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「ニューモデル試乗」なぜこれほど走り味が独特なのか? クルマを着るように乗れ! 新型プジョー208

Writer:小沢コージ Photo:小沢コージ

フロント.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜18時50分TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』

●すべての操作が軽く鋭く味わい深い

 最近、欧州コンパクトのメインがSUVにシフトしつつあるからだろうか。かつて主役だったハッチバックの個性化も始まっているようだ。
 
 そう、8年ぶりにフルモデルチェンジしたプジョーのコンパクトハッチバック、新型208。
 
 今回から206、207、208とモデルチェンジするたびに末尾の数が増えていた車名が変わらなくなり、初めての"2nd208"となった。
 
 ボディサイズは全長×全幅×全高=4095×1745×1445㎜と、ひと回り拡大しているが、それでも全長は4.1m弱と小さめで、全高は逆に下がっている。

真正面.jpg▲プジョー208 アリュール 価格:8SAT259万9000円
 
 実際にリアシートはさほど広くなく、ラゲッジ容量も265リッターとスペースに執着している様子もないが、スタイルの個性化と走り味の一体感は進んでいる。
 
 エクステリアで、とくに印象的なのは3本の爪を思わせるライト類だ。
 
 上級グレードのGTラインには3本ラインが入ったフルLEDヘッドライトが標準装備。今回試乗した1本ライン入りのアリュールにしろ、フロントバンパーにかけてデビルマンのようなLEDラインが入っており、リアコンビにもしっかり3本ラインを内蔵。
 
 全体フォルムも抑揚がしっかり付いた彫りの深いもので、ハッチバックというよりクーペっぽい印象すらある。

リア.jpg全長4095×全幅1745×全高1445㎜ ホイールベース2540㎜ 車重1160㎏
 
 加えて、攻めまくっているのはプジョーが「3D iコクピット」と呼ぶ先進的インフォテイメントシステム。
 
 ドライバーを取り囲み、「クルマに乗る」というより「クルマを着る」ような造形。
 
 表示も凝っていてセンターの7インチタッチスクリーンはもちろん、ドライバー前の3Dヘッドアップインストルメントパネルは、サイドを両手でにぎってしまいそうなユニーク造形だし、二層式で3Dホログラム表示となるスピードメーターもSFチックだ。
 
 一方、エアコンの温度調整は基本タッチスクリーンでしか操作できず、センターの7連トグルスイッチは別機能。
 
 正直、初めてのドライバーにとっては使いづらい部分も多いが、不思議なコックピット感覚が味わえる。
 
●手首を曲げるだけで操れるクルマ

 走り出すとユニークさはさらに極まる。

 骨格はシトロエンなどにも使われる新開発の「プラットフォームCMP」。
 
 高張力鋼板などを巧みに使い分け、高剛性と約30kgの軽量化を達成している。

真横.jpg▲5ドアハッチバックボディだがリアウィンドウの傾斜を強めてクーペライクなフォルムに仕立てた
 
 また、同シリーズに加わる初のEV仕様e-208は「e-CMP」採用。ドイツ車だけでなく、フランス車の電気化もいよいよ本気モードとみた。
 
 さて運転感覚だが、まずは手首を折り曲げるだけで操れるようなハンドリングが面白い。
 
 ステアリングホイールは極端な小径で、しかも上下が平らになっているので、片手で上部を握ってひねれば簡単にクルマが操れる。

ダッシュ斜め2.jpg▲コクピットは視覚ゾーン/操作ゾーン/ボディゾーンに役割を3分割 新バージョンの3次元表示となった3D i-Cockpitを採用
 
 電動アシストは効きまくりで当然、操舵は軽い。
 
 しかし、新型208は軽さの中にもしっかりとしたフィールがあるのが特徴で、直進状態から切り込んだ瞬間がキモチいい。
 
 このあたりはドイツ車とも違うプジョー独特の味わいだ。
 
 乗り心地に関しても、ここに来て、よりドイツ車の呪縛から逃れてきたように思う。
 
 かつてのプジョーは、VWポロやゴルフを意識して固めの足回りを纏ったことも多かったが、新型208はまさに硬すぎず柔らかすぎず絶妙。
 
 一般の荒れた道を走ると、ときにガツッと入力が入るが、そこに至る過程のしなやかな動きが気持ちいい。

前席.jpg▲アリュールのシートはファブリック仕様 乗り心地は上々

後席.jpg▲後席は大人2名が座るにはまずまずの空間を確保


 
 日本仕様のパワートレインは、ピークパワー&トルクが100ps&205Nmの1.2L直3ターボ&8速ATを搭載する。
 
 特別パワフルではないが、3気筒のラフさに嫌みはなく、これまた微細なアクセルワークでパッと立ち上がるトルクが気持ちいい。
 
 片手で操れるハンドリングを始め、硬めかつしなやかな乗り心地、レスポンスの良いパワートレインともにすべてが繊細かつ、かったるさが皆無で気持ちいいのだ。
 
 先進安全機能に含まれるオートクルーズ機能やレーンキープ性能、追従性なども申し分なく、2020年の欧州カーオブザイヤーを取ったのもよく分かる。
 
 特筆すべきスペースや低燃費性能はないが、運転感覚がとにかく全域で繊細かつビビッドなのだ。
 
 こればかりは乗ってみないと良さがわからない。ぜひ一度ディーラーに行ってみることをオススメしたい。

ラゲッジ.jpg ▲ラゲッジスペースは265リッターで広さは一般的

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