ニュル北コース7分40秒!! MRスポーツの神髄とは

ポルシェ718ケイマンGTS 試乗記

ケイマン01.jpgポルシェ718ケイマンGTS 価格:6MT 999万円/7SMT 10532000

GTSは「走りのオプション」標準装備

 911が、モデルチェンジを受けるたびにパフォーマンス面でも価格面でも、従来以上に「スーパースポーツカー」にキャラクターを変えつつある中、718ケイマンは、ポルシェを代表する新たなピュアスポーツカーとして存在感を高めている。

 GTSはフロントセクションを911と共通構造としながら、純粋な2シーターでミッドシップレイアウトを採用した718ケイマンのハイパフォーマンスモデルだ。ベースグレードはSで、「走りのオプション」の標準装備化とエクステリアの専用コスメティック、アルカンターラを多用したインテリアによって、スポーティなイメージをいっそう鮮明にした。

ケイマン02.jpg718ケイマンGTSはベース車のSグレード比15psパワフルな365psユニット搭載 ニュルブルクリンク北コースで997後期型GTSと同じ740秒のラップタイムを記録

走り鮮烈。「最強のケイマン」

 パワーユニットは2.5リッターの水平対向4気筒DOHC16Vターボ。最高出力は、Sの350psに対して365psにアップしている。出力向上はインテークチャンバーのデザイン変更と、ターボチャージャーのコンプレッサー径拡大(6468mm)の成果だ。

 トランスミッションは7速PDKと6速MTの2タイプを設定。試乗車は2ペダルのPDK仕様だった。

 走りはじめると、「ターボラグ」をいっさい感じさせない機敏なエンジンレスポンスと全力加速時の圧倒的パフォーマンスに、「最強のケイマンだ」と実感した。

 駆動輪(後輪)に荷重がしっかりとかかり、際立つトラクション能力を発揮する特性は、「ポルシェのスポーツカー」ならではのフィーリングといえる。トップスピードは290km/hに達し、0100km/h加速は4.3秒でクリアする。

ケイマン03.jpgステアリングは外径360mmのスポーツ形状 4種の走行モードはステアリングのボタンで操作する

素晴らしい走りの質感、完成度

 試乗車は、標準の電子制御式減衰力可変ダンパー、PASM装着モデルよりもさらに10mmのローダウンが図られた、PASMスポーツシャシーを装着していた。それでもフラット感に富んだ乗り味は十二分に快適で、荒れた路面の街乗りでも我慢を強いられるような印象はまったくない。

 細かな路面の凹凸はサスペンションが巧みに吸収し、ボディ振動は強固なボディ骨格が即座に減衰させる。ミッドシップスポーツらしい自在感に富んだハンドリングとともに、固めながらも不快感を伴わない乗り味を提供してくれる点が素晴らしい。パフォーマンスに優れるだけでなく、「走りの質」という面でもポルシェのスポーツカーを名乗るにふさわしい完成度を誇る。

 718ケイマンは、911に匹敵する存在感を発揮している。中でもGTSグレードは、高いパフォーマンスで名実ともにシリーズを代表するスプリンターだ。

ケイマン04.jpgGTSはサポート性に優れたスポーツシート標準 乗り心地はしなやかで快適

※次ページでスペックを紹介

ポルシェ718ケイマンGTSPDK)主要諸元

ケイマン05.jpg

価格=7SMT 10532000
全長×全幅×全高=4385×1800×1285mm
ホイールベース=2475mm
トレッド=フロント1515×リア1540mm
車重=1430kg
エンジン=2497cc水平対向4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=269kW365ps)/6500rpm
最大トルク=430Nm43.9kgm)/19005000rpm
JC08モード燃費=11.4km/リッター(燃料タンク容量64リッター)
サスペンション=前後ストラット
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント23535ZR20/リア26535ZR20+アルミ
駆動方式=MR
乗車定員=2
最小回転半径=5.2m
パワーウエイトレシオ=3.92kg/ps
トルクウエイトレシオ=32.57kg/kgm
価格とスペックは20194月現在
撮影協力:マースガーデンウッド御殿場

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