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F1 ブラジルGP ホンダが1991年以来の1-2フィニッシュ達成!フェルスタッペン今季3勝目

Writer:横田康志朗 

 現地時間11月17日、シーズン残り2戦となった2019年シーズンのFIAフォーミュラ・ワン世界選手権、第20戦ブラジルGP(インテルラゴス・サーキット)の決勝において、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今季3勝目の優勝を果たした。またトロロッソのピエール・ガスリーが2位表彰台を獲得し、Hondaパワーユニット勢が1991年以来の1-2フィニッシュを果たした。

1.jpg▲PPスタートのAston Martin Red Bull Racingのマックス・フェルスタッペン(左)が今季3勝目を挙げ、Red Bull Toro Rosso Hondaのピエール・ガスリー(右)が2位表彰台獲得

ブラジルGP決勝。開催日は本田宗一郎氏の誕生日でもあった

 サンパウロでは、セナの没後25年目にあたる今年、グランプリに合わせ「アイルトン・セナ・トリビュート・イベント」が行われ、1994年に事故死を遂げたセナの事を思い慕った。

 前日の予選でポールポジションを獲得したのはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン。(前戦メキシコGPではポールを獲得したものの、ペナルティでその後取り消されたため)ホンダにとって2019年シーズン2度目、ブラジルGPでのポールは1991年にマクラーレン・ホンダ在任中だったアイルトン・セナが獲得して以来28年ぶりの快挙となった。2位はフェラーリのセバスチャン・ベッテル、3位にメルセデスのルイス・ハミルトンと続いた。

 気温20度、路面温度は49度、シグナルがブラックアウトしスタートすると、フェルスタッペンは2コーナーまでにホールショットを獲得。ハミルトンはベッテルをアウトからかわし2番手に浮上。大きな混乱なくレースのスタートが切られた。

5.jpg▲1位を死守するフェルスタッペン。後方ではハミルトンがアウト側からベッテルに襲い掛かった

 予選10グリッド降格ペナルティで、14番グリッドスタートだったフェラーリのシャルル・ルクレールはオーバーテイクを連発し、2周目には10番手まで浮上。その後もグロージャン、ライコネンとパスして行き、7周目には7位まで上げてみせた。

首位のフェルスタッペンはファステストラップ連続して出す走りでハミルトンとの差を引き離していった。

1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ベッテル、4位バルテリ・ボッタス(メルセデス)、5位5番手アルボン(レッドブル・ホンダ)、6番手ガスリー(トロロッソ・ホンダ)、7位ルクレールという順位に。

12.jpg▲インテルラゴス・サーキットは一周約4.3km、F1マシンは一周約70秒で走行する

フェルスタッペン、ピットレーンであわや接触寸前

 8周目のターン4でルノーのリカルドがハースのマグヌッセンのインを突くが両者は接触。マグヌッセンはスピンオフして最後尾まで落ち、リカルドはフロントウイングにダメージを負って修理のためピットストップした。このインシデントに対しリカルドに5秒加算ペナルティが科された。

 前日より暑いコンディションとなった決勝レース、どのチームも慎重な走りに徹する中、18周目にフェルスタッペンはタイヤのグリップ低下を訴えペースが落ちてくる。

20周目、2位を走るハミルトンがタイヤ交換のためピットイン。フェルスタッペンにアンダーカットを仕掛ける。首位フェルスタッペンはこれに対応する形で21周目にピットインする。ピットクルーはF1史上最速の1.89秒でタイヤ交換を完了!しかし、ピットアウト時にウイリアムズのロバート・クビサがタイミング悪く前にたちはだかってしまった。

クビサとあわや接触しそうになりながらプッシュするフェルスタッペンだったが、ハミルトンの後方でコースに戻ることになってしまった。

9.jpg▲23周目、複合の1-2コーナーでインをつき、ハミルトンを抜きにかかるフェルスタッペン

コース上で再び抜き返す!

