マクラーレンが「ロングテール」シリーズの最新作「765LT」を世界初公開! 4.0L・V8ツインターボエンジンは車名の通り765psにまでパワーアップ

「マクラーレン史上最もパワフルな"LT(ロングテール)"」を謳う最新ミッドシップスポーツカーのマクラーレン「765LT」がワールドプレミア! 0→100km/h加速は2.8秒、最高速度は330km/hを誇示

 英国マクラーレン・オートモーティブは3月3日(現地時間)、伝統の高性能モデル"LT(ロングテール)"仕様の最新バージョンとなる「765LT」を発表した。販売台数は765台の限定だ。

McLaren 765LT1.jpg▲マクラーレン765LT 1990年代のマクラーレンF1 GTRで幕を開け、2015年からは公道走行モデルに適用されるようになった"ロングテール"の最新バージョンとして開発される。販売台数は765台の限定

 ニューモデルの765LTは、1990年代のマクラーレンF1 GTRで幕を開け、2015年からは公道走行モデルに適用されるようになった"ロングテール"の最新バージョンとして開発される。ベース車は基本骨格にカーボンファイバー製"モノセル"モノコックを採用した、マクラーレンのSUPERシリーズに位置する「720S」。ここにビスポークのカーボンファイバー製LTボディパネルやエアロダイナミクス機能などを鋭意組み込んだ。具体的には、フロントの大型スプリッターや拡張したアクティブリアウイング、カーボンファイバー製のフロア/ドアブレード/リアディフューザー、そしてアクティブリアウイングを高い位置に置いたロングテールなどを採用し、エアロダイナミックダウンフォースを720S比で25%増加。また、車重はカーボンファイバーやボリカーボネート素材の活用、軽量デュアルサスペンションの導入などによって、720S比で約80kgの削減を成し遂げる。ボディサイズは全長4600×全幅1930×全高1157mm/ホイールベース2670mmに設定。720Sと比べてフロントの最低地上高は5mm低くなり、同時にフロントトレッドを6mm拡大したことで、グリップ性能と前後の空力バランスの両面を向上させた。ボディカラーについては、専用色のナルド・オレンジとスモークド・ホワイトの2色を含む17色をラインアップ。「600LT」で初めて公開され、「675LT」オリジナルのシケイン・グレーを想起させるシケイン・エフェクトも選択可能とした。

McLaren 765LT2.jpg▲ミッドシップに配したパワーユニットは720Sに搭載するM840T3994ccV8気筒DOHCツインターボエンジンのチューンアップバージョンで、最高出力は765ps7500rpm、最大トルクは800Nm5500pmを発生する

 ミッドシップに配したパワーユニットは720Sに搭載するM840T型3994cc・V型8気筒DOHCツインターボエンジンのチューンアップバージョンで、専用セッティングの燃料供給装置やチタン製エグゾーストシステムなどの組み込みによって、最高出力は720S比で45psアップの765ps/7500rpm、最大トルクは30N・mアップの800N・m/5500pmを発生。1トンあたり出力は622psという、極めて優秀なパワーウェイトレシオを実現した。トランスミッションにはコンフォート/スポーツ/トラックのモードを備えた専用セッティングの7速DCT(7速シームレスシフトギアボックス=7SSG)を組み合わせ、後輪を駆動。性能面では0→100km/h加速が2.8秒、0→200km/h加速が7.2秒、最高速度が330km/hを誇る。

McLaren 765LT3.jpg▲ボディサイズは全長4600×全幅1930×全高1157mm/ホイールベース2670mm、乾燥車重は1229kg。写真のボディカラーは専用色のナルド・オレンジ

 一方、シャシー面ではアルミニウム製デュアルウィッシュボーンサスペンションをベースに、精度と制御をさらに向上させたPCCⅡ(プロアクティブ シャシーコントロールⅡ)や専用チューニングのダンパーおよびスプリングなどをセットしたことがトピック。同時に、操舵機構にはギア比をよりクイック化するとともにトーションバーを固めに調整した電動油圧式パワーステアリングを採用する。また、制動機構には前Φ390mm/後Φ380mmのカーボンセラミックディスクと前モノブロック6ピストン/後4ピストンの鍛造アルミニウム製キャリパーを装備。シューズには前9J×19/後11J×20・10本スポークウルトラライトウエイト鍛造アロイホイール+前245/35R19 93Y(XL)/後305/30R20 103Y(XL)ピレリP Zero Trofeo Rタイヤを装着した。

McLaren 765LT4.jpg▲油圧で作動するアクティブリアウイングを専用装備。走行状況に合わせた3モードの作動ポジションを設定する

 インテリアに関してはモータースポーツから着想したデザインで構成し、カーボンファイバー骨格のレーシングシートやセンタートンネルおよびフロアの全体をカバーする軽量のアルカンターラなどを採用する。また、内装色には淡い色彩を初めて導入した。さらに、ドーブ・グレーのアルカンターラにサイタス・グレーのステッチ、バーント・オレンジのアルカンターラにカルミンのステッチ、ミッドナイト・ブルーのアルカンターラにキングフィッシャー・ブルーのステッチという3つの仕様をラインアップしている。

McLaren 765LT5.jpg▲モータースポーツから着想したインテリアデザインで構成。操舵機構にはギア比をよりクイック化するとともにトーションバーを固めに調整した電動油圧式パワーステアリングを採用する

McLaren 765LT6.jpg▲カーボンファイバー骨格のレーシングシートを装備。内装色には淡い色彩を初めて導入した

 サーキット走行を楽しむユーザーに向けた、MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)クラブスポーツおよびMSOクラブスポーツプロのパックオプションを用意したことも特徴だ。MSOクラススポーツパックにはマクラーレン・セナに装備される超軽量カーボンファイバー骨格レーシングシートのほか、やはりセナに採用する高性能ブレーキディスクおよびビスポークのLT用ブレーキパッドを組み込むサーキット用のブレーキアップグレード、ラップタイム機能と3台のカメラがついたマクラーレン・トラック・テレメトリー(MTT)、MSO Definedのサテン仕上げビジュアル・カーボンファイバー・エアベントなどを設定。一方、MSOクラブスポーツプロパックにはMSO Definedダークチタニウム製ハーネスバーとブラック仕上げMSO Defined6点式シートベルトを追加している。

SNSでフォローする