3回目のリファイン実施。レクサスのフラッグシップ、最新LSは「世界の頂点」に君臨する存在になったか

レクサスLS500hエグゼクティブ(4WD) 試乗記

IMG_2574.JPGレクサスLS500hエグゼクティブ(4WD) 価格:THS 1711万7000円 エグゼクティブは後席居住性を高めたトップグレード 足回りは4輪マルチリンク式エアサス ハイブリッドのパワートレーンは3.5リッター・V6(299ps)+モーター(180ps)

最新モデルは乗り心地、静粛性、そして快適性が一段と向上

 レクサスのフラッグシップ、LSが、デビュー以来3回目の改良を受けた。プレミアムブランドともなれば、年次改良でモデルを発展させるのは当然の話。度重なる改良は、目の肥えたユーザーの厳しい声を丹念に拾い上げて、商品力強化に努めている一例といえる。高額車両のビジネスにおいては、メーカーの企画力に加えて販売店の底力も問われる。というのは、商品力向上においてもユーザーとのコミュニケーションが大切だからだ。

 今回のLSの改良は、主にハイブリッドモデル、とくに売れ筋と思われるFRモデルの乗り心地や静粛性、快適性などの向上が図られた。ランフラットタイヤの構造最適化に始まり、2018年の4WD車用に続いてFR車のショックアブソーバーにも伸圧独立オリフィスを採用した。さらにAVS(アクティブ・バリアブル・サスペンション・システム)の姿勢制御を再チューニング。通常モードで走行中のバッテリーアシスト量とアクセル特性を変更し、より静かでスムーズな加速を追求した。Fスポーツはブレーキダストとブレーキノイズを減らしたブレーキパッドを組み込んでいる。

 改良点は走りの面だけではない。人気装備のリアシートエンターテインメントシステム装着車の後席快適性を高め、一部の上位グレードはフロントシートの後方リクライニング角を拡大。快適性や使い勝手に細かくこだわったリファインを施した。

IMG_2583.JPG最新ハイブリッドは通常走行時のバッテリーによるアシスト量とアクセル特性をリファイン タイヤと足回りの改良と相まって一段とスムーズな走りを追求

最新モデルは、モーターを主役にスルスル走る!スムーズで速く、そして静粛

 フラッグシップの改良内容を実感するためにハイブリッド車に試乗した。

 もともと高い静粛性に定評のあるLSだけに、はたして変化がわかるものなのか、乗る前は不安だったが、杞憂だった。静粛性の違いがはっきりとわかるというよりも、走りの質感が変わったことで、結果的に快適性が高まり、従来以上に静かに感じた、というのがファーストインプレッションである。

 アクセルを普通に踏む加速において、エンジンに頼る度合いが明らかに減っている。モーターを主役にスルスル走るという感覚が強まっているのだ。その結果、スムーズで速く、そして従来以上に静かに走っているように感じる。電動化された高級サルーンの模範的な発展型である。

 一方で、気になる点もまだ残っていた。静かで快適になったから、いっそう目立つのだろうか、フロアからの微振動が気になった。わずかな振動だが、不快だった。このあたりの快適性に関する改良は、もぐら叩きのようなものだと思われるが、今後も改善に取り組んでほしい。すでにパワートレーンは素晴らしいのだから。

IMG_2647.JPGインパネは横方向の広がりを強調したデザイン 走りに関連するコントロール系はドライバー正面に配置 中央モニターは大型12.3インチ

IMG_2672.JPGIMG_2695.JPGセミアニリン本革シート標準 エグゼクティブの後席は左右独立リクライニング&マッサージ機能付き 左側はオットマン標準 室内長2080mm

IMG_2613.JPGライトはシャープ形状フルLED ウインカーはシーケンシャル式

※次ページでスペックを紹介

IMG_2598.JPG

グレード=500hエグゼクティブ(4WD)
価格=THS 1711万7000円
全長×全幅×全高=5235×1900×1460mm
ホイールベース=3125mm
トレッド=フロント1635×リア1635mm
車重=2380kg
エンジン=3456cc・V6DOHC24V(プレミアム仕様)
最高出力=220kW(299ps)/6600rpm
最大トルク=356Nm(36.3kgm)/5100rpm
モーター最高出力=132kW(180ps)
モーター最大トルク=300Nm(30.6kgm)
WLTCモード燃費=12.6km/リッター(燃料タンク容量82リッター)
(市街地/郊外/高速道路=9.8/13.1/14.0km/リッター)
サスペンション =前後マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=245/50RF19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.9m
●主な燃費改善対策:ハイブリッド/電気式無段変速/アイドリングストップ/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/充電制御
●主要装備:レクサスセーフティセンス+A(プリクラッシュセーフティ+フロントクロストラフィックアラート+レクサスCo Drive+ドライバー異常時停車支援システム+上下2段式アダプティブハイビーム+先行車発進告知機能)/ITSアシスト/ブラインドスポットモニター/後方車両への接近警報/VDIM/電子制御エアサスペンション/電子制御ブレーキ/パノラミックビューモニター/パーキングサポートブレーキ/電動チルト&テレスコピックステアリング/3眼フルLEDヘッドライト/ヘッドランプクリーナー/ドア&トランクイージークローザー/ハンズフリーパワートランクリッド/TFT液晶メーター/デジタルルームミラー/アナログクロック/ヘッドアップディスプレイ/本木目&本革巻きステアリング/ステアリングヒーター/電動サンシェード(リア3面)/セミアニリン本革シート/前席シートヒーター&ベンチレーション/28ウェイ調整式前席パワーシート/助手席420mmロングスライド/後席用電動オットマン/後席温感リラクゼーション機能/後席センターアームレスト(マルチオペレーションパネル付き)/後席自動リクライニング機構/レクサスクライメイトコンシェルジュ/マークレビンソン・リファレンス3Dサラウンドサウンドシステム/Ⓡシートエンターテインメントシステム/12.3インチワイドディスプレイナビゲーション/ETC2.0ユニット
●装着メーカーop:245/45RFタイヤ+20インチノイズリダクションアルミ16万5000円/切り子調カットガラス・ドアトリムオーナメント165万円/アクセサリーコンセント(AC100V/1500W)4万4000円
●ボディカラー:マンガンラスター
※2019年10月デビュー ※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万6070円

IMG_2655.JPGメーターはシンプルなカラーTFT 走行モードに応じて表示が変化 ヘッドアップディスプレイ標準

IMG_2658.JPG500hは10速マニュアルモード付き電気式トランスミッション装備 パドルシフト標準

IMG_2627.JPGランフラットタイヤは構造の最適化で約10%ソフトに ショックアブソーバーは伸圧独立オリフィス式

SNSでフォローする