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志村けんさんのロールス・ロイス

Writer:森永卓郎 Photo:森永卓郎

芸能界の王者とクルマの王者

森永卓郎さん160.jpg■プロフィール もりながたくろう●1957年、東京都出身。東京大学経済学部卒業。経済アナリスト、獨協大学経済学部教授。個人のコレクションを展示する"博物館(B宝館)"を、埼玉県・新所沢で一般公開中(毎月第1土曜日)

2020年8月号森永卓郎さんメイン.jpg▲ロールス・ロイス・ファントムⅦ サルーンは2003年にデビュー エンジンは6.75リッターのV12 全長は5800mmを超える 2017年にファントムⅧにモデルチェンジした

 志村けんさんの愛車だったロールス・ロイス・ファントムⅦが、ディーラーを通じて、ファンの男性に売却されたというニュースが流れた。付き人たちの退職金に充てられるという。新車だと6000万円程度だが、13年乗り続けられていたものの、手入れがよかった関係もあり、売却価格は、1000万円程度だろうといわれている。

 実は、ボクは志村さんのロールス・ロイスを、一度だけ見たことがある。志村さんの出演する番組に呼ばれた際に、テレビ局のクルマ寄せに止められていた。他のクルマが目に入らなくなるほどの圧倒的な存在感だった。

 芸能人は、クルマの中で食事や着替えができるなどの機能を優先するため、ワンボックスのワゴンに乗っているケースが多いのだが、志村さんは違った。芸能界の王者として、クルマの王者を愛車にしていたのだ。その意味でも、志村さんは、いまやほとんどいなくなってしまった本物の芸能人だったのだと思う。

 実は、ボクが小学生時代にヨーロッパに住んだとき、ミニカーの世界でしか知らなかったロールス・ロイスを見て、とても興奮した。当時は、日本でロールス・ロイスを見るチャンスはまったくなかったが、ヨーロッパでは週に1回くらいは出合うことができた。ただ、その中でも最高級車のファントムだけは、年に数回しかお目にかかれなかった。

 とくにボクが感動したのは、フロントグリル上に鎮座する「フライングレディ(スピリット・オブ・エクスタシー)」と呼ばれる女神像だった。ボンネット上に芸術作品が乗っていることが、王者の象徴に思えたのだ。

 だから、ボクは、ロールス・ロイスのミニカーを買うときは、マスコットが取れてしまっているものは、買わないと決めている。

 写真は京商のYSMシリーズのファントムⅦだ。ロールス・ロイスも、どんどん進化して近代的なデザインになっているが、重厚感はまったく失われていない。ボディラインはもちろんだが、ホイールキャップやエンブレムもしっかり再現されている。そしてフライングレディさえも、しっかりとフォルムが表現されているのだ。さすが京商だ。

 ただ、ボクにはこのモデルにひとつだけ不満がある。それは、持ち上げると、意外なほど軽いのである。飾っておく分には何の問題もないのだが、やはりロールス・ロイスは、手のひらに載せたとき、ずっしりと重くないといけない。クルマの王者だからだ。

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