識しながら最高時速6kmで自動走行できるモデルだ。

パトロ横近い.jpg▲無人消毒機能を新採用したパトロ テレビ取材や西村康稔経済再生担当大臣による視察などデリロとともに注目を集めている

 面白いのは、パトロの発表は19年12月。もちろん当初、消毒機能はなかった。消毒機能はコロナ禍の谷口社長のヒラメキなのだ。

「それは3月でした。いよいよ日本もヤバいぞとなったとき、地下鉄のある駅を歩いていたら床でマスクが舞っていたのです。地下鉄はホコリが下に溜まるし、前後左右から風が集まり、行き場がなくなる場所がある。これは無人の消毒ロボがいるよねと。すぐパトロに付けたらTVが取材に来て」

パトロ噴霧器.jpg▲消毒液の噴霧器 周囲を確認しながら自動運転で特定の場所を無人で消毒できる

「竹中工務店さんも、もちろんクライアントさんに自動消毒技術を提案されると思いますが、まずは自分のビルであり、社員さんの安全です。もう6月から出社ですから、待ったなしなのです」

パトロ走行.jpg▲目と音声で周囲の人間とコミュニケーションを図れる点はデリロと同様 オフィスビルなどですぐに実用化が可能

 意外なる武漢からの引き合いに、地下鉄のマスクの舞! 非常に生々しいロボット開発物語だが、パトロはすぐに使えるし、デリロも公道走行の法的許可さえおりれば使えるもの。

 ちなみにZMPの自動運転ロボにはもう一種類、1人乗りのラクロがあって、なんと7月から発売を開始するらしい。

自動ロボット.jpg▲1人乗りの自動低速運転車ラクロ 現状では公道や歩道を走行できないが規制緩和を目指して実証実験を重ねていく

 谷口社長いわく「年配の免許返納者の救世主になれる存在です。押す人は要らないし、本人が運転もしなくていいですから」
 というわけで、みなさんもぜひZMPの無人ロボット三兄弟にもご注目アレ! 

参考HP https://www.zmp.co.jp/products/lrb/deliro

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