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トップスピード305km/h! 進化型スーパースポーツのカタチ

Writer:西川 淳 Photo:小久保昭彦

ランボルギーニ・ウルス 試乗記

ウルス01.jpgランボルギーニ・ウルス 価格:8SAT 28161795

ランボルギーニ初の市販ターボモデル

 ウルスという名の語源を知れば、この新型スーパーSUVに期待される役割がわかる。英語でいえば、オーロックス。家畜牛の先祖にあたる野生牛の呼称で、もちろん、その血統には歴代ランボルギーニが名前を拝借してきた闘牛たちも連なっている。

 要するに、ウルスはグレートマザーを意味している。経営面では、今後ランボルギーニが送り出すトラディショナルミッドシップスポーツの"経済的な母"の役割が期待されている。ウルスが成功すればするほど、ランボルギーニの次世代スーパーカーは完成度が高くなる。

 ウルスは、ランボルギーニ初の市販ターボモデルだ。4リッター直噴V8ツインターボ+8速AT+フルタイム4WDというアウディ・グループでおなじみのパワートレーンを採用した。最高出力は650ps0100km/hを3.6秒で駆け抜け、最高速度は305km/hに達する。まさに"背が高いスーパーカー"だ。

 4WDシステムのトルク配分は通常時で前後4060とやや後輪寄り。走行と路面状況に応じてフロントは最大70%、リアには最大87%まで振り分ける。機能面は後輪ステアリング機能(4WS)やアクティブトルクベクタリングの装備も重要なポイントになる。

ウルス02.jpgウルスはランボルギーニ初の量産ターボ車 イタリアのサンタガタ・ボローニューエゼ工場で生産 日本では201810月からデリバリー開始

走りをアレンジする「タンブーロ」

 室内は、センターコンソールに操縦桿のようなデザインのレバーがある。"タンブーロ"だ。これは強力なパワートレーンと最新の車体制御システムを、走行環境に応じて最適モードに設定できるセレクター(モニター上でもセット可能)である。デザイン上のアピール力が強いだけでなく、パフォーマンス面でもウルスの見せ場のひとつだといっていい。

 ドライバー側には、ストラーダ(ノーマル)/スポーツ/コルサ(サーキット)という2シータースーパーカーと同じ走行モード切り替えに加え、テッラ(グラベル)/ネーベ(スノー)/サッビア(デザート)というウルス独自の路面モードを備えている。

 助手席側は「お好みのセッティング」用。パワートレーン、ミッション、サスペンションのそれぞれにソフト(ストラーダ相当)からハード(コルサ相当)まで3段階があり、ドライバーの好みに応じて組み合わせられる。

 ウルスのボディサイズは全長×全幅×全高5112×2016×1638mm。イタリアで試乗したときも「それなりに大きいクルマだ」と感じたが、日本で対面した第一印象は「まさに巨体」だった。不慣れな道を走っていいものかどうか、ちょっと不安になるくらいの圧倒的なスケール感だ。

 ところが、走りだした途端に不安は解消した。そして、「とびきりの乗用車」であるというイタリアのテストで得た感覚は、日本で試乗しても変わらなかった。

 視界はワイドで、車両感覚はつかみやすい。乗り味は洗練されている。SUVにしてはややソリッド感が強い乗り心地だが、段差やショックを上手に吸収し、フラットライドをキープする。ボディは頑強で、震えるようなシーンはない。強固な骨組みに囲まれているという安心感がつねにあった。足回りの動きがステアリングを介して手に取るようにわかるから、「ドライバーの操作に忠実に動く」という印象が先に立つ。

ウルス03.jpgインパネはナビ用とコンフォート機能用のツインモニタ--仕様 コンソール中央に走行モードセレクター"タンブーロ"を配置 ステアリング外径は375mm

「スーパーカーの究極のかたち」、それがウルス

 ノーズの動きは自然。クルマの先端までドライバーの意思が伝わっているイメージだ。だからボディサイズをあまり意識させないのだろう。ジェントルに走らせている限り、実に快適で平穏なツーリングが楽しめるGTカーである。

 だが、ウルスの真骨頂は決して「平和な走り」にあるわけではない。スポーツモードにセットし、アクセルペダルを思いきり踏み込んでみた。すさまじい加速に啞然とした。車体がふわっと浮くような感覚がまずやってきて、すぐさま背中を蹴飛ばされるように加速する。すさまじい加速フィールという点では、全高の低いスーパーカーとはまた違ったスリルがある。サウンドもすさまじい。

 ウルスは、家族で移動でき、荷物が積めて、道を選ばない(オフロード走破性も素晴らしい)世界最高水準の乗用車だ。そして、サーキットでも楽しいというスーパーカーらしいキャラクターでもある。どんな走行シーンにおいても抜きんでたパフォーマンスを見せるオールマイティ性を持ち合わせている。ランボルギーニが放ったスーパーSUVは、"スーパーカーの究極のかたち"かもしれない。

ウルス04.jpgキャビンはルーミー シートは本革 後席セパレート仕様(定員4名)はオプション 標準仕様の後席は3名掛け(定員5名) 乗り心地は全路面で快適

※次ページでスペックを紹介

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