[ワークスチューン特集]圧倒的に速い!サーキットで遊ぶGT-Rをコンセプトにしたニスモのプロデュース力

日産GT-R・2013年モデル・クラブマン・レース・スペック(CRS) 試乗記

IMG_9751.JPG日産GTーR・2013年モデル・クラブマン・レース・スペック(CRS)  ニュルブルクリンク北コースで7分8秒927のラップタイムをマークしたNアタック仕様をベースに日本のサーキットに合わせて改良を図ったサーキット指向モデル エンジンはGT3仕様用カムシャフトを組み込んだS1スペック仕様

スポーツ派の理想像。それがクラブマン・レース・スペック

 終日サーキット走行を楽しんだ後、そのまま自宅へと乗って帰ることができるスポーツ派の理想像――そんなコンセプトの下に開発されたモデルが、日産のモータースポーツ部門のNISMO(ニスモ)が手がけたクラブマン・レース・スペック(CRS)のGT-Rだ。

 試乗車は、〝中期型"と呼ばれるR35型2013年モデルがベース。搭載エンジンは、オーバーホール後に2011年モデル用純正ターボチャージャーやGT3仕様のカムシャフト、専用コンピュータを用いて組み上げたユニット。「2017年モデルの標準車並みの最高出力(570ps)と、ニスモ・バージョンに匹敵する最大トルク(652Nm)を発生する」というS1スペック仕様だ。

 足回りは、伸び側/縮み側に加え、ストロークスピードの違いにも個別の減衰力調整が可能なオーリンズ製4ウェイダンパーを核としたスポーツサスペンションキットと、キャンバー角の変更を可能とするフロントアッパーリンクセットを採用。3段階調整式リアスタビライザーキットや「適合確認中で近日発売の予定」というボディキットなど、オリジナルアイテムが装着されていた。

IMG_9738.JPG足回りは緻密なセッティングが可能なオーリンズ製ニスモオリジナル・スポーツサスペンションキット(166万1000円)と3段階調整スタビキット(15万4000円)装着

シャープなターンイン挙動。加減速のポテンシャルは圧倒的!

 試乗会場はツインリンクもてぎの北ショートコースと構内の連絡道路。1周1kmに満たず、最長のストレートも140mほどのショートコースでは、ボディキットの空力効果は実感できなかった。しかし、加減速のポテンシャルや高いコーナリング能力は「さすが」のひと言。タイトなコーナーでのシャープなターンインの感覚も「標準車以上」と思えた。

 一方、わずかな路面凹凸で激しく揺すられる乗り味や、変速動作のたびに盛大なノイズを発するトランスミッションなど、構内道路での走りは、なんともスパルタン。「公道走行も可能だが、主戦場はサーキット。硬派なレーシングスペックの持ち主」という印象が残った。

IMG_9650.JPGツインリンクもてぎの北ショートコースで実力をチェック 加減速の圧倒的なポテンシャルは印象的 ターンインの挙動はシャープ

IMG_9785.JPGS1スペック仕様エンジンは標準エンジンをOHしたうえでレースで鍛えたニスモの技術を投入 ファインチューン後の目標スペックは570㎰/652Nm

IMG_9781.JPGドライカーボン製リアスポイラーやサイドスカートセットは近日発売予定

IMG_9665.JPGクラブマン・レース・スペックはR35型だけでなく歴代GTーRに設定 ニスモはGTーR用製造中止パーツを復刻してリフレッシュするヘリテージ活動も積極的に推進

SNSでフォローする