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イメージはiPhone。大胆過ぎるホンダN-ONEの「外板を変えないフルチェンジ」はなぜ許される?

Writer:小沢コージ Photo:小沢コージ

頭上.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜18時50分TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』

●スマホやタブレットをイメージしたスタイリッシュな軽

 ありそうで無かったフルモデルチェンジが行われた。

 11月に発表されたホンダのセミトールワゴン、新型N-ONEだ。
 
 60年代の名車、ホンダN360にインスパイアされたスタイリッシュな軽自動車だが、なにに驚いたかって外板の鉄板パーツが1stモデルとまったく同じだという点。
 
 具体的にはボンネット、ルーフ、フェンダー、トランクリッドは2012年デビューの1stモデルN-ONEと全く同じ。
 
 グリルまわりや前後ライトなどの樹脂パーツは新デザインになっているが、全体イメージはほぼ1stモデルのままだ。

フロント.jpg

「イメージしたのはiPhone。スマホとかタブレットのように、外観はシンプルで使いやすそう。しかし中身は進化してどんどん便利になっていく。そういったところを表現しています」(エクステリアデザイナー江田敏行さん)。

 実際、ヘッドライトは今回デイタイムランニングライト付きのフルLEDタイプになるなど着実に進化している。

リア.jpg
 
 なにより今回は骨格が現行N-BOXと同じ新世代のFFプラットフォームになり、軽量高剛性化&ハイテク化しているのが大きい。

 先進安全のホンダセンシングを全車標準装備。それも電子パーキングブレーキを備え、完全停止まで対応する全車速アダプティブオートクルーズを含んでいる。
 
 これは国内最多販売のN-BOXにも備わってない機能で需要は大きい。

真横.jpg

●走行フィールやクオリティは大きくアップした

 実際に走らせてみると乗り心地は旧型より明らかに向上。
 
 ボディ骨格の高張力鋼板の使用率が高まり、剛性が高まっているのと、エンジンが明らかにパワフルになっている。
 
 なかでもオススメはピークパワー&トルクが58ps&65Nmの自然吸気エンジンで、旧型より確実に力強い。
 
 WLTCモード燃費は23.0km/Lと良好で、必ずしもターボモデルが必要とは感じない。旧型のノンターボは高速道路を多用するユーザーには物足りなかったが、それはなくなった。

ダッシュ斜め.jpg
 
 同時にインテリアのクオリティが上がり、ホンダNシリーズのなかでもダントツ。

 全体の樹脂パネルがよりツヤっぽく上質になっているのと、ドアの内側のひじ掛けにはソフトパッドを採用。フロントシートもNシリーズ唯一セパレートタイプで、イマドキの軽としては最高レベルの質感。
 
 面白いのは64psのターボエンジンを標準搭載する「RS」グレードに6MTモデルが備わったことで、現在の軽FFターボ中では唯一とか。
 
 しかもスポーツカーのS660と同じクロスしたギアレシオを採用しているため、乗ってみると楽しくて、ついついエンジンを高回転まで回してしまう。
 
 RSにはCVTモデルもあるが、そちらも走行モードによっては加速のダイレクト感が増した印象。いろんな意味で尖ったフルモデルチェンジがなされている。

前席.jpg

足元.jpg
 
 しかし、新型N-ONEはなぜにこんなに攻めたモノ作りができるのか。関係者に聞いたら意外な答えが返ってきた。
 
「初代N-ONEの時代はセミトールワゴンとして競合のワゴンRさんやムーヴさんと戦う必要性がありました。しかしいまはNワゴンもありますし、なにより軽の主戦場がN-BOXなどスーパーハイトワゴンに移ってますから。逆に遊べる部分も多いのですよ」

 この8年間でのNシリーズの充実ぶりと軽マーケットの変貌により、N-ONEが個性派路線に突っ走れるようになった側面もあるのだ。
 
 N-BOXで台数を稼ぎ、N-ONEでNシリーズのブランド強化を行う。なかなか用意周到な最新ホンダの軽自動車戦略である。

ラゲッジ.jpg

サブトランク.jpg

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