 タイヤ交換がまだのルクレールを抜くのに手間取ったハミルトンに対して、23周目にフェルスタッペンがDRSを使い一気に差を縮めた。そして1コーナーでハミルトンのインをつき、コース上で華麗に順位を奪い返した。

その次の周に、中盤勢トップを走っていたガスリーがピットインしてミディアムタイヤに交換。フェルスタッペンとハミルトンはソフトタイヤを履いて2ストップ作戦を選択したが、一方ベッテル、ボッタス、ルクレールは第1スティントを引っ張って硬めのタイヤに交換をして1ストップ作戦の可能性に賭けた。

18.jpg▲トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー選手。レース中盤は中団勢トップの位置を守り走っていた

メルセデス、ボッタスにアクシデント

 71周レースの中盤の52周目、5位を走っていたボッタスの後方から白煙が上がり、53周目のターン3でマシンストップしてしまった。これにより車両を撤去するまでの間セーフティーカーが導入。首位のフェルスタッペンはすかさずピットインしてソフトタイヤに交換。一方ハミルトンはステイアウトを選び、ハミルトンが首位に躍り出た。

後方ではピットインのタイミングに恵まれたアルボンが4番手に浮上、ガスリーは6番手を維持し60周目にレースが再開された。

 フェルスタッペンは再開直後のターン1でアウト側からハミルトンを豪快にパスして首位を再び奪い返し、ターン4ではアウト側に並びかけたハミルトンだったが、しっかりと抑え込んで首位をものにした。

後方では4位アルボンがターン1でアウトからベッテルを抜き去って3番手に浮上してみせた。

10.jpg▲アレクサンダー・アルボン選手は60周目に3番手へ浮上。2位ハミルトンを追い上げる

あってはならない事が...

66周目、フェラーリ同士のバトルが巻き起こる。ベッテルはターン1でインに飛び込んだルクレールにポジションを奪われるが、ターン3出口でDRSを使って再び抜き返す。サイドバイサイドになって走行する中、なんとベッテルの左リヤとルクレールの右フロントが接触してしまう。

これでルクレールのサスペンションが折れ同時にタイヤがバースト、コースアウトする。ベッテルのマシンも左リアタイヤがパンクして、破片がボディフロアを大きく壊し部品をコース上にまき散らしながら、コース脇にマシンをストップさせた。

レースは再びセーフティカーが導入された。

24.jpg▲ペースカー先導の元、1位フェルスタッペン、2位アルボンと続く

 セーフティカーに合わせてハミルトンはピットに飛び込んでソフトタイヤに交換。4位でコースへ復帰する。この時点で順位は1位フェルスタッペン、2位アルボン、3位ガスリー、4位ハミルトンとなり、フェラーリ2台の撤去が行われた。

 レースも残り2周のところでセーフティカーがアウトしレース再開。リスタートと同時にターン1で4番手のハミルトンはガスリーを抜いて3番手へ浮上。2位のアルボンを追う。

しかしターン10でアルボンのインに飛び込んだハミルトンは、この時アルボンと接触。アルボンはスピンしてしまい、最後尾まで順位を落としてしまった。ハミルトンもマシンをフロント翼端板にダメージを追い少しスローダウン、ガスリーがハミルトンの前を奪い2位へ浮上、ファイナルラップへ突入する。

16.jpg▲ガスリーがハミルトンと0.062秒差で2位でチェッカーを受ける!

 フェルスタッペンはそのまま首位でチェッカー受け今季3勝目を獲得。ガスリーとハミルトンはお互い差がないまま走行、ターン12でハミルトンが一瞬並んだものの、ガスリーが再び前に立ち、最終コーナーからの立ち上がりでガスリーがハミルトンに抜かせずで2位でチェッカードフラッグを受けて初表彰台を獲得!ホンダは1-2フィニッシュを果たした。

3.jpg▲レース後、並ばれたホンダの2台のマシン

■HONDA F1テクニカルディレクター 田辺豊治 コメント
「アイルトン・セナ選手の母国初優勝となった1991年以来のブラジルGP優勝を果たすことができました。チームの素晴らしい戦略と合わせて、フェルスタッペン選手の本当に果敢かつ冷静なレース展開の判断により勝ち取った勝利だと思います。シーズン終盤での3度目の優勝はまた一つ、私たちに大きな力をくれると思っています。また、初表彰台となったRed Bull Toro Ross Hondaのガスリー選手についてもすべてを出し切り、チームに今年2度目となる表彰台を獲得してくれました。終始力強い走りで、最後はハミルトン選手を振り切っての2位は我々、そして彼にとって大きな自信につながるものだと思います。特に今シーズンは苦しんできただけに、本当におめでとうという思いです。今回は両チームが非常にコンペティティブなマシンを仕上げてくれたことはもちろんですが、我々のパワーユニットもドライバーに力を与えることができたと思っています。今日は次の最終戦、そして来シーズンにつながる非常にいいレースになりました。この結果を今日が誕生日の本田宗一郎さんに捧げます。最後に、表彰台を獲得したマクラーレンにもおめでとうの言葉を送ります」

