大きすぎず、小さすぎない「ちょうどいいホンダ・フリード」。新グレード、クロスターのアクティブな魅力を体感

ホンダ・フリード・ハイブリッド・クロスター・ホンダセンシンング(FF) 価格:7SMT 278万1900円 試乗記

メインIMG_6087.JPGホンダ・フリード・ハイブリッド・クロスター・ホンダセンシンング(FF) フリードはフィット譲りのセンタータンクレイアウトを採用 超低床設計を生かした広い室内スペースが魅力 最大のライバルはトヨタ・シエンタ

新型は全車ホンダセンシング標準。エンジンを改良

 5ナンバーサイズのユーティリティカー、フリードがマイナーチェンジした。フリードは、3列シートの定員6/7名モデルと、2列シートの定員5名モデル(フリード+)の2シリーズ構成。大幅改良は2016年9月の現行モデル登場以来初めてだ。

 新型は9種の機能で構成する安全・運転支援システム、ホンダセンシングを全車に標準装備する。スタイリングは、フロントマスクを中心にイメージを一新。横長ヘッドライトとシンプルなグリルを組み合わせ、ハンサムな印象になった。リア両サイドに大開口スライドドアを配したプロポーションは従来と同じ。全長×全幅×全高4265×1695×1710㎜(ハイブリッド・クロスター、FF)のボディサイズも変わらない。

 インテリアは、インパネのウッドパネルの色調を変更し、シート表地を刷新。評価の高いユーティリティ性はそのままに、質感をいっそうアップした。

 メカニズム面は、エンジンをリファイン。全車のカムシャフト中空径を従来の16mmから17mmに拡大。軽量化を図るとともに、エンジンブロック軸間にスリットを追加し冷却性を高めた。

 さらにハイブリッドはインテークポートの高流動化と、ナトリウム封入中空エグゾーストバルブの新採用でノッキングを抑制。同時に燃焼室のコンパクト化で実用燃費をリファインしている。

 新型のスペックは、ハイブリッドが1.5リッター直4DOHC16V(110ps/134Nm)+モーター(29.5ps/160Nm)、ガソリン仕様は1.5リッター直4DOHC16V(129ps/153Nm)。カタログ上の数値は従来モデルと同じだが、実力はアップしたという。トランスミッションはハイブリッドが7速DCTで、ガソリン仕様はCVT。CVTは、ブレーキ操作ステップダウンシフト制御を新採用。エンジンブレーキが効果的に活用できるようになった。

 電動パワーステアリングの制御は全車改良された。新型は旋回速度が増すほど操舵力が重くなるチューニングを施し、収束性を改善。これまで以上に安定性重視のセッティングになった。

IMG_6155.JPGフリードは3列シート(定員6/7名)と2列シート(定員5名/フリード+)の2シリーズ構成

アクティブなクロスター新登場。室内は広く、快適!

 試乗車はハイブリッドのクロスター。ボディカラーは新色のシルバーミストグリーンメタリック。

 クロスターの2列目シートはキャプテン仕様。乗車定員は6名だ。キャビンは広い。電動スライドドアは、前席ドア下につま先を入れるだけでスムーズに開き、開口部は広い。低い床も印象的だ。

 2列目シートは、ステップワゴン級のロングスライド機構を採用。室内長×幅×高3045×1455×1285mm。トヨタ・シエンタ(同2535×1470×1280mm)以上にゆとりを感じる。どの席に座ってもくつろげ、フルフラット機構などアレンジは多彩。まさにミニバンとして「ちょうどいい」快適空間だ。シートの座り心地は良好。クッションに厚みがあり体を優しく包み込む。ただし2/3列目のシート座面は、もう少し前側が高いと、快適性が増すと思った。

 運転席は開放感たっぷり。コンパクトなボディと、視界のよさが相まって実に運転しやすい。

メインIMG_6267.JPGインパネは直線基調 ウッド調パネルが落ち着いた印象をアピール ステアリングはチルト&テレスコピック機構付き 視界はワイド 各部の作りは上質

