鮮烈スタイリング。上質感をました2ndイヴォークの価値

レンジローバー・イヴォークRダイナミクスHSE・P300・MHEV 試乗記

IMG_2058.JPGレンジローバー・イヴォークRダイナミックHSE・P300・MHEV 価格:9SAT 801万円 新型は2リッター直4のガソリンとディーゼルを搭載 ガソリンはP200/P250/P300の3種 ディーゼルはP180の1種 数字は最高出力を表示

孤高の存在感。都会で映えるスタイリング

 レンジローバー・イヴォークで、いちばんワクワクするポイントはルックスだ。旧型の主な購買理由は「ルックスに引かれて」だったと聞くが、新型のスタイリングは一段と洗練されている。

 単に「カッコいい」という評価でいえば、別のモデル名も挙げられる。だが、イヴォークのカッコよさには、他のSUVとはまったく趣の異なる風格があり、品格があり、重みがある。トップエンドのレンジローバーは「SUVのロールス・ロイス」と呼ばれるが、イヴォークもそのDNAをしっかり継承している。

 ある意味、サイズと風格と品位のバランスが素晴らしいといえる水準にあり、他の追随を許さない。レンジローバーが通ると周囲の空気がピリッとするイメージがある。レンジローバーよりコンパクトなボディだが、イヴォークにも同様な感覚をボクは受ける。加えて、コンパクトなボディがもたらすインテリジェンスと、都会的スタイリッシュネスも強く感じる。

 ボディサイズは全長×全幅×全高4380×1905×1650mm。サイズ面で競合するSUVはあるが、孤高ともいえる独特な存在感にライバルはいない。イヴォークの選択に関して「ライバルと比較して」という過程はない。「イヴォークにするか、しないか」、それだけだと思う。取り回し性は優れている。1905mmの全幅が少し気にかかるユーザーもいるだろうが、4380mmの全長は気軽につきあえる。

IMG_2066.JPGP300はアクティブドライブラインと呼ぶ電子制御4WD 走行&路面状況に応じて7種の走行モードが選べるテレインレスポンス2を標準装備

プレミアムな輝きを放つモダンでエレガントな室内空間

 プレミアムクラスのクルマでボクが最も気にする点は、インテリアの仕上がり。イヴォークの室内は素晴らしい。エレガンスがあり、モダンであり、精度感は高く、マテリアルの質感も素晴らしい。全体が高い美意識で統一されている。レンジローバーというブランドは、いまやプレミアムセグメントの中でも、独特の強い輝きとオーラを放っている。イヴォークは間違いなく、そんなレンジローバー・ブランドにふさわしいモデルだ。

 エンジンは2リッター直列4気筒のガソリンとディーゼルが選べる。ガソリンはP200(200ps)、P250(249ps)、P300(300ps)の3種で、P300はマイルドハイブリッド仕様。ディーゼルはP180(180ps)が設定される。ATは9速タイプ。駆動方式は全車4WDだ。

 試乗車はトップモデルのP300。48Vのマイルドハイブリッド仕様で、ベルト式インテグレーテッド・スタータージェネレーターが組み合わされる。試乗車はガラストップを装備していた。見た目はもちろん、キャビンの開放感とラグジュアリー度を大いに高めていた。ボクなら絶対にガラストップを注文する。

 減速時にはエネルギーを回生してバッテリーに蓄え、発進時などの駆動力をアシストするのだが、アシスト感はほどほど。だが、滑らかさには大いに貢献している。減速時は17km/hを下回るとエンジンが自動的に停止し、再始動も滑らか。燃費の節約だけでなく、上質な走り味に大きなメリットをもたらしていた。

IMG_2073.JPGイヴォークの悪路走破性はハイレベル 最大渡河水深は旧型比100mm増の600mm マイルドハイブリッド仕様のP300は17km/h以下でエンジンが自動停止

したたかな悪路走破性。本格派という表現がよく似合う

 上質といえば、9速ATのシフトの滑らかさも印象に残った。エンジンはトップエンドまでスムーズに回り、高回転域での音量もよく抑え込まれているし、風音はよく封じ込められている。

