【最新モデル試乗】走りと環境性能を徹底追及。ボルボS60ポールスターエンジニアードの凄い実力

ボルボS60・T8ポールスターエンジニアード S60シリーズのイメージリーダー 専用チューンのパワートレーンと足回りを採用した特別仕様車 当初輸入モデルは完売 今後も適宜販売予定
ボルボS60・T8ポールスターエンジニアード S60シリーズのイメージリーダー 専用チューンのパワートレーンと足回りを採用した特別仕様車 当初輸入モデルは完売 今後も適宜販売予定

ボルボS60ポールスターエンジニアード 価格:8SAT 919万円 試乗記

全身スポーツチューン! 環境に優しいプラグインハイブリッドセダン

 S60は、現在日本で販売されているボルボ車で唯一のセダンである。そしてボルボ初のアメリカ工場製であり、ディーゼルを設定しない点でも話題になった。シリーズの頂点に立つモデルが、特別仕様車のT8ポールスターエンジニアード。かつてボルボのハイパフォーマンス部門として名を馳せたポールスターが、さまざまなチューニングを施している点がニュースだ。

 搭載するパワーパックは、ターボとメカニカルスーパーチャージャーによる〝ツイン過給”が図られた2リッター直 4の直噴エンジン(333ps)と、モーター(フロント34kW/リア65kW)を組み合わせたプラグイン式ハイブリッドシステム。トランスミッションは8速ステップAT。後輪をモーターで駆動する4WDシャシーの持ち主である。
 ボルボ車に「走り」のイメージを抱くユーザーは、少数派かもしれない。だが、T8ポールスターの熱いスポーツ心は、スタイリングを見れば、瞬時にわかる。

 前後のバンパーやグリルは専用の精悍なデザイン。インテリアはスポーツシート、ゴールドカラーのシートベルトとスポーツペダルが存在感をアピールする。
 ホイールは19インチの鍛造タイプ。スポーク間からはゴールドのブレーキキャリパーが見える。単なるファッションではない。フロントにはブレンボ製ユニットが奢られている。

全長×全幅×全高4760×1850×1435mm 車重2030kg パワーウエイトレシオ:4.83kg/ps 後輪をモーターで駆動する4WD
全長×全幅×全高4760×1850×1435mm 車重2030kg パワーウエイトレシオ:4.83kg/ps 後輪をモーターで駆動する4WD

システム出力420ps! 全開時の速さはスーパースポーツ級

 走りは2つの個性が際立つ。センタートンネル内に巧みにレイアウトされた駆動用バッテリーの充電状態が十分なら、エンジンに頼らずに「ピュアEV」として42kmほど走れる。一方、ドライブモードでダイナミックを選択し、420psのシステム出力をフルに引き出した場合のスピード性能は、まさにスーパースポーツカーに匹敵する。

 重低音サウンドがスピーカーを通じてキャビン内に放たれる演出もあり、加速時の迫力はルックスにふさわしい。アクセルワークと走行モードによって、ここまで走りのキャラクターを大きく変えるセダンは、なかなかお目にかかれない。

 フットワークのテイストは基本的に硬質。専用設計のオーリンズ製ダンパーは22段階の減衰力調節式。切り替えが手動式なのはやや面倒だが、「しなやかさをキープしながら高い運動性を追求した」というメーカーの説明に納得できた。
 S60・T8ポールスターエンジニアードは、ボルボのブランドイメージからはちょっと想像できないスーパーセダンである。環境に優しく、走りは圧倒的にスポーティ。際立つ2面性が、このモデルならではの魅力を生み出している。

