2020 HOTインポートカー特集:VWのフレッシュSUV、T-クロスが日本にぴったりなこれだけの理由

VW・T-クロス・TSI 1stプラス 価格:7SMT 335万9000円

メインIMG_0179.JPGVW・TクロスTSI・1stプラス Tクロスはポロと主要メカニズムを共用するクロスオーバーSUV ラインアップはTSI・1stと写真のTSI・1stプラスの2タイプ エンジンは1リッター直3ターボ(116ps)搭載 駆動方式はFF

日本仕様は2グレード構成。全車ナビと先進安全デバイス標準装備

 VWのフレッシュモデル、Tクロスが日本の道路を走り始めた。Tクロスは、欧州で2018年にデビュー。すでに高い人気を獲得している。

 いわゆる「コンパクトSUV」に属する新型車の全長×全幅×全高は4115×1760×1580mm。主な骨格を共有するポロ(同4060×1750×1450mm)と比較すると、わずかに大きい。日常シーンで縦列駐車を多用するマーケットをメインに考えているからだろうか、ディメンションは相対的に全幅が広めだ。それでも、日本で扱いやすいサイズといえる。

 ラインアップは、TSI・1stとTSI・1stプラスという2タイプ。装備は充実している。いずれも、歩行者検知対応の緊急時自動ブレーキをはじめ、全車速追従機能付きクルーズコントロールやリアビューカメラ、ブラインドスポットディテクションなど充実したADAS(先進運転支援)機能、SSDナビゲーションシステム、スマホ連携のテレマティクス機能を標準で装備。価格は1stが299万9000円、1stプラスは335万9000円と、なかなか魅力的な設定だ。

 テストドライブに連れ出したのは、1stプラス。1stプラスは、レーンキープアシストやハイビームアシストなどいっそう高度なADAS機能とパドルシフトを備える。

 アルミやインパネパッドなど、各部のカラーをコーディネートしたデザインパッケージが選択できるグレードは、1stプラスに限られる。1stは16インチタイヤだが、1stプラスは18インチが標準になるなど、見栄えの点でもキャラクター分けが図られている。

メインMG_0189.JPG1stプラスはアルミとドアミラーと室内のアクセントカラーがコーディネートできるデザインパッケージ標準 写真はグリーンのコーディネート

1リッターターボは自然吸気2リッターに匹敵するトルクを発生。走りは余裕たっぷり!

 Tクロスに搭載されるパワーユニットは、3気筒の1リッターガソリンエンジン。コンパクトSUVとはいえ一瞬「それで大丈夫?」といいたくなるほど小排気量だ。しかし、ターボ付き直噴システムの利点で最高出力は116psと控えめなものの、最大トルクは200Nmを発生。2リッター級のガソリン自然吸気エンジンに匹敵するトルク値と聞けば、「ひとまず安心」というユーザーが多いだろう。トランスミッションは7速DCTを組み合わせる。

 アクセルペダルを踏み込んでみると、加速性能が予想を超えたハイレベルに達しているとわかる。3気筒ゆえエンジン内部のフリクションが抑えられていると見え、とくに低回転域での加速力は思った以上に力強い。そんなエンジンの性格を受け、DCTは「スタートすると早々に、早めのアップシフトを繰り返す」というプログラミングがなされている。

 緩加速の繰り返しが主な日常シーンとなる日本では、せいぜい2500rpmまでがエンジンの常用域。結果、静粛性は予想以上に高水準。ロードノイズが小さく抑えられている設定もあって、Tクロスは見た目から想像する以上に静かなSUVだった。

 乗り味は少々固めの印象。ボディのサイズや重量からすれば〝ルックス優先〟とも思える18インチタイヤを装着する影響だろうか。ただし、振動の収まりはよく、ボディの剛性感が高いこともあって、「いかにもVW車らしいテイスト」と感じられた。フットワークは軽快だ。18インチタイヤのポテンシャルが相対的にゆとりがあるからだろう。「曲がる」能力が、予想以上に高かった。