 試乗コースは、日常領域レベルの走りしかトライできなかった。その範囲内では、乗り心地はよかったし、身のこなしもよかった。体がしっとり包まれるような感触のシートも素晴らしかった。

 走行状況に応じて最適な車両設定を行うテレインレスポンス2の効果と、車体下部の状況をモニターに映し出すクリアサイト・グラウンドビューを試す特設コースもあった。そこで確認できたのは、ライバルたちよりずっと洗練された都会派の装いとたたずまいを持ちながら、内には強力なオフロードパフォーマンスを秘めているという事実だった。クリアサイト・グラウンドビューは、日常的な駐車時などでも大いに役立ってくれそうだ。

 イヴォークは存在感が強く、プレミアム度は高く、中身は濃い。それゆえ、ユーザーにもたらす満足度も大きいはずだ。プレミアムSUVの新たな旗手といえる。

IMG_2194.JPGインパネはナビ用とコントロール用の2つの10インチモニタ―を備えたデザイン 各部の作りは上質 ステアリングはアルカンターラ巻き 室内の静粛性は高水準

IMG_2255.JPGシートはウール混紡とリサイクルプラスチック&再生ポリエステルを活用したスエードクロスのコンビ仕様をop設定 乗り心地はしなやか 新型は後席ニールームが旧型比20mm拡大

IMG_2208.JPG車両下側の状況がわかるクリアサイト・グラウンドビューは便利

※次ページでスペックを紹介

レンジローバー・イヴォークRダイナミクスHSE・P300・MHEV主要諸元と主要装備

タイトル01.JPG

グレード=RダイナミックHSE・P300・MHEV
価格=9SAT 801万円
全長×全幅×全高=4380×1905×1650mm
ホイールベース=2680mm
最低地上高=212mm
車重=1950kg
エンジン=1995cc直4DOHC16Vターボ(軽油仕様)
最高出力=221kW(300ps)/5500~6500rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/2000~4500rpm
WLTCモード=未公表(燃料タンク容量未公表)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:インテグラルリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=235/50R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=未公表
●主な燃費改善対策:インテリジェントスタートストップ
●主要装備:自動防眩ドアミラー(ヒーター&アプローチライト付き)/デプロイアブルドアハンドル/レインセンサー付きオートワイパー/2ゾーンクライメートコントロール/4対2対4分割可倒式リアシート/テレインレスポンス2/オールテレインプログレスコントロール(ATPC)/トルクベクタリングバイブレーキ(TVBB)/ヒルディセントコントロール/電動パーキングブレーキ/タッチプロDuo/ナビゲーションプロ/スマートセッティング/レーンキープアシスト/パーキングパック/クリアイグジットモニター/パークアシスト/360度サラウンドカメラ/歩行者保護エアバッグ&デプロイアブルボンネット/クリアサイト・グラウンドビュー
●装着メーカーop:セキュアトラッカー9万9000円/空気イオン化テクノロジー2万円/メリディアン・サラウンドサウンドシステム15万4000円/アダプティブダイナミクス17万2000円/ヘッドアップディスプレイ15万1000円/ヒーター付きウインドスクリーン3万1000円/ヒーター付きウオッシャーノズル2万4000円/固定式パノラミックルーフ20万5000円/プライバシーガラス6万5000円/電動調整ステアリングコラム2万2000円/フロントフォグランプ3万円/アンビエントインテリアライティング4万4000円/マトリクスLEDライト13万3000円/アクティビティキー6万2000円/地上波デジタルテレビ11万1000円/16ウェイフロントシート&リアシートヒーター50万5000円/20インチ5079アルミ4万3000円
●ボディカラー:カルバチアグレー(op12万8000円)
※価格はすべて消費税(8%)込み 
※スペックは2019年7月現在

IMG_2112.JPGリアゲートはハンズフリー電動開閉式 荷室容量は後席使用時472~591リッター 最大1383リッター 荷室最大長1576mm

IMG_2228.JPGメーターはフル液晶 ナビなど多彩な情報が表示できる高機能設計

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