トヨタのTMS2019における出展車両発表の第4弾は、"新しい時代の愛車"を具現化したコンセプトカー

トヨタが東京モーターショー2019で"新しい時代の愛車"の提案形となるEVコンセプトカー「LQ」を出展

 トヨタ自動車は10月11日、東京モーターショー2019のMEGA WEB会場で開催されるFUTURE EXPOにおいて、"新しい時代の愛車"を具現化したコンセプトカーの「LQ」を出展すると発表した。

TOYOTA LQ1.jpg▲トヨタ「LQ」 全長4530×全幅1840×全高1480mm ホイールベース2700mm 車重1680kg 乗車定員4名 パワートレインにはEVシステムを採用。航続距離は約300km

 「LQ」の開発にあたっては、"Learn,Grow,Love"をテーマに、ユーザー1人ひとりの嗜好や状態に合わせた移動体験の提供を通じて、時間とともにより愛着が感じられるモビリティを目指したという。また「LQ」という車名には、新しい時代の愛車(Beloved Car)を提案するきっかけ(Q/Cue)になれば、との想いが込められている。

TOYOTA LQ2.jpg▲車両デザインはキャビンを前に出した未来的シルエットを構築したうえで、車両中央にある「YUI」を起点に車両内外をシームレスに連続させる「INSIDE OUT」を造形テーマに据える

 "新しい時代の愛車"を謳う「LQ」の特徴を見ていこう。まず、モビリティエキスパート AIエージェント「YUI」の搭載だ。「YUI」は常にユーザーの表情や動作から感情や眠気などの状態を推定し、会話を中心としたコミュニケーションに加えて、覚醒・リラックス誘導機能付きシート・音楽・車内イルミネーション・空調・フレグランスなどの各種HMI(Human Machine Interface)を用いて働きかけ、安全・安心・快適な移動に貢献する。また、シーンおよび嗜好に応じた音楽の選曲・再生や、興味のある話題や施設情報を提供することで、移動自体を楽しむことをサポートする機能も組み込んだ。

TOYOTA LQ3.jpg▲常にユーザーの表情や動作から感情や眠気などの状態を推定し、会話を中心としたコミュニケーションに加えて各種HMIを用いて働きかけ、安全・安心・快適な移動に貢献するAIエージェント「YUI」を搭載

 "安全・安心"かつ"快適"な移動体験に関わる先進技術を鋭意採用したことも要注目。まず自動運転に関しては、システムの一部またはすべての運転モードで動作できるかどうか、および3つのカテゴリーの運転タスク(操舵と加減速、走行環境の監視、システムが動的運転タスクを制御できない場合のフォールバック)を運転者もしくは車両のどちらが担うかに基づいて車両の自動運転レベルを0(自動化なし)から5(完全自動化)にまで分類するSAE InternationalのJ3016において、レベル4相当の機能を搭載する。また、駐車場で乗降場と駐車スペース間での無人自動運転ができる「無人自動バレーパーキングシステム」、AR(Augmented Reality)表示ができるHUD(Head Up Display)によってHUDの情報表示エリアを拡大し、ドライバーの視線移動を低減することで安全運転を支援する「AR-HUD」、ドライバーの状態に合わせてシートに内蔵した複数のエアブラダー(空気袋)や空調機能によって覚醒やリラックスをサポートし、運転に適した状態の維持に貢献する世界初の「覚醒・リラックス誘導機能付きシート」を採用。さらに、車両のルーフやフロアマットをHMI領域として活用し、乗員に直感的でわかりやすく情報を伝える「新HMI機能」、ヘッドランプに内蔵された100万個の微小なミラーの切り替えによって複雑な図形や文字を路面に描画することができる「DMD(Digital Micromirror Device)式ヘッドライト」、高い視認性を確保しながらディスプレイを大きく曲げることで先進的なインパネ造形を際立たせる「有機ELメーター」、オゾンを酸素に分解する新開発触媒塗料をラジエーターファンに塗布することで車両走行時に光化学スモッグの原因となる地表付近のオゾン(対流圏オゾン)を分解する「大気浄化塗料」といった先進技術も導入した。

TOYOTA LQ4.jpg▲ヘッドランプに内蔵された100万個の微小なミラーの切り替えによって複雑な図形や文字を路面に描画することができる「DMD式ヘッドライト」を装備

 車両デザインについては、キャビンを前に出した未来的シルエットを構築したうえで、車両中央にある「YUI」を起点に車両内外をシームレスに連続させる「INSIDE OUT」を造形テーマに据える。一方でインテリアに関しては、エアコンの吹き出し口を乗員から見えない場所に配置するインビジブルレジスタを導入することで、インパネ周辺の凹凸が少ないシンプルかつスマートなアピアランスを創出。また、センターコンソールはトポロジー最適化という設計手法と3Dプリンター工法の組み合わせにより、強度確保と意匠に分かれていた構造を一体化し、乗員から見える支持構造体を減らすことで先進的な車内空間を実現した。

TOYOTA LQ5.jpg▲自動運転に関してはSAE InternationalのJ3016におけるレベル4相当の機能を搭載。無人自動バレーパーキングシステムやAR-HUDといった先進技術も採用する

 なお、2020年6月から9月にかけて、AIエージェント「YUI」を搭載した「LQ」の試乗会「トヨタYUIプロジェクトTOURS 2020」を実施する予定。事前に公開されるスマートフォンアプリから趣味・嗜好を「YUI」に教えることで、1人ひとりに最適化した「YUI」が搭載された「LQ」に試乗できるそうだ。

SNSでフォローする