【最新モデル試乗】話題の三菱eKクロス・スペース&日産ルークスの実力

三菱eKクロス・スペースT eKクロス・スペースの個性はアウトドアテーストのスタイリング ターボ(64ps)と自然吸気(52ps)を設定 メカニズム&基本仕様は日産ルークスと共通  両車の設計は日産が主導 生産は三菱・水島工場
三菱eKクロス・スペースT eKクロス・スペースの個性はアウトドアテーストのスタイリング ターボ(64ps)と自然吸気(52ps)を設定 メカニズム&基本仕様は日産ルークスと共通  両車の設計は日産が主導 生産は三菱・水島工場

三菱eKクロス・スペースT(FF) 価格:7CVT 185万9000円 試乗記

新型は日産ルークスと兄弟車。スタイリングはちょっぴりSUVイメージ

 2019年秋の東京モーターショーで、「スーパーハイト軽ワゴンコンセプト」として参考出品された三菱の新型軽自動車が、eKクロス(X)スペース/eKスペースというネーミングで発売された。
 eKスペース・シリーズは、日産ルークスと兄弟車。企画マネジメントは日産と三菱の合弁会社NMKVが担当。実際の開発は日産が主導した。

 試乗車はeKクロス・スペースのターボエンジンを搭載したTのFF仕様である。
 スタイリングは、三菱が各車に採用している「ダイナミックシールド」というフロントマスクが目立つ。デリカD:5のマイナーチェンジでこのマスクを見たたときは驚いたが、昨年のeKクロスや今回のeKクロス・スペースの場合は、当初からこのデザインを想定して開発したからだろうか、違和感がないまとまりになっている。
 アイボリーとオレンジの2トーン塗装(op8万2500円)にも好感を抱いた。ルーフを塗り分けた2トーンは、多くの場合、白や黒が一般的。この配色は上質感をアピールしながら存在感もある。絶妙なコーディネートだ。

 ルーフレール(op2万7500円)を装着した試乗車のスリーサイズは3395×1475×1800mm。標準仕様のeKスペースと比較すると最低地上高は155mmで同値。全高はオプションのルーフレール分だけ高い。だがホイールアーチとサイドシルをブラック、前後バンパー下端をシルバーとした演出効果で、車高を上げているようなちょっぴりワイルドな感覚を受ける。スタイルは適度に力強い。三菱のSUV作りの豊富な経験が存分に生きている。

全長×全幅×全高3395×1475×1800mm(ルーフレール装着車) 車重970kg 最小回転半径:4.8m ボディカラーは全13種
全長×全幅×全高3395×1475×1800mm(ルーフレール装着車) 車重970kg 最小回転半径:4.8m ボディカラーは全13種

上質で広い室内。収納スペースが豊富な便利設計

 試乗車の内装はオプションのプレミアムインテリアパッケージ仕様(op5万5000円)。オレンジのステッチを入れたブラウンの合成皮革をインパネ、ドアトリム、シートの一部に取り入れており、上級ブランドのSUVを思わせる上質な雰囲気を実現していた。

 インパネは運転席前にアナログの2眼式メーターを置き、センターに大型モニターを据えたレイアウト。ライバルと比較するとオーソドックスな造形で落ち着きがある。クロスオーバースタイルをアピールするekクロススペースにふさわしいと感じた。

 収納スペースは豊富。インパネ助手席側の2段式グローブボックスの上段を引き出しにしているアイデアが目を引いた。後席は左右別々にスライド、リクライニング、折りたたみが可能。スライドを中間ぐらいにセットしても、身長170cmのパッセンジャーが楽に足が組める。広さは十分である。スライドや折りたたみレバーの使いやすさも印象に残った。

インパネは上質な印象 Aピラーの工夫で視界はワイド 写真はプレミアムインテリアパッケージ(op5万5000円)装着 9インチナビはディーラーop(22万8668円)
インパネは上質な印象 Aピラーの工夫で視界はワイド 写真はプレミアムインテリアパッケージ(op5万5000円)装着 9インチナビはディーラーop(22万8668円)

静粛で力強いパフォーマンス。乗り心地良好。リラックスして走れる

 パフォーマンスは十分以上。車両重量は970kgに達するが、ターボエンジンは、100Nmの最大トルクを2400~4000rpmという幅広い回転数で発揮。これをマイルドハイブリッドシステムがサポートする。一般的な走行なら3000rpmくらいまで回せば必要な加速が手に入る。エンジンは発進直後から力強く、その後のパワーの盛り上がりはなだらか。リラックスして走れる。