走りはスムーズ。高い安定感が好印象。実力は高い

 走りはスムーズで気持ちよかった。1.5リッターエンジン(110ps)+モーター(29.5ps)を組み合わせたハイブリッドは出足がいい。市街地はもちろん、高速道路でも力強い走りが楽しめる。加速時にエンジン音が少し唸るが、巡航時の静粛性をはじめハイブリッドの完成度は高い。WKTCモード燃費は20.8km/リッターをマークする。

 感心したのが、高速クルーズ時の安定感だ。強めの横風を受けても走りが乱れる心配はない。しっかりとした足回りは、路面の継ぎ目などをスムーズにいなす。乗り心地は良好だった。

 ハンドリングも好印象。ステアリングのフィールは実にナチュラル。前輪の接地感を適度に伝え、安心して曲がっていける。ブレーキのタッチもしっかりしている。

 新型フリードは日本の道路環境に適した、ちょうどいいミニバン。中でも、クロスターは遊び心にあふれている。

IMG_6146.JPG電動スライドドア標準 リアドアの開口幅は665mm ステップ高は390mmと低く乗降性はいい

IMG_6357.JPGIMG_6363.JPGIMG_6369.JPGクロスターのシートはプライムスムース(合成皮革)とファブリックのコンビ 2列目はキャプテン仕様(定員6名) 3列どの席でもスペースは十分 室内長×幅×高3045×1455×1285mm

※次ページでスペックを紹介

ホンダ・フリード・ハイブリッド・クロスター・ホンダセンシンング(FF)主要諸元と主要装備

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グレード=ハイブリッド・クロスター・ホンダセンシング(FF)
価格=7SMT 278万1900円
全長×全幅×全高=4265×1695×1710mm
ホイールベース=2740mm
トレッド=フロント1480/リア1485mm
最低地上高=135mm
車重=1430kg
エンジン=1496cc直4DOHC16V(レギュラー仕様)
最高出力=81kW(110ps)/6000rpm
最大トルク=134Nm(13.7kgm)/5000rpm
モーター最高出力=22kW(29.5ps)/1313~2000rpm
モーター最大トルク=160Nm(16.3kgm)/0~1313rpm
WLTCモード燃費=20.8km/リッター(燃料タンク容量36リッター)
(市街地/郊外/高速道路=17.7/21.5/21.9km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=185/65R15+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=6名
最小回転半径=5.2m
●主な燃費改善対策:ハイブリッド/アトキンソンサイクル/アイドリングストップ/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング
●主要装備:ホンダセンシング(衝突被害軽減ブレーキ+誤発進抑制機能+歩行者事故低減ステアリング+アダプティブクルーズコントロール+車線維持支援システム+オートハイビーム+標識認識機能など)/LEDヘッドライト/LEDアクティブコーナリングライト/LEDフォグランプ/エコアシスト/両側パワースライドドア/フルオートAC/2列目キャプテンシート/本革巻きステアリング/プライウッドトリム/センターテーブル/オートリトラドアミラー/専用デザイン15インチアルミ/ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器
●装着メーカーop:1列目シート用i-サイドエアバッグ+サイドカーテンエアバッグ+Cパッケージ(プラズマクラスターAC+運転席&助手席シートヒーター+ロールサンシェード+IRカット&UVカットガラス+コンフォートビューパッケージ)12万1000円
●主要装着ディーラーop:ハンズフリースライドドア(両側)5万6650円/9インチプレミアムインター・ナビ23万1000円
●ボディカラー:シルバーミストグリーンメタリック

タイトル01IMG_6128.JPGクロスターは専用マスク採用 フロントバンパー下側のプロテクター風ガーニッシュがワイルドな印象を演出

ラゲッジ02IMG_6239.JPGラゲッジ03IMG_6252.JPG3列目は左右跳ね上げ式 低床設計の利点で荷室は大容量 長尺物の積み込みは写真右のフラット状態が便利

ラゲッジ01IMG_6205.JPGリアゲート開口部の高さは1110mm 幅は1080mm ボディサイズは全長×全幅×全高4265×1695×1710mm

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