メインIMG_0333.JPGインパネは機能的で上質な作り VW純正ナビシステム「ディスカバープロ」標準 高めの着座位置からの視界は広く運転しやすい 静粛性は高水準

巧みな室内パッケージング。広く開放的なキャビンは魅力たっぷり

 室内パッケージングは巧み。シーティングレイアウトが絶妙だ。ボディの高さ方向のゆとりを生かして、前席の着座姿勢はややアップライト。後席はさらにヒップポイントが高い。全長が短いため前後席間のタンデムディスタンスは小さめだが、足先が前席下に自然に入れられるから、後席足元は十分な余裕がある。Tクロスは大人4名でのドライブが楽しめる空間設計がされている。

 ラゲッジスペースも広い。後席を立てた状態で385リッターの容量を確保。140mmスライド可能な後席を前に出せば、455リッターに拡大する。ラゲッジボード下には、標準タイヤが収まりそうなほど深いサブトランクがある。

 Tクロスの駆動方式はFF。欧州仕様でも4WDは未設定で、当初から悪路での踏破性を狙っていないことは明らか。

 SUVとカテゴライズをされつつも、スタイリッシュで使い勝手に優れた「新たな時代のコンパクトカー」と解釈すべきニューカマーである。

IMG_0380.JPGIMG_0385.JPGシートは座り心地に優れた大型サイズ 後席は14cmの前後スライドができる 巧みな着座設定で快適性は高水準

タイトルIMG_0226.JPGフロントマスクは水平基調 サイズ以上にワイドな印象を受ける ヘッドライトはハイビームアシスト機能付きLED 

IMG_0290.JPGタイヤは215/45R18サイズ アルミは5ダブルスポーク形状 最小回転半径は5.1m ブレーキは4輪ディスク

VW・Tクロス・TSI 1stプラス・主要諸元と主要装備

カットIMG_0235.JPG

グレード=TSI 1stプラス
価格=7SMT 335万9000円
全長×全幅×全高=4115×1760×1580mm
ホイールベース=2550mm
トレッド=フロント1525×リア1510mm
車重=1270kg
エンジン=999cc直3DOHC12Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=85kW(116ps)/5000~5500rpm
最大トルク=200Nm(20.4kgm)/2000~3500rpm
WLTCモード燃費=16.9km/リッター(燃料タンク容量40リッター)
(市街地/郊外/高速道路=13.2/17.1/19.1km/リッター)
サスペンション=フロント・ストラット/リア・トレーリングアーム
ブレーキ=フロント・ベンチレーテッドディスク/リア・ディスク
タイヤ&ホイール=215/45R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.1m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/充電制御/DSG
●主要装備:アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)/レーンキープアシスト/スタティックコーナリングライト/ハイビームアシスト/リアビューカメラ/駐車支援システム/デイタイムランニングライト/ブラインドスポットディテクション/ドライバー疲労検知システム/前後パークディスタンスコントロール/リアトラフィックアラート/プリクラッシュブレーキ/LEDヘッドランプ/前後フォグランプ/ダークティンテッドガラス(リア3面)/レインセンサー/2ゾーンフルオートAC/VW純正インフォテイメントシステム・ディスカバリープロ/ETC2.0対応車載器/モバイルオンラインサービス/6スピーカー/パドルシフト/インテリアアンビエントライト/マルチファンクション本革巻きステアリング/スポーツコンフォートシート/シートアンダートレー/シルバールーフレール/18インチ5ダブルスポークアルミ
●ボディカラー:マケナターコイズメタリック(デザインパッケージ・グリーン)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万4350円

IMG_0201.JPGパワーウエイトレシオ:10.95kg/ps プラットフォームはVWの新世代MQB

IMG_0310.JPG999cc直3DOHC12Vターボ(116ps/200Nm) 最大トルクは自然吸気2リッターに匹敵 WLTCモード燃費:16.9km/リッター

IMG_0240.JPGリアゲートは大開口手動式 実用的なレイアウト ボディカラーは写真のマケナターコイメタリックをはじめ全8色をラインアップ

SNSでフォローする