 静粛性も高い。加速時には相応にエンジン音が高まるが、クルージング時は実に静かだ。高速道路でも街中でセットしたオーディオが楽しめる。オプションで用意される運転支援システムのマイパイロットも、Kカーとは思えない高い完成度に到達していた。高速道路を使ったロングドライブで大きなメリットをもたらすに違いない。

 乗り心地は軽スーパーハイトワゴンとして、かなりしっとりしている。シートの座り心地は優しく、ワンクラス上級な印象を受ける。全高が高いこともあり、ステアリングを一気に切るようなシーンでは、車体はそれなりにロールする。同乗者がいる場合は、この点を考慮に入れてドライブしたほうがよさそうだ。
 とはいえ高速道路のカーブなどで、ステアリングをゆっくり切っていくような場面では、ロールは気にならず、スムーズに曲がっていける。マイパイロットを使って流れに乗った移動をこなし、ユースフルな収納を活用して山や海を目指す使い方が、このクルマに合っている。

 ターボエンジンはジェントル指向のeKスペースでも選べる。完成度の高い乗り味をシンプルかつプレーンなデザインとともに楽しみたいというユーザーは、そちらを選ぶといいだろう。

eKクロス・スペースの前後バンパーはプロテクター風ガーニッシュ付き 室内の静粛性は高速巡航時を含め高水準
eKクロス・スペースの前後バンパーはプロテクター風ガーニッシュ付き 室内の静粛性は高速巡航時を含め高水準
室内長2200mm シートはクッション性に優れた快適設計 後席は左右独立320mmのスライド&リクライニング機能付き 低床設計により乗降性優秀
室内長2200mm シートはクッション性に優れた快適設計 後席は左右独立320mmのスライド&リクライニング機能付き 低床設計により乗降性優秀
ラゲッジ長は従来比最大208mm拡大  27インチ自転車をそのまま積める広さ 後席スライド&折りたたみは荷室側からできる
ラゲッジ長は従来比最大208mm拡大  27インチ自転車をそのまま積める広さ 後席スライド&折りたたみは荷室側からできる
デジタルルームミラーは先進安全パッケージ(9万3500円)として用意 鮮明な後方視界を提供
デジタルルームミラーは先進安全パッケージ(9万3500円)として用意 鮮明な後方視界を提供
セットopのマルチアラウンドモニター付きはバック時に後方と俯瞰情報を表示
セットopのマルチアラウンドモニター付きはバック時に後方と俯瞰情報を表示
タッチパネル式フルオートACの操作性は良好 シートヒータースイッチは大型形状
タッチパネル式フルオートACの操作性は良好 シートヒータースイッチは大型形状
左側スライドドアは足の動きで開閉するハンズフリー式 右側はop
左側スライドドアは足の動きで開閉するハンズフリー式 右側はop

三菱eKクロス・スペースT(FF) 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=T(FF)
価格=7CVT 185万9000円
全長×全幅×全高=3395×1475×1780mm
ホイールベース=2495mm
トレッド=フロント1300/リア1290mm
車重=970kg
エンジン=659cc直3DOHC12Vターボ(レギュラー仕様)
最高出力=47kW(64ps)/5600rpm
最大トルク=100Nm(10.2kgm)/2400~4000rpm
モーター最高出力=2.0kW(2.7ps)/1200rpm
モーター最大トルク=40Nm(4.1kgm)/100rpm
WLTCモード燃費=18.8km/リッター(燃料タンク容量27リッター)
(市街地/郊外/高速道路=16.7/20.0/19.1km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=165/55R15+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=4名
最小回転半径=4.8m
●主な燃費改善対策:自動無段変速機/電動パワーステアリング/アイドリングストップ/可変バルブタイミング/ハイブリッド/バッテリーアシストシステム/充電制御
●主要装備:e–アシスト(衝突被害軽減ブレーキ+踏み間違い衝突防止アシスト+車線逸脱警報+オートマチックハイビーム+ふらつき警報+前方衝突予測警報+標識検知+先行車発進通知)/前席+サイド+カーテン+運転席ニーエアバッグ/フロント&リアソナー/LEDヘッドライト/フロントフォグランプ/IRカット&99%UVカットガラス/黒色ホイールアーチ/カラー液晶マルチインフォメーション/本革巻きステアリング/ステアリングスイッチ/ナビ取付パッケージ(6スピーカー+GPS&TVアンテナ+ナビパネル)/タッチパネル式オートAC/減速エネルギー回生システム/グリップコントロール/キーレスオペレーション
●装着メーカーop:ルーフレール2万7500円/プレミアムインテリアパッケージ5万5000円/先進安全パッケージ(デジタルルームミラー+マルチアラウンドモニター)9万3500円/先進快適パッケージ(アダプティブクルーズコントロール+車線維持支援機構+電動パーキングブレーキ他)7万1500円/アダプティブLEDヘッドライト7万7000円/運転席ハンズフリーオートスライドドア5万5000円/後席パッケージ(助手席シートバックテーブル+リアサーキュレーターほか)4万4000円
●ボディカラー:ナチュラルアイボリー+サンシャインオレンジメタリック(op8万2500円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は7630円

