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<新型スープラ特集>ベーシックグレード、SZの隠れた実力

Writer:河村康彦 Photo:小久保昭彦

トヨタ・スープラSZ 試乗記

IMG_8641.JPGトヨタ・スープラSZ 価格:8SAT 490万円 2リッター直4ターボ(197㎰)搭載 パワーウエイトレシオ:7.16㎏/㎰ 足回りとデファレンシャルはコンベンショナル仕様 車重はRZ110㎏軽量

500万円を切る最新スポーツの装備内容

 新型スープラのラインアップで、SZはベースモデルに位置づけられる。車両価格が500万円を下回る一方で、他グレードに標準の電子制御式可変減衰力ダンパーやアクティブデファレンシャル、パワーシートなどは未設定。組み合わされる2リッターの4気筒エンジンは197㎰の最高出力と320Nmの最大トルクを発生する。SZ―R用とはチューニングが異なり、スペックはそれぞれ61㎰と80Nmのマイナス。トランスミッションは8速ステップATを組み合わせる。
 外観面で他グレードとの最大の相違点は足元。タイヤはRZの19インチ、SZ―Rの18インチに対して17インチ。そして、このグレードだけがランフラットタイヤを装着している点は要注目だ。RZとSZ―Rはパンク時の対応策として応急修理キットを搭載している。

 電子制御式ダンパーが未装備で、ランフラットタイヤを装着したSZのフットワークは、他のグレードに比べて見劣りする。路面の凹凸を細かく敏感に拾い、ホイールベースが短いというマイナス面をRZやSZ―Rよりも強く意識させられる。乗り味は少々荒っぽく、ピッチモーションも目立つ。

IMG_8650.JPGSZのパフォーマンスはマイルドな印象 0→100㎞/h加速:6.5秒 ブレーキは17インチアルミフローティングキャリパーと前後330㎜径ディスクの組み合わせ

パフォーマンスは実用十分。価格は魅力的

 SZにランフラットタイヤを採用した狙いを、メーカーは「より安心して走りを楽しみたいユーザーを意識して」と説明していたが、ボクには納得できなかった。ランフラットタイヤが、走りの質感に少なからずマイナスの影響を与えていることは間違いない。

 SZR用エンジンとの印象の違いは、想像以上に大きかった。
 アクセル操作に対するパワー感は走りのシーンを問わず1ランク弱い。とくにその差は、高回転域にかけて広がっていく印象だ。0100㎞/h加速タイムが6.5秒というデータは実用上は、不足がない。
 だが「世界的な一級スポーツカー」として見ると、ちょっと物足りないスペックである。エンジンは、高回転域でもう少しのびやかさがほしい。
 一方、新型スープラのデザインやパッケージング、そして抜群にシャープなハンドリング感覚などに魅力を感じるユーザーにとっては、SZは一考の価値があるグレードだ。
 パフォーマンスと、やや粗削りの乗り味に目をつぶれば、新型スープラの美点は、SZですべて満喫できる。500万円を切るプライスで最新のミドル級スポーツが手に入る価値は大きい。
 装備は全般的にシンプルだが、ナビや安全・運転支援装備は上級グレードと変わらない。各部の作りも上質である。

IMG_8735.JPGインパネはシリーズ共通形状 HDDナビとアダプティブクルーズコントロール標準 SZはヘッドアップディスプレイ未装備

IMG_8774.JPGシートはファブリック仕様 各種調整は手動式 乗り心地は路面凸凹を敏感に拾う傾向

※次ページでスペックを紹介

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