トヨタ独自開発の新スポーツ4WDモデル「GRヤリス」が待望のデビュー!

トヨタがWRCで「勝ち抜く」ための知見やノウハウを注ぎ込んだスポーツ4WDGRヤリス」を初公開! まずは「First Edition」の予約受注を開始

 トヨタ自動車は110日、東京オートサロン2020にて独自開発の新スポーツ4WDモデル「GRヤリス」を初公開。合わせて同日より、GRヤリスの特別仕様車「RZ"First Edition"」と「RZ"High-performance First Edition"」の先行予約を、110日から630日までの約6カ月間に渡ってWeb限定で実施すると発表した。車両価格はRZ"First Edition"396万円、RZ"High-performance First Edition"が456万円に設定する。

GRヤリス1.jpg▲トヨタ・GRヤリス・RZ"High-performance First Edition" 価格:6MT456万円 全長3995×全幅1805×全高1460mm(社内測定値) 乗車定員4名 極限まで空力を突き詰めたエアロプライオリティフォルムに、トレッドの拡大および大径タイヤの装着を意図したワイド&ローの専用エアロダイナミックボディを採用する

 GRヤリスは、新世代コンパクトカー「ヤリス」の3ドアハッチバックをベースに、WRC(世界ラリー選手権)で「勝ち抜く」ための知見やノウハウを徹底的に注ぎ込んだ渾身の新スポーツ4WDモデルである。

GRヤリス2.jpg▲ルーフには新工法から生まれたフォージドカーボン材を、エンジンフードとドアパネル(左右およびリアゲート)にはアルミ材を使用した

 まず基本骨格には、TNGAToyota New Global Architecture)の思想に基づくスポーツ4WDプラットフォームを新たに開発し、同時にWRCの現場からのフィードバックを踏まえて一から鍛え上げた高剛性ボディを組み合わせた。また、シャシー面ではフロントに軽量高剛性なストラット式を、リアに高い応答性とグリップ力を発揮するダブルウィッシュボーン式を採用。もちろん、前後サスのジオメトリーの最適化やダンパー&スプリングおよびブッシュ類の強化なども実施する。ちなみに、ベース車のヤリスを開発する際はWRCのドライバーやスタッフも加わり、サスペンション取付部の強化などを当初から行ったそうだ。

GRヤリス4.jpg▲パワーユニットには新開発のG16E-GTS1618cc直列3気筒DOHC12V大容量インタークーラー付ターボエンジン(272ps37.7kgm)を搭載。駆動システムには電子制御多板クラッチによる前後駆動力可変システムを組み込んだ新開発のスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を採用する。リアサスペンションは新設計のダブルウィッシュボーン式で仕立てた

 パワーユニットに関しては、モータースポーツに必要な素性をゼロから織り込み、クラス最小・最軽量を果たした新開発のG16E-GTS1618cc直列3気筒DOHC12V大容量インタークーラー付ターボエンジンを搭載する。TNGAエンジンの高速燃焼コンセプトに加え、軽量な運動部品の組み込みによる高回転化、ターボチャージャーなど吸排気系の最適化などを図り、最高出力は3気筒エンジン世界トップレベルの272ps200kW)、最大トルクはワイドなレンジで37.7kgm370Nm)を発生する。また、RZ"High-performance First Edition"には走行時の熱対策に有効なインタークーラー用冷却スプレー機能を装備した。一方、トランスミッションにはリズミカルな変速を可能とした6MTiMTintelligent Manual Transmission)をセット。強力パワーに対応させる目的で、クラッチも十分な容量を確保した。

