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新型日産ノート公道初試乗! e-POWERの奇跡はまだ続くのか?

Writer:小沢コージ Photo:小沢コージ

正面.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜17時50分~18時TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』

●旧型は人気ナンバーワンの実力車

 ついに日産、そしてファン待望のコンパクトハイブリッドに公道試乗することができた。新型ノートe-POWERである。

 旧型は2016年11月、2ndノートの時代に追加バージョンとして登場した。

 それまでの日産コンパクトにハイブリッドはなく、ガソリン車か欧州向けのディーゼル車のみ。正直トヨタ、ホンダに置いてかれっぱなしだったので、既存のピュアEV、日産リーフのモーターやインバーターを流用。1.2Lエンジンを発電専用と割り切り、シリーズハイブリッドを作ってみたところ、これが奇跡の大ヒット!

 いきなり月販1万5784台を記録し、約30年前の人気車サニー以来、オールジャンルトップという快挙を成し遂げたのだ。

 魅力の根源は、独特の電動加速風味に尽きる。実は絶対的パワーもモード燃費も旧型ノートe-POWERはライバルのトヨタ・アクアやホンダ・フィット・ハイブリッドに敵わないか同等レベル。

 室内は広いが、ライバルが全長4m以下なのに、旧型ノートは全長4.1m。e-POWERを除くと特別すごくはなかった。

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 良さは乗るとわかる。

 アクセルを踏んだとたんに発進するそのレスポンスは、他のハイブリッドにはないレベル。

 日産が「ひと踏み惚れ」と名付けたワンペダル運転も面白かった。アクセルオンで加速するのは当然、オフと同時に減速するモードがあり、そのままでいると完全停止までできるのだ。

リア.jpg

 結果として、急ブレーキを踏まない状況ならアクセルだけで操縦でき、運転感覚は非常に新しい。

 それがノートe-POWERを2018年の登録車年販No.1に導いたのだ。

●印象的なドライブフィールと気になる点

 待望の新型、見た目から中身までほぼ違う。

 プラットフォームは同時発売のルノー・ルーテシアと共通のCMF-B。

 エクステリアはオーガニックで柔らかな面構成を持ち、少しフランス車っぽい優雅なフォルムをしている。

 ボディサイズは珍しく全長が55mm、ホイールベースが20mm短くなり、取り回しが良くなった。

真横.jpg

 一方、ラゲッジ容量は同等で、リアシートは厳密にはヒザ前スペースがコブシ半分程度減っているが、大人3名が普通に座れる。

 スペース効率は上がったと考えていいだろう。

 インテリアは全体に上質かつモダンになった。

 インパネ表皮に高級なソフトパッドは使われてないが樹脂の質感は高く、とくに小沢が乗った上級グレード「X」は、シート表皮が本革調な上、太めのパイピング調加工がなされ、これまた質感が高い。

ダッシュ斜め.jpg

 インパネにアナログメーターはなく7インチのデジタルメーターとオプションで9インチのセンターディスプレイが付けられる。

 シフトも独特の「お寿司」とも呼ばれるカタチをした電子式だ。操作はカチカチと決まって、なかなかキモチがいい。

 そして肝心の新型e-POWERの走りである。

 モーターは先代比でトルクが10%、パワーが6%向上。116psの最高出力と280Nmの最大トルクを発揮し、スペックは上がった。モード燃費も向上し、WLTCモードで最良29.5km/L。

エンジン.jpg

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 ところが走らせてみると意外で、初代のようなビリビリくるほどの電動感はない。

 アクセルを踏んだ時のレスポンスは相変わらずいいが、加速感は同等で、それどころか滑らかさが上がった印象。

 さらに驚いたのはアクセルをオフにした時の減速感。

 これは3段階あるドライブモードと、シフトをDに入れるか、Bに入れるかで微妙に変わるが、確実に旧型より穏やか。なによりもアクセルオフで完全停止しなくなった。

 正直、新型ノートe-POWERの振るまいには驚いた。

 旧型は極端に電気的な加速感が高い人気に結びついたので、新型はそれ以上にレスポンスを高めたり、加速感を高めてくると思ってたが逆。

 走りが独特のフィーリングを保ちながら上質化しているのだ。

前席.jpg

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 しかもこれが最初に乗った時は、多少拍子抜けするが、乗れば乗るほど思いどおりにコントロールでき、疲れずキモチよく運転できるとわかってくる。

 自分はこの時点で、新型ノートe-POWERがまたまた売れるな、と感じたが、1つ気になるポイントも発見した。

 それは価格である。この世代から純粋なガソリン車がなくなり、e-POWERに一本化され、スタートプライスが200万円以上になった。

 さらに、運転支援のプロパイロットが218万円スタートのXグレードにしか付けられないのだ。

 正直、価格的には旧型に比べ上がったと思うが、より上質で疲れない新型e-POWERの走りは魅力的といわざるを得ない。

 とくに昨年登場した同じ2モーターハイブリッドを持つホンダ・フィットと比較するとどちらを選ぶかは悩みのタネ。

 今度、直接比較を試みる予定なので、ぜひご期待いただきたい。

ラゲッジ.jpg

ラゲッジ下.jpg

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