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コンパクトな大物! 新型ヤリスが2020年の台風の目となり得るこれだけの理由

Writer:河村康彦 Photo:小久保昭彦

新型トヨタ・ヤリス・プロトタイプ 試乗記

IMG_5077.JPGトヨタ・ヤリス・プロトタイプ 新型ヤリスは2019年12月デビュー/2020年2月発売予定 写真は1.5リッターガソリンの上級グレード ボディサイズは全長×全幅×全高3940×1695×1500mm

2020年2月の発売に先立ちプロトタイプにサーキット試乗!

 2019年10月16日、トヨタ新型ヤリスのワールドプレミアが行われた。世界戦略コンパクトカー、ヤリスは、1999年登場の1stモデル以来、3世代続いたヴィッツの名称を海外市場用と同じネーミングに改めた意欲作。2020年2月中旬に予定される発売(発表は19年12月予定)を前にプロトタイプに試乗した。

 袖ヶ浦フォレストレースウェイで短時間ながらステアリングを握ったモデルは、新開発1.5リッター直噴3気筒エンジンを発進ギア付きのCVT、そして6速MTと組み合わせたFWD仕様と、専用チューニングを施した同エンジンにモーターを組み合わせる新開発ハイブリッド仕様。ハイブリッドは、FWD仕様に加え、発進用モーターで後輪を駆動する4WD仕様にも試乗した。

 新型のボディサイズは全長×全幅×全高3940×1695×1500mm。従来型に対し、全幅と全高はそのままに全長を5mm短縮。パッケージングは、基本的に「コンパクトカーの主流を踏襲した」と思える仕上がり。フロントマスクやリアのフェンダーフレア、テールランプなどは個性的だが、スタイリングは最近のトヨタ車に感じた「奇をてらった」印象はない。毎日の相棒として長くつきあえそうなデザインだ。

 新規開発色を含め全12色を設定する豊富なカラーバリエーションは、うれしいポイント。ルーフカラーとボディカラーが異なる2トーン仕様を加えると選択肢は18種類にもなる。発売後、たちまち多くが街を走りはじめるヤリスのようなポピュラーカーの場合、設定カラーが豊かな点は、大きな魅力だ。ヤリスのカラー選びは楽しいひとときである。

メインIMG_5086.JPGデザインコンセプトは「BーDASH」 大胆(BOLD)/活発(BRISK)/美しく(BEAUTY)をキーワードに「弾丸のようにダッシュする」イメージを追求 3940mmの全長は従来のヴィッツ比5mm短い

魅力的なシート! ワイドな視界と操作性に優れたスイッチが好印象

 インテリアの仕上がりは大いに気に入った。決して高級感にあふれるというわけではないものの、安っぽさを抱かせない作り込みは印象的だった。

 多くの仕様に採用される2眼式デジタルメーターは見やすく、テレスコピック機構を加えたうえで、ロックを解除しても〝ガクンと落ちる"心配のないチルトステアリング、さらにはこのクラスの日本仕様車ではコスト面から省略されがちなルームミラーの防眩機構が設定されているあたりは、新型ヤリスの見逃せない評価ポイント。これまで見た経験がないほど大きなシフトインジケーター表示は、誤操作の抑制、暴走事故対策に効果がありそうだ。

 腰椎部分をきっちりと支えてくれるシートも、これまでの日本製コンパクトカーの常識を超えていた。今回の短時間の試乗ではその真価は報告できないが、第一印象は「これなら長時間のドライブでも疲労感は最小限だろうな」というものだった。ヤリスのシートは魅力的である。

 ドライバーズシートに乗り込んで、もうひとつ好印象を抱いた点は、シンプルでわかりやすい操作系だった。

 ダッシュ中央部にレイアウトされた大型ディスプレイオーディオは、画面上でのタッチ操作が基本になるが、左右にも独立スイッチが配されている。だから最初のメニューが選択しやすい。空調も同じだ。風量や温度調整など、頻繁に使用する可能性が高い操作を大きめのダイヤルで行うロジックは非常に使いやすい。新型ヤリスのスイッチ類は、「スマホライク」な操作ロジックがクルマには必ずしも適していない、と改めて示唆してくれる。

