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フレンチスポーツの誇り。復活MR2シーターがスゴイ!

Writer:森口将之 Photo:小久保昭彦

アルピーヌA110ピュア 試乗記

アルピーヌA110-01.jpgアルピーヌA110ピュア 価格:7SMT 790万円

スタイリングは名車のイメージ

アルピーヌA110で印象的なのは、1962年から15年にわたり作られたクラシックA110に「ウリふたつ」といいたくなるスタイリングだろう。

 丸型4灯のヘッドランプやサイドに回り込んだリアウィンドウの処理だけではない。フロントフードやサイドパネルのキャラクターラインまでクラシックA110を忠実に再現している。旧型のアイデンティティとなっていた部分をじっくり検証した新型は "名車の系譜を継承したリアルスポーツ"の風格を手に入れた。

 造形以外にも、新しいA110には見るべき点がいくつもある。まず圧倒的な軽量設計。全長×全幅×全高4205×1800×1250mmという、ミドルスポーツに属するサイズだが、車両重量はベーシックグレードのピュアで1110kg。プラットホームとボディにアルミを使い、超軽量というアルピーヌの伝統を継承した。

 乗降性はよく、キャビンは身長170cmのパッセンジャー2名が楽に過ごせる。良好な視界にも感心した。ミッドシップのスポーツカーで気になる斜め後方をはじめ全方位でワイドビューが得られる。適度なサイズのラゲッジスペースが前後にあり、最新スポーツカーに求められる実用性をしっかり押さえている。

アルピーヌA110-02.jpgA110の前後重量配分は4466 Cd値は0.32 トップスピードは250km/h(リミッター作動) 0400m加速は12.3秒/01000m加速は23.2秒でクリア

駆動方式はMR。エンジンは1.8リッター・ターボ

 キャビン背後に横置きされるエンジンは1.8リッター直列4気筒ターボ。7速デュアルクラッチトランスミッションを介して後輪を駆動する。最高出力は252ps/6000rpm、最大トルクは32.6㎏m/2000rpm。スペックは基本設計を共有するルノー・メガーヌRS279ps/39.8㎏m)より控えめとなっている。

 エンジンのマナーは素直。気難しさはまったくない。一方、アクセルペダルを深く踏み込めば、クラシックA110を思わせる野性的なサウンドを響かせながら、爽快なダッシュを演じる。パドルを使った変速は小気味よく、リズミカルなスポーツ走行が堪能できる。

 高速道路での直進安定性は、日本の法定速度レベルでは何の問題もない。A110のボディはエアロパーツのたぐいをほとんど持たないが、フラットな床下と後端のディフューザーで、十分なダウンフォースを生み出している。

 トランスミッションを自動変速モードに入れておけば、多くのシーンでトップギアにホールドされる。高い静粛性は印象的。時に安楽さに身を委ね、時にパフォーマンスを堪能しながらの高速巡航が堪能できる。

 乗り心地は街中ではやや固さを感じることもあるが、速度を上げれば、しなやかさにあふれる。シートは一見シンプルだが、サポート性に加えて快適性も高水準。ショックを巧みに吸収してくれる。

アルピーヌA110-03.jpg室内は適度にタイトな快適空間 視界は全周で広く車両感覚はつかみやすい ハンドリングはシャープでコントローラブル

痛快! 意のままのハンドリング!

 A110の最大の魅力はフットワークにある。クルマの重心位置とドライバーの腰の位置を一致させるため、補機類の配置まで慎重に検討したというこだわりが大きな魅力を生み出した。クルマの動きは、ドライバーの意思と見事に一致する。意のままに動く「シンクロ感」は最高だ。

 サーキットやワインディングロードでは、ボディサイズと軽量性がプラスになる。ステアリングレスポンスは意図的に鋭くした設定ではないが、ボディは間髪を入れずに「スッスッ」と向きを変える。人工的な演出ではない、自然な身のこなしがとにかく心地よい。

 コーナー入り口でブレーキを強めにかけることでノーズの動きをクイックにしたり、立ち上がりでアクセルペダルを深く踏み込んでリアのトラクションを感じるのは容易。ハンドリングは、ドライバーが積極的に楽しさを探り出していける懐の深さを持っている。

 ピュアとリネージのグレードによる走りの違いも興味深かった。エンジンとサスペンションは共通だが、シートの作りが異なり、ホイールはピュアの鍛造タイプのほうが軽く幅はワイド。結果、ピュアのほうが身のこなしは軽快で乗り心地はしなやか。それに比べるとリネージは落ち着き感で勝る印象だ。

 新生アルピーヌA110は、乗れば乗るほど引き込まれていく。スポーツカーの本質に忠実で、走りの喜びが実感できる稀有なキャラクターの持ち主だ。

アルピーヌA110-04.jpgピュアは1脚13.1kgの軽量サベルト製バケットシート標準 リクライニング機構未装備 乗り心地は快適

※次ページでスペックを紹介

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