ポールスターの室内はブラック基調 インパネはレザー調仕上げ 本革巻きステアリングはスポーツ形状 中央にナビや各種調節機能を集約した9インチタッチスクリーン装備 各部上質な作り
ポールスターの室内はブラック基調 インパネはレザー調仕上げ 本革巻きステアリングはスポーツ形状 中央にナビや各種調節機能を集約した9インチタッチスクリーン装備 各部上質な作り
ナッパレザーのコンビスポーツシートはサポート性&座り心地優秀 シートベルトはゴールド 乗り心地は引き締まった印象
ナッパレザーのコンビスポーツシートはサポート性&座り心地優秀 シートベルトはゴールド 乗り心地は引き締まった印象
235/40R19タイヤ+鍛造アルミ標準 フロントブレーキはブレンボ製6ピストン式
235/40R19タイヤ+鍛造アルミ標準 フロントブレーキはブレンボ製6ピストン式
1968cc直4DOHC16Vターボ+SC(333ps/430Nm)+ツインモーター(フロント34kW/リア65kW) システム出力420ps
1968cc直4DOHC16Vターボ+SC(333ps/430Nm)+ツインモーター(フロント34kW/リア65kW) システム出力420ps
フロントフェンダー左に充電リッド配置 バッテリー容量34Ah
フロントフェンダー左に充電リッド配置 バッテリー容量34Ah
メーターはフル液晶タイプ 速度計は260km/hスケール 中央部に多彩な情報を表示
メーターはフル液晶タイプ 速度計は260km/hスケール 中央部に多彩な情報を表示

ボルボS60ポールスターエンジニアード 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=T8ポールスターエンジニアード
価格=8SAT 919万円(限定車)
全長×全幅×全高=4760×1850×1435mm
ホイールベース=2870mm
トレッド=フロント1600×リア1600mm
車重=2030kg
エンジン=1968cc直4DOHC16Vターボ&スーパーチャージャー(プレミアム仕様)
最高出力=245kW(333ps)/6000rpm
最大トルク=430Nm(43.8kgm)/4500rpm
モーター最高出力=フロント34kW/2500rp/リア65kW/7000rpm
モーター最大トルク=フロント160Nm/0~2500rpm/リア_240Nm/0~3000rpm
動力用電池容量=34_Ah
充電電力使用時走行距離=42.0km
ハイブリッドWLTCモード燃費=13.6km/リッター(燃料タンク容量60リッター)
(市街地/郊外/高速道路=13.6/11.3/15.8km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:インテグラル
ブレーキ=前後ディスク
タイヤ&ホイール=235/40R19+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.7m
●主な燃費改善対策:プラグインハイブリッド/筒内直接噴射/可変バルブタイミング/アイドリングストップ/電動パワーステアリング/ブレーキエネルギー回生システム
●ポールスターエンジニアード特別装備:専用エクステリア(Rデザイン・ベース)/電動パノラマガラスサンルーフ/専用オープングリッドテキスタイル・ナッパレザーコンビスポーツシート/ゴールドカラーシートベルト/テイラードダッシュボード(人工皮革仕上げ)/メタルメッシュアルミニウムパネル/本革&シルクメタル・スポーツステアリング/ステアリングヒーター/スポーツペダル/本革巻きシフトノブ/専用フロアマット/チャコールカラールーフライニング/パドルシフト/ブレンボ製専用フロントブレーキ(371mm径&6ピストン)/ゴールドカラーブレーキキャリパー/専用サスペンション(22段階調節オーリンズ製ショックアブソーバーほか)/ストラットタワーバー/19インチタイヤ&8J鍛造アルミ
●主要装備:6エアバッグ/セーフティヘッドレスト/シティセーフティ(プリクラッシュブレーキ+右折時対向車検知機能+衝突回避支援ステアリングサポート+歩行者&サイクリスト&動物検知機能+対向車対応機能)/対向車線衝突回避支援機能/全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロール/パイロットアシスト(車線維持支援機能)/ブラインドスポットインフォメーション/レーンチェンジマージエイド/レーンキーピングエイド/ドライバーアラートコントロール/クロストラフィックアラート/ロードサインインフォメーション/道路逸脱事故時保護機能/道路逸脱回避支援機能/フルアクティブハイビーム/360度ビューカメラ/パークアシストパイロット/車間警告機能/アドバンスドスタビリティコントロール/コーナートラクションコントロール/キーレスドライブ/ドライビングモードセッティング/電動パーキングブレーキ/前席電動パワーシート/ヘッドアップディスプレイ/HDDナビゲーション/2ゾーンオートAC
●ボディカラー:ブラック
※2019年11月デビュー ※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は2万3120円

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