爽快オープンカー特集。日伊合作のサソリ。170psターボを積むアバルト124スパイダーの刺激

アバルト124スパイダー 価格:6MT 406万円/6SAT 416万9000円 試乗記

メインIMG_8341.JPGアバルト124スパイダー マツダとの共同開発車 ロードスターをベースにFCAがスタイリングを担当 生産はマツダ広島工場 エンジンはフィアット製1.4リッター直4ターボ(170ps)  リアトルセンLSD標準

パワーウエイトレシオ6.65kg/ps! 強力な加速フィールが心地いい

 アバルト124スパイダーは、その開発背景を知る日本のユーザーにとって親近感がわくモデルだ。マツダとFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)が協業してロードスターをベースに作り上げた2シーターオープンだからである。

 スタイリングは、往年の124スパイダーの特徴を伝える。ウインドシールド回りはロードスターと共通だが、全体の雰囲気はまるで異なる。どこかクラシカルで、実にスポーティだ。

 エンジンはフィアット製 1.4リッター直4DOHC16Vターボ。スペックは170ps/250Nm。1130kgの軽い車体が、ターボトルクに押し出される加速フィールは実に爽快。パワーウエイトレシオはわずか6.65kg/ps。 0→100km/h加速は6.8秒でクリアする。フロントエンジンながら、前後重量配分は50対50と理想的である。

 トランスミッションは6速MTと6速ATが設定されている。オープンエアを味わうだけならATで十分。だが、ライトウエイトスポーツのキャラクターを重視するなら、やはりMTで乗りたい。試乗車は6速MT仕様。シフトフィールは良好だ。手首の返しでシフト操作は完了する。その一方で、ペダルはヒール&トゥを行うとブレーキとアクセルの高さが合わず、空振りする場合が多かった。ここは改善してほしい。

IMG_8292.JPG全長×全幅×全高4060×1740×1240mm 車重1130kg パワーウエイトレシオ:6.65kg/ps 前後重量配分は50対50 ボディカラーは写真のロッソコスタブラーバなど全4色

ハンドリングは最高。「曲がる」は超得意科目!

 トップの開閉は簡単そのもの。クローズド状態からオープンにする場合、慣れれば10秒ほどで完了する。手動式だが、操作性は良好。電動タイプと比較して軽く、トラブルフリーな点は大きな魅力だ。風の巻き込みは適度。これはウインドストップの効果である。高速道路でもやせ我慢はいらない。オープンエアを存分に楽しめる。

 排気量は1.4リッターと小さいものの、ターボの威力と6速MTを走行状況に合わせて的確に操作すれば、強力な加速Gが味わえるのは大きな魅力だ。

 ハンドリングは最高。まず高速直進性が抜群にいい。欧州の高い速度域を意識した操縦特性が与えられている。直進状態からステアリングを切り始めたときの応答性も自然だ。

〝曲がる〟も超得意科目。コーナーをヒラヒラと駆け抜ける能力は絶品。引き締められたビルシュタイン製ダンパーと、反応が鋭いトルセンLSDの効果で、後輪駆動力を確実に路面に伝達しながら、鋭い旋回性能が楽しめる。まさにライトウエイトスポーツらしい操縦性だ。

 オープン状態なら、走りの醍醐味を音の面でも楽しめた。豪快な排気サウンドが、ドライビング気分を盛り上げる。やはりイタリアンは違う。

IMG_8464.JPGソフトトップは手動開閉式 開閉操作は簡単 室内から約10秒で操作できる

IMG_8555.JPGインパネはマツダ・ロードスターと基本的に共通 ステアリング中央に「サソリ」のエンブレム装着 7インチモニター標準 ハンドリングは高速直進性を含めハイレベル

IMG_8601.JPGシートはアルカンターラとレザーのコンビ標準 写真の本革はop カラーはブラックとレッドの2色

IMG_8529.JPG1368 cc直4DOHC16Vターボ 170ps/5500rpm 250Nm/2500rpm スポーツモード選択時のパワフルさは印象的なレベル 吹き上がりはスムーズ

IMG_8574.JPGトランスミッションは6MTと6AT 走行モード切り替えをシフト基部に配置

IMG_8512.JPG205/45R17タイヤ+ダーク塗装アルミ ダンパーはビルシュタインを組み込む

IMG_8481.JPG排気エンドは左右ツインのデュアル出し 快音を奏でる

アバルト124スパイダー 主要諸元と主要装備

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グレード=アバルト124スパイダー(MT)
価格=6MT 406万円
全長×全幅×全高=4060×1740×1240mm
ホイールベース=2310mm
車重=1130kg
エンジン=1368cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=125kW(170ps)/5500rpm
最大トルク=250Nm(25.5kgm)/2500rpm
JC08モード燃費=13.8km/リッター(燃料タンク容量45リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤサイズ=205/45R17+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=2名
最小回転半径=4.7m
●主要燃費改善対策:電動パワーステアリング/マルチエア
●主要装備:フロントストラットタワーバー/トルクセンシング式LSD/ブレンボ製4ポッドフロントブレーキキャリパー/ツインデュアルエキゾーストパイプ/ビルシュタイン製モノチューブダンパー/SPORTスイッチ/ハロゲンヘッドライト/前後フォグランプ/レインセンサー付きワイパー/アルミスポーツペダル/レザーインテリア/アルカンターラ&レザーシート/シートヒーター/本革巻きスポーツステアリング/クルーズコントロール/コマンダーコントロール/ソフトトップ/ウインドストップ/ロールバーカバー/サイドスカート/リアスポイラー/オートAC/7インチタッチパネルディスプレイ
●装着メーカーop: レザーシート/ナビゲーションパッケージ(アダプティブLEDヘッドライト+ヘッドライトウォッシャー+レザーシート+ナビゲーション)22万円/ハイパフォーマンスエグゾーストシステム(レコードモンツァ)18万1500円
●ボディカラー:ロッソコスタブラーバ
※2016年8月デビュー ※価格はすべて消費税込み

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