三菱eKスペースT(FF) 価格:7CVT 163万5700円 標準仕様はラウンディッシュなフロントマスクを採用 グリルはターボがブラック仕上げ 自然吸気はボディ同色 インテリアはクリーム基調の明るい色調 ボディカラーは写真のミントブルーメタリック+ホワイトソリッド(op6万5000円)など2トーン3種 モノトーン6色の計9タイプ Tは直3DOHC12Vターボ(64ps)を積むマイルドハイブリッド WLTCモード燃費:18.8km/リッター(FF) タイヤは14インチ仕様
三菱eKスペースT(FF) 価格:7CVT 163万5700円 標準仕様はラウンディッシュなフロントマスクを採用 グリルはターボがブラック仕上げ 自然吸気はボディ同色 インテリアはクリーム基調の明るい色調 ボディカラーは写真のミントブルーメタリック+ホワイトソリッド(op6万5000円)など2トーン3種 モノトーン6色の計9タイプ Tは直3DOHC12Vターボ(64ps)を積むマイルドハイブリッド WLTCモード燃費:18.8km/リッター(FF) タイヤは14インチ仕様
日産ルークス・ハイウエイスターGターボ・プロパイロットエディション(FF) 価格:7CVT 193万2700円 ハイウェイスターは精悍な印象のスポーティ仕様 室内色はブラック標準 ブラウンカラーのプレミアムグラデーションインテリアをop設定(6万6000円) パワーユニットはマイルドハイブリッドのターボ(64ps)と自然吸気(52ps)の2種 ボディカラーは写真のアメジストパープル+フローズンバニラパール(op7万1500円)など2トーン3種 モノトーン8種の計11タイプ
日産ルークス・ハイウエイスターGターボ・プロパイロットエディション(FF) 価格:7CVT 193万2700円 ハイウェイスターは精悍な印象のスポーティ仕様 室内色はブラック標準 ブラウンカラーのプレミアムグラデーションインテリアをop設定(6万6000円) パワーユニットはマイルドハイブリッドのターボ(64ps)と自然吸気(52ps)の2種 ボディカラーは写真のアメジストパープル+フローズンバニラパール(op7万1500円)など2トーン3種 モノトーン8種の計11タイプ
日産ルークスX(FF) 価格:CVT 154万6600円 ルークスの標準仕様 パワーユニットは自然吸気(52ps)のマイルドハイブリッドのみ ターボは未設定 インテリアはクリーム基調 ボディカラーは写真のホワイトパール+セレニティゴールド(op7万1500円)など2トーン2種 モノトーン9色の計11タイプ XのWLTCモード燃費は20.8km/リッター(FF) 衝突被害軽減ブレーキや踏み間違い衝突防止アシストなど7種の安全機能標準 プロパイロット未設定
日産ルークスX(FF) 価格:CVT 154万6600円 ルークスの標準仕様 パワーユニットは自然吸気(52ps)のマイルドハイブリッドのみ ターボは未設定 インテリアはクリーム基調 ボディカラーは写真のホワイトパール+セレニティゴールド(op7万1500円)など2トーン2種 モノトーン9色の計11タイプ XのWLTCモード燃費は20.8km/リッター(FF) 衝突被害軽減ブレーキや踏み間違い衝突防止アシストなど7種の安全機能標準 プロパイロット未設定
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