■HONDA F1 チーフエンジニア (TORO ROSSO担当) 本橋正充 コメント
「今日のレースは、最後まであれだけの接戦を制しての2位ということで、感無量です。また、Scuderia Toro Rossoとのシーズン2度目の表彰台獲得ということもあり、特別な想いです。今週は金曜からパワーユニットにトラブルが出ていたりもしましたが、チームやドライバーの協力のおかげでなんとかリカバリーできました。ガスリー選手については昨年のToro Rossoとのプロジェクトスタートから2年間一緒にやってきて、昨年は4位といういい結果を出すことができました。ただ、今年は彼自身、チームの移籍などもあり苦しい時間があったと思います。Toro Rossoに戻ってきてからは徐々に調子を上げてきての今日の結果ですので、本当におめでとう、ありがとうという想いです。いい結果を出すことはできましたが、Hondaとしてはまだまだ高いところを目指さなくてはいけないと思っていますので、ここからも進歩を続けていければと思っています」

4.jpg▲マックス・フェルスタッペン選手(レッドブル・ホンダ)

■マックス・フェルスタッペン コメント
「今日このような形で勝てたことは素晴らしい気分ですし、チームの努力のたまものだと思います。今日はクレイジーなレース展開でいろいろなことがありましたが、僕は常にいいペースで走行でき、大事なところで何度もメルセデスをオーバーテイクすることができました。簡単なレースではなかったですが、チームが適切な戦略を立ててくれました。特に終盤のセーフティカー中のソフトタイヤへのスイッチは今日僕たちが勝つために大きなキーになりました。僕はいつも完璧を目指して仕事をしていますし、チームもいつも完璧なピット戦略とともに戦おうと努力をしていますが、今日はそれが完全にかみ合ったと感じています。昨年の(惜しくも勝利を逃した)レースを思うとよかったという部分もありますが、それ以上に完璧なレース展開と全員で勝ち取った勝利という意味で素晴らしい勝利でした。HondaのPUについては、今日だけでなく週末を通して非常にいいパフォーマンスを見せていました。また一歩前に進むことができたので、Hondaのみんなに感謝しています。アルボン選手とチームにとっては最後に表彰台を逃すことになり非常に残念でしたが、一方でガスリー選手とToro Rosso、そしてHondaにおめでとうの言葉を贈ります」

17.jpg▲ピエール・ガスリー選手(トロロッソ・ホンダ)

■ピエール・ガスリー コメント
「僕にとってF1で初めての表彰台をToro Rossoと共に獲得できて、本当にうれしいです!毎戦さまざまな戦いをしてきましたが、いつも『その時がくればきっと叶うはず』と信じていましたが、今日実現できました。本当に素晴らしく、色々な感情が入り混じった気分です!チームのことはいつも『イタリアの家族』だと思っていましたし、彼らの情熱と、常に最大限までプッシュする姿勢が大好きです。今日の結果は、僕が彼らの日頃の努力にお返しできる、最高の感謝のプレゼントです。F1で走ることを夢見て、そしてその表彰台を目指してきました。でも、いざそれが叶った今は抱えきれないほどの色々な感情でいっぱいになり、何と表現していいか分からないくらいです。言えることは、今日が人生最高の日だということでしょう。僕がレーシングドライバーを目指してから支えてくれたすべての人に感謝しています。皆さんのおかげで今日の表彰台を獲得することができました、ありがとうございます!」

 レースリザルトは、3位でフィニッシュしたハミルトンにアルボンとの接触の5秒ペナルティが科され、3位サインツ、4位ライコネン、5位ジョビナッツィ、6位リカルド、7位ハミルトン、8位ノリス、9位ペレス、10位にクビアトという結果になった。アルボンは14位でフィニッシュ。レーシングポイントのランス・ストロールはフェラーリの同士討ちで落ちたデブリを踏み最終ラップにリタイヤ。19位で完走扱いとなりレースを終えた。

 次戦F1最終戦アブダビGPは12月1日(日)にヤス・マリーナ・サーキットにて開催される。

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