 視界は全般に良好。ドアガラス前端にドアミラーマウント用の「三角パッチ」が付くこともあり、Aピラー基部の死角はやや大きめだが、さほど気にならない。背後に死角が生まれるドアミラーの装着位置についても、慎重に吟味されている印象だ。

メインIMG_5166.JPGインパネはシンプルな造形 上級グレードはアッパートリムに上質なソフトパッドを採用 チルト&テレスコピック機構付きステアリングは365mm径の小径タイプ 室内各所に小物入れを配置

力強いハイブリッド! モーター出力は約30%増強

 最初にハイブリッドに試乗した。ピットロードをゆっくりと加速してスタートする。すでにこの時点で「これまでとは違う_」と感じた。理由は、アクセル操作に対してレスポンスよく応答するモーター出力が、従来より明らかに上乗せされていたからである。この力強さは、旧型のハイブリッド車比で「50kgのマイナス」という軽量設計と、「約30%増しになった」というモーター出力の向上が生み出したものだろう。

 主に低ミュー路面上での発進サポートを行う目的で、プリウスと同様にモーターで後輪を駆動するメカニズムを加えた4WD仕様に乗り換える。重量増ゆえに加速の軽快感がある程度そがれてしまっているのはやむを得ない。

 一方、従来型とは比較にならない4輪の高い接地感と優れた直進性は、4WDでも損なわれていない。「コンパクトカーだがどっしりしている」という印象を持った。実は4輪の高い接地感と優れた直進性が生み出すどっしり感は、1.5リッターガソリン車でも同様だった。今回乗った新型ヤリスすべてに共通する走りの美点といっていい。

キャプ付き中カットIMG_5007.JPGヤリスの走りは4輪の高い接地感と優れた直進性が特徴 コンパクトカーなのにどっしりとした安心感がある 実力は欧州ライバル車と遜色なし Cd値は0.30をマーク

1.5リッター+6速MTはスポーティ! 軽快な走りを堪能

 ガソリン仕様で印象的だったのは、意外なまでに高回転域で活発というエンジンキャラクターだ。この性格は、MT仕様でいっそう明確になった

 具体的には、低回転域でトルクフルであると同時に、4500rpm付近から上でさらに活発さが増していくのである。試乗したMT仕様車は、とくにスポーティテイストを追求したモデルではない。シンプル装備のベーシック仕様だった。

 エコタイヤ(175/70R14サイズ)を装着していたにもかかわらず、素直で軽快なハンドリング感覚と高回転域にかけての威勢のよさを実現していた。この仕様が抜群に優れた走りの資質を備えていることは間違いない。「これを基本に細かなチューニングを加えれば、かつてのKP61型スターレット(1978年発表、FRモデル)のように、コンパクトでリーズナブルなスポーティモデルに仕上がるのではないか」と、期待がふくらんだ。

 サーキット路面限定での試乗のため、ライバルとの比較などは困難だった。ロードノイズをはじめとした騒音面は平均点という印象。また、前車追従機能を備えながら、およそ30km/h以下になると追従機能を放棄してしまうアダプティブクルーズコントロールは、新型ヤリスの数少ないウイークポイントと思えた。

IMG_5212.JPGIMG_5218.JPGシートは腰椎をしっかりと支える大型形状 座り心地は良好 写真は合成皮革とファブリックの上級グレード用コンビ仕様 後席のスペース性はクラス平均レベル 乗り心地はフラット感を重視

IMG_5193.JPGメーターは視認性がいい双眼TFT 中央のディスプレイに各種情報を表示 シフトインジケーターは大きくて見やすい

IMG_5231.JPGIMG_5400.JPGタッチパネル式ディスプレイオーディオ標準 ナビはスマホ連携とディーラーopのナビキットで機能 周囲の状況が確認できるパノラミックモニターを設定

※次ページでライバル車のプロフィールを紹介

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