激戦区に参入した新型アウディA6が提示する新価値とは

アウディA6アバント55TFSIクワトロSライン 試乗記

IMG_5826.JPGアウディA6アバント55TFSIクワトロSライン 価格:7SMT 1041万円 新型はアバントとセダンの2シリーズ 現在は3ℓ・V6を搭載する55TFSIのみ 近い将来に2ℓ直4モデルが登場予定

ライバルはメルセデスEBMW5シリーズ。アバントに試乗

 アウディA6がモデルチェンジし、C8と呼ばれる第5世代になった。ライバルはメルセデスEクラスやBMW5シリーズ。A6は欧州市場で絶大な支持を集める1台だ。
 A6は、日本では圧倒的にアバント(ステーションワゴン)のイメージが強い。試乗会に用意されたA6はすべてアバントだった。アウディのアバントといえば、スポーティな外観が魅力。新型はエンドピラーの傾斜が強まり、いっそうスタイリッシュになった。
 ボディサイズは全長×全幅×全高4950×1885×1465㎜。旧型(同4955×1875×1495㎜)とほぼ同等。ホイールベースは旧型比で15㎜長い。ラゲッジ容量は後席使用時で565リッター、4対2対4分割の後席を倒せば最大で1680リッターのフリースペースが広がる。BMW5シリーズ・ツーリングとほぼ変わらない大容量だ。しかも開口部が広い。電動リアゲートはバンパーレベルから大きく開き、重量物の積み込みが楽だ。
 試乗車は21インチアルミ(op39万円)を装着した55TFSIクワトロSライン。大径タイヤは、新型の造形上の特徴であるブリスターフェンダーとよく似合っていた。もっとも、全体的な乗り心地は、標準仕様の19インチタイヤのほうがベター。21インチはさすがにやや固い感触を示す。

IMG_5831.JPG全長×全幅×全高4950×1885×1465㎜ 車重1930㎏ サイズは旧型(同4955×1875×1495㎜)と同等 新型は4輪操舵機構をセットop(38万円)設定

アウトバーンの国生まれならではの高速安定性

 新型A6は48Vのマイルドハイブリッドシステムを搭載している。55グレードは3リッターV6DOHCターボ(340㎰/500Nm)に7速DCTを組み合わせる。
 クワトロ(4WD)システムは、A6でもついにセンターデフ方式を改めて多板クラッチタイプになった。これはフィードフォワード制御を取り入れるためと燃費向上が目的である。
 パフォーマンスは優秀。低速域から高速域までスムーズで、実に速い。まさにドライバーの意のままに走る。マイルドハイブリッドの利点は燃費だけではない。大型重量級ワゴン(車重1930㎏)のDCTモデルにもかかわらず、低速域でも変速にギクシャク感がまるでない。モーターアシストを巧みに使い、DCTならではのシャープな変速と上級モデルらしい滑らな走りを提供するアウディの技術力はさすがだ。
 高速域での安定感はずば抜けている。アウトバーンのある国に住んでいたなら、絶対にほしいと思うに違いない。それほど最高レベルの安心感を伴っている。
 それでいて、ワインディングロードも楽しい。4WSや可変ステアリング、可変ダンパーをセットしたドライビングパッケージ(op‌38万円)を装着した試乗車は、ボディサイズを気にすることなく走りが楽しめた。激戦クラスでいま、最もお勧めしたい1台だ。

IMG_5962.JPGインパネはシンプル形状 中央に10.1㌅ナビと各種コントロール用8.6インチ画面を配置 メーターはフル液晶バーチャルコクピット 作りは上質

IMG_5940.JPG本革スポーツシート標準 着座位置は低めの設定 乗り心地は固め 速度が上昇するほどフラットに変化

※次ページでスペックを紹介

アウディA6アバント55TFSIクワトロSライン主要諸元と主要装備

IMG_5847.JPGグレード=アバント55TFSIクワトロSライン
価格=7SMT 1041万円
全長×全幅×全高=4950×1885×1465mm
ホイールベース=2925m
トレッド=1625×1610mm
車重=1930kg
エンジン=2994㏄・V6DOHC24Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=250kW340ps)/52006400rpm
最大トルク=500Nm51.0kgm)/13704500rpm
JC08モード燃費=12.3km/リッター(燃料タンク容量73リッター)
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=25545R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5
最小回転半径=5.7m●主な燃費改善対策:筒内直接噴射/電子スロットルバルブコントロール/可変バルブタイミング/可変吸気バルブリフトシステム/マイルドハイブリッド/電動パワーステアリング/アイドリングストップ/電子制御7Sトロニックトランスミッション
主要装備:アウディプレセンス・リア&シティ(セーフティシステム)/カメラ&ディスタンスセンサー/リアビューカメラ/アダプティブドライブアシスト/アクティブレーンアシスト/アウディパーキングシステム/アウディドライブセレクト/LEDヘッドライト/ハイビームアシスト/Sラインバンパー/ハイグロスウィンドウモール/19インチ5アームアルミ/バルコナレザースポーツシート/レザーパッケージ/3本スポークレザーステアリング/MMIナビゲーション/マルチカラーアンビエントライティング/アウディコネクト/バーチャルコクピット/アウディサウンドシステム/デラックスオートマチックAC/パワーテールゲート/スポーツサスペンション
装着メーカーop:パワーアシストパッケージ(電動チルト&テレスコピックステアリング+パワークロージングドア)9万円/パノラマサンルーフ24万円/21インチYスポークアルミ39万円/リアコンフォートパッケージ(後席シートヒーター+4ゾーンオートAC+サンブラインド)26万円/バング&オルフセン3Dサウンドシステム18万円/アシスタンスパッケージ(クロストラフィックアシスト+サラウンドビューカメラ+カーブストーンアシスト+サイドエアバッグ+アダプティブワイパー)14万円/ドライビングパッケージ(ダイナミックオールホイールステアリング+ダンピングコントロールサスペンション+ダイナミックステアリング)38万円/プライバシーガラス7万円
ボディカラー:デイトナグレーパールエフェクト(op9万円
20193月デビュー 価格はすべて消費税込み リサイクル費用は19410
※スペックは20196月現在

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