 駆動システムも要注目だ。電子制御多板クラッチによる前後駆動力可変システムを組み込んだ新開発のスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」を採用する。また、シフトレバー前方の4WDモードスイッチによって、NORMAL(前後駆動配分6040)、SPORT(同3070)、TRACK(同5050)の3モードの選択が可能。さらに、より高いレベルのスポーツドライビングに応える前後トルセンLSDを、RZ"High-performance First Edition"に設定した。一方、シューズにはRZ"High-performance First Edition"にBBS製鍛造アルミホイール(8J×18、マットブラック)+225/40ZR18ミシュランPilot Sport 4Sタイヤを、RZ"First Edition"にエンケイ製鋳造アルミホイール(8J×18、ブラック)+225/40ZR18ダンロップSP SPORT MAXX050タイヤを装着。制動機構にはフロントにスリット入りスパイラルフィン式ベンチレーテッド2ピースディスクブレーキ+アルミ対向4ポッドキャリパー(高μパッド)を、リアにスリット入りベンチレーテッドディスクブレーキ+アルミ対向2ポッドキャリパー(高μパッド)を採用し、GR専用レッドカラードキャリパーをRZ"High-performance First Edition"に標準、RZ"First Edition"にオプションで設定した。

GRヤリス3.jpg▲外板色には標準のスーパーホワイトⅡのほか、オプションでプラチナホワイトパールマイカ/エモーショナルレッドⅡ/プレシャスブラックパール(写真)を設定する

 エクステリアについては、極限まで空力を突き詰めたエアロプライオリティフォルムに、トレッドの拡大および大径タイヤの装着を意図したワイド&ローの専用エアロダイナミックボディを採用する。軽量化にもこだわり、ルーフには新工法から生まれたフォージドカーボン材を、エンジンフードとドアパネル(左右およびリアゲート)にはアルミ材を使用した。外板色には標準のスーパーホワイトⅡのほか、オプションでプラチナホワイトパールマイカ/エモーショナルレッドⅡ/プレシャスブラックパールを用意。ボディサイズは全長3995×全幅1805×全高1460mm(社内測定値)に設定した。

GRヤリス5.jpg▲専用本革巻き3本スポークステアリングホイールや専用スポーツメーターおよびマルチインフォメーションディスプレイ(4WD切替や過給圧等を表示)などを装備

 4名の乗車定員で仕立てたインテリアは、ドライバーズシートを中心に、スポーツ走行時の操作性にこだわった専用パーツを随所に採用したことが訴求点だ。具体的には、専用本革巻き3本スポークステアリングホイール(GRエンブレム付き)や専用スポーツメーターおよびマルチインフォメーションディスプレイ(4WD切替や過給圧等を表示)などを装備。スペシャル感を高める専用スモークシルバー加飾(ドアトリムオーナメント/ドアトリムパネル/インパネオーナメント/レジスターベゼル/レジスターノブ)も採用する。フロントシートはサイドのホールド性を高めたスポーツシートを装着し、シート表地はRZ"High-performance First Edition"にスエード&合皮(オプションでエモーショナルカラーも選択可)を、RZ"First Edition"にファブリックを貼付。また、RZ"High-performance First Edition"には専用アルミスポーツパッド付ペダルやJBLサウンドシステム(8スピーカー)+アクティブノイズコントロールも標準で装備した。

GRヤリス6.jpgRZ"High-performance First Edition"にはスエード&合皮表地のプレミアムスポーツシートを装着

 なお、GRヤリスの生産については、数々のスポーツモデルを造り込んだ元町工場の専用「GRファクトリー」ラインを新設し、「匠」の技能を有する従業員が組み立てることを計画している。

GRヤリス ラリー.jpg▲ワークスカラーを纏ったGRヤリス"RALLY CONCEPT"

GRヤリス CVTコンセプト.jpg▲会場ではイージードライブが可能なGRヤリス"CVT CONCEPT"も参考出品された

GRヤリス発表.jpg▲GRヤリス発表の場ではGAZOO Racing Companyプレジデントの友山茂樹氏が車両概要を説明し、終盤にトヨタ自動車の豊田章男社長が登壇。最後にタイの「トヨタプリティ」とともに記念写真に納まった

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