2020HOTインポート特集:スポーティ4ドアクーペ、CLAクラスがライバルに差をつけるアドバンテージとは?

メルセデス・ベンツCLA200d 価格:8SMT 472万円 試乗記

メインIMG_8164.JPGメルセデス・ベンツCLA200d CLAクラスは写真の4ドアクーペとワゴン形状のシューティングブレークの2ボディ構成 200dは2リッターディーゼル(150ps/320Nm)を搭載した販売主力モデル 駆動方式はFF

魅力的な4ドアが揃うメルセデス。CLAはスポーティさが魅力

 フルモデルチェンジした2ndCLAクラスと、新開発Aクラスセダンがほとんど同時に日本デビューした。メルセデス・ベンツの小型車戦略は、もはや隙がないというよりも、「隙間を広げて新型車を押し込む」と表現したほうがよさそうだ。

 現行型Cクラスを含めて3台の4ドアモデルのボディサイズを比較すると、なかなか興味深い。新型CLAクラスは全長×全幅×全高4695×1830×1430mm(AMGライン)。現行型Cクラス(同4690×1810×1425mm)とほとんど同じだ。Aクラス・セダンの設定(同4550×1800×1430mm)がこれまた絶妙で、CLAより全長が少し短い。しかもCLAのようなクーペスタイルではなく落ち着いた3ボックス。メルセデスの小型サルーンはいま、魅力的なモデルが揃っている。クルマ選びは、なかなか難しい。

 メーカー自身が「4ドアクーペ」とアピールするCLAクラスの位置づけは明快だ。3車のなかで明確にスポーティな方向に振っている。それはトレッドの数値を見ればわかる。旧型はベース車となる最新Aクラスと比べても35~45mmほど広い。よりパフォーマンス志向のディメンションである。さらにメーカーは、新型CLAクラスはデザインを最優先したと公言している。広いトレッドは、ハンドリング性能のみならずデザイン性を強く意識した結果でもある。

IMG_8174.JPGCLAはベース車のAクラス比トレッドが35~45mmワイドな走行性能重視ディメンション ボディカラーは写真のジュピターレッドなど全9色を設定

日本仕様は2ボディ/各3グレード構成。デザインは美しく伸びやか

 日本仕様のCLAクラスは2ボディタイプ、エンジンごとにグレードが異なる3車種を設定した。ボディはクーペとシューティングブレーク(クーペワゴン)があり、それぞれに2リッターディーゼルターボ(150ps/320Nm)の200d、2リッターガソリンターボ(224ps/350Nm)の250・4マチック、そして世界最強2リッターユニット(421ps/500Nm)を積むAMG45S・4マチック+を用意する。なお、CLAクラスは全グレードにマルチリンク式リアサスを採用する。

 デザインは美しく、伸びやか。FFベースであるにもかかわらず、リアの寸詰まり感はなく、クーペと呼ぶにふさわしいシルエットだ。

 デザイン重視の結果だろうか、トランク容量は460ℓリッターと旧型より10リッター小さい。ただし使い勝手は悪くない。後席にはトランクスルー機能を標準装備。クーペながら幅広いライフシーンに適合する。室内スペースは広く、大人4名での長距離クルージングを楽にこなす。

 インテリアの雰囲気は、最新Aクラス同様で、一気にモダンで、機能的なスタイルになった。

 AMG45S(856万円)は別格として、ガソリン(534万円)にするかディーゼル(472万円)を選ぶかは大きなテーマ。車両価格差は約60万円と決して小さくはないが、選ぶとなれば難問だ。

メインIMG_8241.JPGインパネは2つの10.25インチのメーターとセンターディスプレイを連結した形状 EクラスとSクラスに似たデザイン 各種スイッチ付きの本革巻きステアリングの操舵フィールはシャープな味わい

豊かなトルクが力強い加速を約束。ハンドリングは素晴らしい!

 試乗モデルはFFの200dだ。パフォーマンスに不足はない。むしろスポーティである。本来、1.4リッターターボ(136ps/200Nm)の180でも十分なボディサイズであるため、320Nmを発揮する2リッターディーゼルターボを積むと、走りの快活さが際立つ。実際、右足にちょっと力を込めただけで低速域からずいぶんと豊かなトルクがあふれ出て、どんな場面でも力強い走りを披露。スピードののびはたくましく、スタイリッシュなデザインによく似合う俊足ぶりを見せた。8速DCTのシフトプログラムは巧みな設定で、静粛性もハイレベルだった。

