PIRELLI 2020年ピレリカレンダー テーマは「ジュリエットを探して」

 2020年ピレリカレンダーが、ヴェローナのフィラーモニコ劇場で発表された。イタリアの写真家パオロ・ロヴェルシ(Paolo Roversi)氏が製作に携わり、テーマは「ジュリエットを探して」となる。

p2.jpg▲2020年ピレリカレンダー ヴェローナのフィラーモニコ劇場で披露

 美しい写真の芸術性や、トップアーティスト達を起用することで毎年話題を集め、アート作品としても名高いタイヤ会社ピレリのカレンダー。通称「The Cal™」。今年も、顧客限定のカレンダー発表会のためだけに豪華なパーティが開催された。

 2020年のテーマは「ジュリエットを探して」。パオロ・ロヴェルシが、シェイクスピアの時代を超えた戯曲からインスピレーションを得て製作された。この The Cal™第47版の主人公として選んだのは、クレア・フォイ(Claire Foy)、ミア・ゴス(Mia Goth)、クリス・リー(Chris Lee)、インディア・ムーア(Indya Moore)、ロザリア(Rosalia)、ステラ・ロヴェルシ(StellaRoversi)、クリステン・スチュワート(Kristen Stewart)、エマ・ワトソン(Emma Watson)で、彼女達とともに「どの女性にも内在するジュリエット」を追求した。

p6.jpg▲2020年ピレリカレンダー「ジュリエットを探して」

 今年は、初めてカレンダーにショートフィルムが付属しており、写真と映画が融合されている。18分間の映画の中で、パオロ・ロヴェルシは映画監督として自分自身を演じ、ジュリエット役の候補者にインタビューする。候補者は、一人ずつ、監督のレンズの前で、幅広い感情と表現で多面的なキャラクターを演じる。

p3.jpg▲Claire Foy(動画「Pirelli TheCal2020 Backstage」より)
 シナリオは2つのフェーズで展開され、フェーズ1は、主人公達がメイクや衣装なしでセットに到着する様子だ。彼女らは座って、進行中のプロジェクトについてロヴェルシと語らい、それぞれが役をめぐって競い合い、監督に彼女らのパーソナルな経験や心に描くジュリエットがどのようなものかについて話す。このようにして、女優達は個人的な内面を垣間見せる。

フェーズ2では、女優たちは、個人的なジュリエットの解釈を表現するために用意された衣装を着用する。この構想は、もやのかかった写真のように、現実とフィクションとの区別を曖昧にして物語を描くことだったそうだ。

p5_Claire_Foy.jpg▲Claire Foy

ロヴェルシは次のように語る。
「私は純粋な魂を探していました。強さ、美しさ、優しさと勇気を兼ね備えた無邪気な人を。私は、エマとヤラ、インディアとミアのしぐさや言葉に、クリステンとクレアの笑顔と涙の中に、クリスとロザリアの声と聖歌の中にその光を見出しました。ステラにはイノセンスがあります。すべての女性の中にジュリエットがいるのです。ですから、私はジュリエットを探し続けます」

2020年ピレリカレンダーは、昨年5月に、初のイタリア人フォトグラファーにより撮影が行われた。ロヴェルシが撮影の舞台に選んだのはヴェローナと自身が40年間住んでいたパリだった。長年の情熱的なオペラ愛好家として、ロヴェルシは、オペラ台本に深く触発されたユニークなグラフィックデザインで作品を創造することを望んだ。

p7.jpg▲Paolo Roversi(動画「Pirelli TheCal2020 Backstage」より)

 2020年のカレンダーは132ページで構成され、表紙には毎月のカレンダー、シェイクスピアのロミオとジュリエットのセクション、および物語の主人公とヴェローナの街を撮影したカラーと白黒の58枚の写真が納められている。

 ジュリエットの物語を永遠に包み込んだカバーには、宇宙を表現する天空が描かれており、表紙と裏表紙には金色の文字で、ジュリエットの生年月日、ロミオとの最初の出会い、結婚式、そして彼らの最期についての記載が刻まれる。これらの日付に、カレンダーに登場するスターたちの生年月日が加えられ、彼女たちの名前は、表紙の星座の中に散りばめられ、ロマンティックな天空が創出された。

 2020ピレリカレンダーのキャラクターや舞台裏のストーリーとともに、写真撮影や撮影中の多くのバックステージについては、専用サイト www.pirellicalendar.com で観ることが可能だ。 本サイトでは、The Cal™の 50年以上の歴史を、インタビューや写真・動画で紹介している。

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