ー 

高回転で伸びるパワー。いい汗が掛けるFRスポーツ

Writer:西川 淳 Photo:小久保昭彦

BMW M2コンペティション 試乗記

M2-01.jpgBMW・M2コンペティション 価格:6MT 876万円/7SMT 901万円

M2はかつてのM3の現代版

 M2は、ドライビングファンなFRクーペとして、スポーツ派ドライバーの垂涎のマトだ。ボク自身は、「憧れのM3の現代バージョン」と感じている。M2のボディサイズは全長×全幅×全高4475×1855×1410㎜。ボクが若いころにほしかったE46型M3(2001年デビュー/同4490×1780×1370㎜)とほとんど同じで、しかも珠玉のストレート6エンジンを搭載しているからだ。いまでは希少な3ペダルの6速MTが選べる点もうれしい。

 ただし、これまでのM2には、ちょっぴり気になる点があった。マニアックな話になるが、従来型のM2に搭載されていたN55B30A型3リッター直6DOHC24Vターボ(370ps/47.4㎏m)は、専用開発ユニットではなかったのだ。M社製スペシャルパーツをふんだんに使った高性能エンジンではあったものの、型式名はあくまでも「N55」であり、標準車やMパフォーマンスグレードと同類のパワーユニット、というのが実状だった。

 しかしM2コンペティションは違う。エンジン型式名は、上級モデルのM3やM4と同様のS55B30A型。M専用開発ユニットに変更された。スペックは410ps/6250rpm、56.1kgm/2350〜5230rpm。従来比で40ps/8.7kgmもパワフルだ。MT仕様のパワーウエイトレシオは3.93kg/ps、トルクウエイトレシオは28.70kg/kgm。ともにクラストップ級の数値をマークする。M2コンペティションは、絶対的ともいえるパワーをはじめ、スポーツ性能を支えるストーリー性という点でもユーザーの心をわしづかみにする存在になった。

M2-02.jpgM2コンペティションはM社専用開発3リッター・ストレートシックス搭載 0→100km/h加速は4.2秒でクリア アクティブMデファレンシャル標準

走り豪快!高回転域のエンジンフィールは最高

 足回りやシャシー関係の変更点は、アクティブMデファレンシャル、DSCリセッティングなど最小限。見た目でコンペティションだと識別するポイントは、ドアミラーや新造形の19インチ鍛造アルミなどわずか。従来のM2M2オーナーなら、フロントマスクの微妙な変化に気づくかもしれない。フロントバンパー左右のダクトへのエア吸入量を増やすため、コンペティションはエプロンがやや小さくなり、3本のエアスリットが入る。

 肝心の走りの違いはどうか。一般道を軽くドライブするようなシーンの場合、従来のM2との大きな違いを感じるチャンスはない。相変わらず弾性のきいたフラットな乗り心地で、街乗りから高速クルーズまで快適にこなす。
 もちろん、40psアップの力強さは明らかで、確実にパワフルになった。けれども、そもそも従来のM2が搭載していたN55型であってもパワーは十分だったから、「コンペティション用S55型でなければならない」と思うまでには至らない。

 峠道やカントリーロードに舞台を移す。ドライバーの気持ちが自然と浮き立つ点は、いままでと同様。アップテンポな走りは得意中の得意で、快適性は素晴らしい。

 サーキットのように最高出力がものをいうスポーツドライビングに徹すると、エンジンパフォーマンスの差ははっきりと表れる。高回転域におけるエンジンフィールとパンチの強さは、従来とまるで違う。
 6250rpmの最高出力発生回転数を超えてもパワーは頭打ちにならず、アクセルを踏み続けると、トップエンドでもうひと伸びする感覚がある。広範囲にわたってトルクフルな性能は、テクニカルサーキットやワインディングロードでは頼もしいかぎり。

M2-03.jpg室内はカーボンインテリア加飾が精悍な印象を演出 本革巻きスポーツステアリングに走行モードを切り替えるMボタンを配置 8.3インチ・ワイドモニターHDDナビ標準

MTはワインディング路で魅力が光る!

 410psのエンジンパワーをフルに解き放ち、「スピード」だけを追求するのであれば、2ペダルの7速DCTをお勧めする。とくにサーキットのような速度域の高いシチュエーションでは、2ペダルのメリットは大きい。

 峠などでスポーツドライビングを満喫するなら3ペダルの6速MTのほうがベターだ。MTは日常的なドライビングでも心地よいスポーツフィールが満喫できる。ドライビングを面白いと感じさせるトランスミッションだ。トルクが低回転からしっかり供給されるから、ずぼらなシフト操作でもさほど不便は感じない。実に扱いやすいのだ。
 ただしサーキット試乗となると、MTの操作にはそれなりのテクニックを要する。シフトアップで段を飛ばすケースもある。もう少しショートストロークでポジションが明確なほうが、ボクの好みには合っている。M2-04.jpg前席はヘッドレスト一体デザインのバケット形状 スポーツ走行時のホールド性は高い シート素材はダコタレザー 後席はトランクスルー機構付き

※次ページでスペックを紹介

1  2

Related Article新車情報もっと読みたい

What's News最新情報

Rankingランキング

Informationインフォメーション

クラウドローン
自動車保険一括見積もりご利用で選べるぐるめカード(550円分)全員にプレゼント!
会員登録 受付中

New Magazine最新号

CAR and DRIVER
2021年12月号

  • ・新型レクサスNX
  • ・新型トヨタ・カローラクロスとライバル
  • ・特集 トヨタSUVワールド

CAR and DRIVER(カー・アンド・ドライバー)最新号

最新号の詳細はこちら

New Car新車紹介

新車紹介全てを見る

Press Releaseプレスリリース

プレスリリース全てを見る