 ハンドリングは素晴らしい。ワイドトラックの利点で、ワインディングロードではAクラスに比べてずいぶんしっかりと路面をとらえる印象があった。ステアリングの手応えはよく、かなりアップテンポに攻めていける。その半面、低速域での乗り心地に少々ざらつきがあった。タイヤは225/45R18サイズを標準装備。ワイドな大径サイズだけにその影響かもしれない。スポーティモデルとしては、快適性は合格レベルだが、ラグジュアリーモデルとして見ると、もう少ししなやかな印象がほしいというユーザーもいるだろう。

 CLAクラスは、スポーティなデザインそのままの走り味を持つ4ドアスペシャルティ。中でも200dはディーゼルのトルクフルな味わいが印象深い。

 そして経済性。WLTCモードで18.4km/リッターという優れた燃費は大きな魅力になる。

IMG_8176.JPGドアはサッシュレス構造 CLAはデザイン性と実用性(サッシュレスドアは乗降生がいい)を兼備した4ドアクーペ

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IMG_8282.JPGシートは前後ともサポート性に優れたハイバック形状 体にフィットする感覚が心地いい 写真は2トーン本革シートとアルミインテリアトリムで構成する「AMGレザーエクスクルーシブパッケージ」(20万8000円)装着

IMG_8213.JPGAMGラインは5ツインスポークアルミ標準 タイヤサイズは標準仕様と共通の225/45R18 足回りはスポーツセッティング

メルセデス・ベンツCLA200d 主要諸元と主要装備

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グレード=200d
価格=8SMT 472万円
全長×全幅×全高=4690×1830×1430mm
ホイールベース=2730mm
トレッド=フロント1605/リア1600mm
車重=1570kg
エンジン=1949cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=110kW(150ps)/3400~4400rpm
最大トルク=320Nm(32.6kgm)/1400~3200rpm
WLTCモード燃費=18.4km/リッター(燃料タンク容量43リッター)
(WLTC市街地/郊外/高速道路=13.8/17.8/22.0km/リッター)
サスペンション =フロント・ストラット/リア・マルチリンク
ブレーキ=フロント・ベンチレーテッドディスク/リア・ディスク
タイヤ&ホイール=225/45R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.1m
●主な燃費改善対策:アイドリングストップ/筒内直接噴射/コモンレール高圧噴射/電子制御燃料噴射/ターボチャージャー/インタークーラー/電動パワーステアリング
●主要装備:ESP(横滑り防止装置)/アダプティブブレーキ(ホールド&ヒルスタートアシスト)/アテンションアシスト/アクティブボンネット/パーキングアシストリアビューカメラ/パークトロニック/アクティブパーキングアシスト/タイヤ空気圧警告システム/7エアバッグ/LEDハイパフォーマンスライト/前席イルミネーテッドステップカバー/本革巻きマルチファンクションステアリング/ダイレクトステアリング/クルーズコントロール/オートライト/レインセンサー/キーレスゴー/ダイナミックセレクト/ワイヤレスチャージング/オートAC/10.25インチモニターMBUXシステム/10.25インチコクピットディスプレイ/イモビライザー
●装着メーカーop:レーダーセーフティパッケージ(アクティディスタンスアシスト・ディストロニック+アクティブブレーキアシスト+ブラインドスポットアシスト+アクティブレーンキーピングアシスト+アクティステアリングアシスト+プレセーフ)25万円/ナビゲーションパッケージ18万7000円/AMGライン(AMGスタイリングパッケージ+ロゴ入りブレーキキャリパー+ステンレス製スポーツペダル+本革巻きスポーツステアリング+レザーDINAMICAシート+DINAMICAインテアリアトリム+18インチAMGツインスポークアルミ+マルチビームLEDヘッドライト+アダプティブハイビームアシストプラス)26万円/AMGレザーエクスクルーシブパッケージ(本革シート+アルミニウムインテリアトリム)20万8000円/アドバンスドパッケージ(360度カメラシステム+ヘッドアップディスプレイ+アドバンスドサウンドシステム)20万8000円
●ボディカラー:ジュピターレッド
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万9180円 ※AMGライン装着車の全長は4695㎜

IMG_8167.JPG徹底した空力処理によりCd値0.23を実現 ボディは高剛性構造 コンフォート/エコ/スポーツ/インディビジュアルが選べる走行モード切り替え標準

IMG_8230.JPG1949cc直4DOHC16Vディーゼルターボ 150ps/3400~4400rpm 320Nm/1400~3200rpm パワフル&スムーズ 充実した排気浄化システムで高いクリーン性能実現

IMG_8286.JPG後席はトランクスルー機能付き ユーティリティは高い トランク容量は460リッター

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